すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【森保ジャパン】ユルさが目立った花試合 ~日本2-0パラグアイ

2019-09-06 08:01:13 | サッカー日本代表
体が重いパラグアイは亡霊のようだった

 イングランドのプレミアリーグを見慣れた目には、選手の動きがスローモーションに見えた。プレースピードが遅く、インテンシティが低い。

 ことにピッチを漂うパラグアイの選手はカラダが重く、まるで亡霊のようだった。運動量もない。あれでは2失点するのも当然だろう。あのユルさを見れば、キリンチャレンジ杯はもはや強化にならないことが自明になった試合だった。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが権田。最終ラインは右から酒井宏、冨安、吉田、長友。セントラルMFは柴崎岳と橋本拳人。2列目は右から堂安、南野、中島。ワントップは大迫だ。

 日本はボールを奪うと縦に速く攻めるいつものリズムで試合をしている。ポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)がいい。ただし問題は逆のパターンだ。

ネガティブ・トランジションの欠如

 例えばミスをして「ああっ!」などと足を止めて天を仰ぐ時間など現代サッカーにはない。だがヘディングシュートをミスった吉田や、パスミスした途中出場の永井は見事にそれをやっていた。ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)がなってない。

 特に日本のコーナーキックを競った吉田は敵ゴール前でヘディングシュートをミスったあと、天を仰いで動きを完全に止めていた。

 だが、もしあの瞬間にボールをキャッチした敵ゴールキーパーが素早くフィードしてカウンターを食らったら、あのロシア・ワールドカップのベルギー戦とまったく同じ展開になっていた。選手は何も学んでないし、その自覚さえもない。

中島のポジショニングは釈然としない

 また左SHの中島は2ゴールの起点になったが、ただしポジショニングに関しては釈然としない。ハーフスペースを意識しているのかもしれないが、相変わらずサイドに開き幅を取る位置取りをしない。バランスを無視して中へ移動し、トップ下の位置に居座り真ん中に渋滞を招いていた。

 彼はサイドからドリブルしながらカットインしてシュートに行く自分の得意形が敵にすっかり読まれているので、新たなシュート機会を求めて中へ、中へと入ってくるのだろう。「サッカーを楽しみたい」が彼の口癖だ。パラグアイの選手を怒らせたあの意味のないリフティング・ドリブルが典型だが、彼は自分さえ楽しければそれでいいのだろうか?

 一方、もちろん感心させられた選手もいた。例えば大迫と南野の決して動きを止めない献身性とシャープさ、柴崎のゲームコントロールには目を見張った。そして後半から右SHで途中出場した久保である。

久保はどう考えてもレギュラー確定だろう

 データ分析会社の「Opta」によれば、久保はドリブルと被ファウル数でチーム最多を記録した。またシュート数とデュエル数でもチーム最多タイだった。

 彼はボールが足に吸い付いていたし、コンディションがよくカラダもキレキレ。メンタルもアグレッシブで、積極的に仕掛けて5本のシュートを打ちまくった。惜しくもバーを叩く一撃もあり、GKを強襲したシュートもあった。

 もしあのうち1本でも入っていたら、今朝の新聞の見出しは決まっていただろう。相変わらずオフ・ザ・ボールと守備は課題だが、客観的に言って彼はどう考えてもレギュラー確定だ。

 おそらく森保監督は4日後に控えたW杯アジア2次予選初戦のミャンマー戦では、一部を除きこのパラグアイ戦のスタメンをそのまま使うつもりなのだろう。だが、もし久保が出場しないようなことがあれば、それはただの日本的な年功序列にすぎない。森保監督にはよく考えてもらいたい。

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