すちゃらかな日常 松岡美樹

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【第2次森保ジャパン】超本気のドイツと対戦できる「意味」とは?

2023-09-09 05:01:05 | サッカー日本代表
強豪ドイツ相手に日本のチェックポイントを試せる

 サッカー日本代表は9月9日(土)27:45(日本時間10日の早朝3:45)に、ドイツ・ヴォルフスブルクのフォルクスワーゲンアレナで国際親善試合を行ない、ドイツ代表と対戦する。ドイツはその3日後に、フランスともテストマッチを戦う予定だ。

 この日本とのテストマッチは対戦前から、いろんな意味で「いわくつき」になっている。ひとつはかつての帝王・ドイツ代表の凋落に原因がある。

 2014年ブラジルW杯の覇者であるドイツは、直近のW杯をなんと2大会連続でグループリーグ敗退している。かつての「あのドイツ」というイメージからはありえない事態だ。しかも直近のカタールW杯グループリーグでもドイツは日本に負けている。

 つまり今回の日本とのテストマッチは、彼らにとってもう絶対に負けられない「かたき討ち」という位置づけなのだ。

いまのドイツは監督の首がかかった非常事態下にある

 だがドイツの最近の成績はまったく冴えない。例えば今年3月の代表ウィークではまずペルーに2-0で勝ったものの、続くベルギーには2-3の敗戦。一方、6月の代表ウィーク3試合でも、ウクライナとは3-3で引き分け、ポーランドに0-1、コロンビアに0-2で敗れている。

 結局、6月は勝ちがなかった。トータルではなんと1勝1分3敗と悲惨だ。

 これにドイツ国内では批判が渦巻き、議論百出。当然、指揮官を務めるハンジ・フリック監督への風当たりも相当強くなっている。

 しかも間の悪いことに、彼らは来夏のEURO2024(欧州選手権)の開催国なのだ。3月と6月のテストマッチで勝ち続け、EUROへのムードをいやが上にも盛り上げよう、という彼らの目論見は木っ端みじんに粉砕されてしまった。

 巷間、この9月の2連戦でまた連敗でもすれば、ハンジ・フリック監督の首が飛ぶと言われている。いや、日本に負けた時点でもうすでに危ないかもしれない。

 今回の日本とのテストマッチは、そんな非常事態下で行われる試合なのだ。日本にとっては、もうこれ以上負けられない超本気のドイツ代表と腕試しできる願ってもない値千金の貴重な機会になる。

強化が順調な日本はドイツ相手に勝負になるか?

 対する日本代表は、順調そのものだ。今年の6月シリーズでテストマッチを戦ったエルサルバドル戦(6-0)、ペルー戦(4-1)に余裕で連勝している。アタッカー陣がまんべんなくゴールを決めた。

 しかも日本はただ点が取れただけじゃない。ポゼッションとカウンターのバランスがうまく取れるようになり、グンとチームの完成度が増してきた。

 しかも偽SBを初体験した3月シリーズではビルドアップに四苦八苦したが、6月シリーズではまるで別人のようにビルドアップが改善した。非常にスムーズだった。

 ただ一点、疑念は「対戦相手の実力」だった。相手が弱いからできた、ではダメだ。で、私はペルー戦直後のレビュー記事にこう書いた。

「日本はゴールの場面だけに限定すれば得点力は上がっているように見えるが、肝心の強い相手とやったときにどうか? が見たい」

 で、今回はまさにその待望の強い相手とやれるのだ。しかも手負いでもう後がない、超本気の必死なドイツ代表と対戦できる。さて日本の得点力は、本当に上がっているのだろうか?

日本のチェックポイントは大きく3つだ

 強敵ドイツを相手にトライが成功すれば、もうそれは本物だ。その意味では、いい目安になる。日本のチェックポイントは大きく3つある。上に書いたビルドアップとポゼッション、カウンター、それぞれのデキだ。

 加えて枝葉の要素として、ロストボール時の対応や相手のビルドアップに対する挙動、またトランジション(攻守の切り替え)時の日本のふるまいも要チェックだ。

 まず日本のフォーメーションは4-2-3-1をスタートに可変する。そのなかで日本はドイツ相手にいかにスムーズに自陣からビルドアップし、厳しいプレスを受けながら中盤で危なげなくポゼッションできるか? 「ボール保持をふやす」と森保監督は明言しているだけにここは注目だ。

 そしてそのときもしボールを失ったら、日本はどんな挙動をするのか? 下がらずその場でカウンタープレスをかけるか? それともリトリートからのブロック守備なのか? ここもポイントだ。

 一方、ドイツも4-2-3-1のミラーゲームになることが予想され、キミッヒが右SBに入り頻繁に中盤に上がる形になりそう。最終ラインは3枚に可変する。さて日本はどう対応するのか? 注目だ。

 対する日本は最終ラインをどこに設定するのか? 高く構えて前から行くのか? それとも大事をとって低くするのか? ここもゲーム展開を大きく左右する重要な要素といえる。

日本はマンツーマンで前からハメに行く?

 そして今度は日本が守備に転じたとき、ネガティブトランジション(攻→守の切り替え)時に敵の最終ラインからのビルドアップにどう対応するのか? 例えば前からマンツーマンで複数の選手がハメに行き、ボールを絡め取る積極的な「前方対応」か?

 そしてその挙動は素早くスムーズに行われるか?

 あるいは逆に、ボールロストと同時にミドルサードかディフェンディングサードまでリトリートして組織的守備をする「後方対応」を取るのか?

 また日本がボールを奪った瞬間の反応も見ものだ。奪ったのがアタッキングサードやミドルサードなら、ポジティブトランジション(守→攻への切り替え)時に瞬時に間を置かず、縦に速いカウンターを打てるか?

 逆に奪ったのがディフェンディングサードなら、そこからどうするのか。

 ドイツの厳しいフォアチェックを搔い潜りながら、日本は最終ラインからパスを繋いでていねいにビルドアップし、敵のプレッシャーラインの前方にいるフリーの味方にボールを無事届けることができるのか? それとも後方からロングボールを入れるダイレクトな攻撃もするのだろうか。

久保はドイツ相手でも爆発できるか?

 最後に相手ボール時に、日本はドイツ相手に敵の球際に厳しく強いプレスを継続してかけることができるか? ここも大きなポイントだ。日本はいつも前半はプレスがゆるくなる。そこも気をつけてチェックしたい。

 個人的には選手個々よりむしろチーム全体のふるまいに興味があるので、チェックポイントは上に書いたような内容になった。ただ一点だけ、選手に触れるとすれば久保建英だ。

 ラ・リーガのゆるい守備を相手に久保がいま点を取りまくり大爆発しているが、彼はドイツの強靭なプレス網に対しても同じことができるのか? ここが知りたい。グラナダ戦は観たが、彼らはひどい守備だった。あれでは点が取れて当たり前だろう。

 もし久保が代表でも同じことができるのだとしたら、久保への疑念は払拭される。その意味でも森保監督は途中出場でいいからぜひ彼を出してほしい。

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