パラグアイ戦で一気に光が
あのパラグアイ戦で一気に光が見えてきた西野ジャパンである。「光」の意味は2つある。1つは足元でばかりボールを欲しがり、走らず守備もしない本田&宇佐美抜きのメンバー構成にメドが立ったこと。もう1つは香川の台頭でかなり攻撃的なフォーメーションを組むことも可能になった点だ。
もちろん「パラグアイは本気じゃなかった」とか「彼らはW杯レベルじゃない」みたいなケチのつけ方はできる。だが対戦相手はともかく、少なくとも「日本のシステムが非常に機能した」ことだけは客観的事実である。これは大きな自信になる。本大会を戦う上で、メンタル面での起爆剤になった。「よーし、やってやろう!」と意気が上がる。これが大きい。
そしてもう1つ大きいのは、本田を中心とする、本田がコンセプトを考えた、ムダな横パスとバックパスを多用し速攻のチャンスをつぶす「劣化バルセロナ」な遅攻から脱却するメドが立ったことだ。パラグアイ戦の日本は十分、タテに速かった。で、勝った。これが結論である。
いちばん超攻撃的なシステムがこれだ
さて、ではパラグアイ戦の勝利で見えた最も攻撃的なシステムとは、どんなふうか? それは以下である。香川をトップ下に、また攻撃的な若いボランチコンビを2人並べた4-2-3-1だ。
◯大迫
◯乾 ◯香川 ◯武藤(原口)
◯大島 ◯柴崎
◯長友◯槙野◯吉田◯酒井(宏)
◯中村航輔
どうです? これ。見ただけでワクワクしてきませんか? GKは川島が最終ラインとのコンビネーションでミスを繰り返しているので、中村航輔を選んだ。若い彼を起用すればノリにノリ、当たりまくって今大会のラッキーボーイになると予想している。
ちなみにこのフォーメーションは、どうしても勝ち点3がほしいゲームで使える。右WGは武藤なら攻撃的、原口を使えば攻撃的にも守備的にもやれる。なおCB槙野のところにパラグアイ戦で健闘した昌子を入れるテもある。
最も固い守備的なシステムは?
では一方、いちばん守備的なフォーメーションはどれか? それは以下のような感じだろう。長谷部アンカー、山口&柴崎のインサイドハーフで3センターを組み、バイタルエリアを埋める4-1-4-1だ。
◯岡崎
◯乾 ◯山口 ◯柴崎 ◯原口
◯長谷部
◯長友◯槙野◯吉田◯酒井(宏)
◯川島
柴崎のかわりに大島もアリだが、柴崎はスペインでゾーンディフェンスを完全にマスターしている点(これが大きい)、またフィジカルが大島より強いだろう点で柴崎を選んだ。GKは経験を重視して川島で。
敵のビルドアップの場面では、パラグアイ戦みたいに岡崎と柴崎が2トップの形で前に出て、ボールをキープする相手CBにプレスをかけてパスコースを制限する。これで相手ボールを狭いサイドに誘導してハメる。万一、縦パスが出たら山口、長谷部がカットする。
4-1-4-1は中盤の横幅を5人で守れる
このフォーメーションは、中盤の横幅を5人で守れるのがキモだ。日本の選手は人に食い付いてサイドに引っ張られ、いちばん重要なバイタルエリアを空けてしまう傾向がある。で、中央を3センターで固め、真ん中が空かないようにする。相手ボールになって押し込まれたら、自陣に4-5の堅固なブロックを作って守備対応する。
またこのフォーメーションは、両サイドハーフのポジショニングがキモだ。乾と原口が自陣に引いてくれば守備的に戦えるし、逆にチャンスの場面で彼らが高い位置に張り出せば攻撃的にもふるまえる。別に3バック(5バック)なんて使わなくても、このフォメなら攻守両面でかなり柔軟に戦える。また、もっと攻撃的にしたければ、山口のところに大島を使えばいい。
まとめると、このフォメはどうしても負けられないゲームで使える。例えば引き分け含みで戦う必要がある初戦のコロンビア戦や、グループリーグが進み「ここで勝ち点1を取れば決勝トーナメント進出が決まる」というような試合で有効だ。
こんなふうにフォーメーションとメンバーは、グループリーグがどんな経過で進むか? また、その試合の時点で日本は何勝何敗何引き分けか? によって千変万化する。なので、まだグループリーグが始まってもいないのに「ポーランド戦はこのフォメとメンバーで戦え!」なんて予想するのは実はナンセンスなのだ。
でもおもしろいから、近いうちにその企画もやります(笑)
どうぞお楽しみに。
あのパラグアイ戦で一気に光が見えてきた西野ジャパンである。「光」の意味は2つある。1つは足元でばかりボールを欲しがり、走らず守備もしない本田&宇佐美抜きのメンバー構成にメドが立ったこと。もう1つは香川の台頭でかなり攻撃的なフォーメーションを組むことも可能になった点だ。
もちろん「パラグアイは本気じゃなかった」とか「彼らはW杯レベルじゃない」みたいなケチのつけ方はできる。だが対戦相手はともかく、少なくとも「日本のシステムが非常に機能した」ことだけは客観的事実である。これは大きな自信になる。本大会を戦う上で、メンタル面での起爆剤になった。「よーし、やってやろう!」と意気が上がる。これが大きい。
そしてもう1つ大きいのは、本田を中心とする、本田がコンセプトを考えた、ムダな横パスとバックパスを多用し速攻のチャンスをつぶす「劣化バルセロナ」な遅攻から脱却するメドが立ったことだ。パラグアイ戦の日本は十分、タテに速かった。で、勝った。これが結論である。
いちばん超攻撃的なシステムがこれだ
さて、ではパラグアイ戦の勝利で見えた最も攻撃的なシステムとは、どんなふうか? それは以下である。香川をトップ下に、また攻撃的な若いボランチコンビを2人並べた4-2-3-1だ。
◯大迫
◯乾 ◯香川 ◯武藤(原口)
◯大島 ◯柴崎
◯長友◯槙野◯吉田◯酒井(宏)
◯中村航輔
どうです? これ。見ただけでワクワクしてきませんか? GKは川島が最終ラインとのコンビネーションでミスを繰り返しているので、中村航輔を選んだ。若い彼を起用すればノリにノリ、当たりまくって今大会のラッキーボーイになると予想している。
ちなみにこのフォーメーションは、どうしても勝ち点3がほしいゲームで使える。右WGは武藤なら攻撃的、原口を使えば攻撃的にも守備的にもやれる。なおCB槙野のところにパラグアイ戦で健闘した昌子を入れるテもある。
最も固い守備的なシステムは?
では一方、いちばん守備的なフォーメーションはどれか? それは以下のような感じだろう。長谷部アンカー、山口&柴崎のインサイドハーフで3センターを組み、バイタルエリアを埋める4-1-4-1だ。
◯岡崎
◯乾 ◯山口 ◯柴崎 ◯原口
◯長谷部
◯長友◯槙野◯吉田◯酒井(宏)
◯川島
柴崎のかわりに大島もアリだが、柴崎はスペインでゾーンディフェンスを完全にマスターしている点(これが大きい)、またフィジカルが大島より強いだろう点で柴崎を選んだ。GKは経験を重視して川島で。
敵のビルドアップの場面では、パラグアイ戦みたいに岡崎と柴崎が2トップの形で前に出て、ボールをキープする相手CBにプレスをかけてパスコースを制限する。これで相手ボールを狭いサイドに誘導してハメる。万一、縦パスが出たら山口、長谷部がカットする。
4-1-4-1は中盤の横幅を5人で守れる
このフォーメーションは、中盤の横幅を5人で守れるのがキモだ。日本の選手は人に食い付いてサイドに引っ張られ、いちばん重要なバイタルエリアを空けてしまう傾向がある。で、中央を3センターで固め、真ん中が空かないようにする。相手ボールになって押し込まれたら、自陣に4-5の堅固なブロックを作って守備対応する。
またこのフォーメーションは、両サイドハーフのポジショニングがキモだ。乾と原口が自陣に引いてくれば守備的に戦えるし、逆にチャンスの場面で彼らが高い位置に張り出せば攻撃的にもふるまえる。別に3バック(5バック)なんて使わなくても、このフォメなら攻守両面でかなり柔軟に戦える。また、もっと攻撃的にしたければ、山口のところに大島を使えばいい。
まとめると、このフォメはどうしても負けられないゲームで使える。例えば引き分け含みで戦う必要がある初戦のコロンビア戦や、グループリーグが進み「ここで勝ち点1を取れば決勝トーナメント進出が決まる」というような試合で有効だ。
こんなふうにフォーメーションとメンバーは、グループリーグがどんな経過で進むか? また、その試合の時点で日本は何勝何敗何引き分けか? によって千変万化する。なので、まだグループリーグが始まってもいないのに「ポーランド戦はこのフォメとメンバーで戦え!」なんて予想するのは実はナンセンスなのだ。
でもおもしろいから、近いうちにその企画もやります(笑)
どうぞお楽しみに。