レギュラー組との差なんてない
サッカーにとって「ゴールとはいかに大切か」を思い知らされたゲームだった。得点はこれほど人を幸せにするものなのだ。
パラグアイはいかにも「練習試合」てな緩い感じで厳しいプレスもなくインテンシティが低かったので参考外ではあるが……乾が2点、香川1点、柴崎のCKからのオウンゴール1点(半分は柴崎の得点みたいなもの)。理屈抜きに快哉を叫んだ試合だった。ただし、またセットプレイから2失点したのは大きな課題だが。
フォーメーションは4-2-3-1。GKは東口。最終ラインは右から遠藤航、植田、昌子、酒井(高)。ボランチは柴崎と山口蛍。右WGが武藤、トップ下は香川、左WGは乾。ワントップは岡崎だ。
試合は日本が最終ラインから丁寧にビルドアップし、ポゼッションして押し込んだ。ただしパラグアイは意図的に引き気味のカウンター狙いでやっていたので、いちがいに優劣は言えない。パラグアイがもっとガムシャラに来てくれれば日本との力関係がハッキリ判別できたが、まあ彼らのゲームプランなのでしかたない。
柴崎はセンスの違いを感じさせた
さてスイス戦のスタメン組との最大のちがいは、全体にダイアゴナルな縦パスを積極的にぐいぐいつけてゴールに迫って行くところだ。本田が大好きな意味のないバックパスなどほとんどない。「前へ」のアグレッシブな息吹がひしひしと感じられた。明らかに今日のメンバーのほうがモチベーションが高い。一体感もあった。
なかでもいちばん違いを感じさせたのは柴崎だ。試合開始たった5分で、縦パスのセンスが傑出していることが早くもわかる。他の選手とはボールスピードがまるで違うのだ。ズドン、と来る。
とてもムリだと思える狭いところをよく通すし、突然とんでもない場所にサイドチェンジする。「えっ? あそこが見えてるんだ?」と視野の広さに驚かされる。この選手をスタメン出場させないなんて日本の損失だろう。
香川は本田を凌駕したか?
ファーストディフェンダーとしての、岡崎と香川の守備のうまさにも感心した。パラグアイのビルドアップの局面になれば彼らが2トップの形になり、前へ出てボールを保持する相手CBに対しパスコースを切る。これで後ろは守りやすくなる。香川と本田の守備のレベルは天と地ほどの落差がある。
乾の1点目を演出した香川のポストからの落としはすばらしかったし、乾の2点目を呼んだ香川のフリックも巧妙だった。本田より香川のほうがはるかに動きが軽快だし、これでトップ下の力関係も変わったのではないか? ただ西野監督は(日本サッカー協会上層部の命を受けて?)本田ありきでチームを作っているようなので、序列はきっと変わらないのだろう。やれやれ。
そういう「悪の安倍政権」的なダークなところが、国民のワールドカップ熱がクールダウンしまくっている原因なのだが。
日本代表は本番で「気持ち」を見せてほしい
一方、途中出場したGKの中村航輔も実にキビキビしたゴールキーピングで気持ちよかった。若い彼あたりをW杯本番で起用してやれば、意気に感じてバカ当たりしてラッキーボーイになりそうな予感がするのだが。西野さん、どうですか?
あとはCBコンビも危なげなかったし、武藤のフィジカルも目を引いた。レギュラー組との差なんて、ないんじゃないだろうか? ただ遠藤航が(守備はいいが)攻撃に転じるとやや不自由そうにプレイしていたのと、乾と岡崎はやはりまだコンディションが厳しいか? とは感じさせた(ただし乾のシュートのうまさは相変わらずだが)。
いずれにしろ、これで日本は勝ってワールドカップを迎えられる。たとえ海外列強と技術の差はあっても、ひたむきな走りの量と質、汗をかく泥臭いハードワークでなら「気持ち」を見せられるはずだ。日本代表の選手には、ぜひそんな見る者のハートをぶち抜く(下手でも)熱いプレイを期待したい。
サッカーにとって「ゴールとはいかに大切か」を思い知らされたゲームだった。得点はこれほど人を幸せにするものなのだ。
パラグアイはいかにも「練習試合」てな緩い感じで厳しいプレスもなくインテンシティが低かったので参考外ではあるが……乾が2点、香川1点、柴崎のCKからのオウンゴール1点(半分は柴崎の得点みたいなもの)。理屈抜きに快哉を叫んだ試合だった。ただし、またセットプレイから2失点したのは大きな課題だが。
フォーメーションは4-2-3-1。GKは東口。最終ラインは右から遠藤航、植田、昌子、酒井(高)。ボランチは柴崎と山口蛍。右WGが武藤、トップ下は香川、左WGは乾。ワントップは岡崎だ。
試合は日本が最終ラインから丁寧にビルドアップし、ポゼッションして押し込んだ。ただしパラグアイは意図的に引き気味のカウンター狙いでやっていたので、いちがいに優劣は言えない。パラグアイがもっとガムシャラに来てくれれば日本との力関係がハッキリ判別できたが、まあ彼らのゲームプランなのでしかたない。
柴崎はセンスの違いを感じさせた
さてスイス戦のスタメン組との最大のちがいは、全体にダイアゴナルな縦パスを積極的にぐいぐいつけてゴールに迫って行くところだ。本田が大好きな意味のないバックパスなどほとんどない。「前へ」のアグレッシブな息吹がひしひしと感じられた。明らかに今日のメンバーのほうがモチベーションが高い。一体感もあった。
なかでもいちばん違いを感じさせたのは柴崎だ。試合開始たった5分で、縦パスのセンスが傑出していることが早くもわかる。他の選手とはボールスピードがまるで違うのだ。ズドン、と来る。
とてもムリだと思える狭いところをよく通すし、突然とんでもない場所にサイドチェンジする。「えっ? あそこが見えてるんだ?」と視野の広さに驚かされる。この選手をスタメン出場させないなんて日本の損失だろう。
香川は本田を凌駕したか?
ファーストディフェンダーとしての、岡崎と香川の守備のうまさにも感心した。パラグアイのビルドアップの局面になれば彼らが2トップの形になり、前へ出てボールを保持する相手CBに対しパスコースを切る。これで後ろは守りやすくなる。香川と本田の守備のレベルは天と地ほどの落差がある。
乾の1点目を演出した香川のポストからの落としはすばらしかったし、乾の2点目を呼んだ香川のフリックも巧妙だった。本田より香川のほうがはるかに動きが軽快だし、これでトップ下の力関係も変わったのではないか? ただ西野監督は(日本サッカー協会上層部の命を受けて?)本田ありきでチームを作っているようなので、序列はきっと変わらないのだろう。やれやれ。
そういう「悪の安倍政権」的なダークなところが、国民のワールドカップ熱がクールダウンしまくっている原因なのだが。
日本代表は本番で「気持ち」を見せてほしい
一方、途中出場したGKの中村航輔も実にキビキビしたゴールキーピングで気持ちよかった。若い彼あたりをW杯本番で起用してやれば、意気に感じてバカ当たりしてラッキーボーイになりそうな予感がするのだが。西野さん、どうですか?
あとはCBコンビも危なげなかったし、武藤のフィジカルも目を引いた。レギュラー組との差なんて、ないんじゃないだろうか? ただ遠藤航が(守備はいいが)攻撃に転じるとやや不自由そうにプレイしていたのと、乾と岡崎はやはりまだコンディションが厳しいか? とは感じさせた(ただし乾のシュートのうまさは相変わらずだが)。
いずれにしろ、これで日本は勝ってワールドカップを迎えられる。たとえ海外列強と技術の差はあっても、ひたむきな走りの量と質、汗をかく泥臭いハードワークでなら「気持ち」を見せられるはずだ。日本代表の選手には、ぜひそんな見る者のハートをぶち抜く(下手でも)熱いプレイを期待したい。