死命を制する日本の戦い方
いよいよ決勝トーナメント進出がかかるGL第3節のスペイン戦がやってくる。
この試合、日本はどんなゲームモデルで敵に挑むのだろうか?
それには大きく分けて2つの戦い方があると考えられる。ひとつはハイライン・ハイプレスからのショートカウンターだ。ドイツースペイン戦でドイツが取った戦法である。
積極的に前からハメてハイプレスをかけ、スペインお家芸のビルドアップを寸断する。そしてボールを奪えば、高い位置から素早いショートカウンターを見舞う。
これでもし前でボールを失えば、周囲の選手がワッと群がりボールを再奪取してカウンタープレスをかけるーー。
攻撃的なスペインに対し、いわば前からの攻撃的な守備で対抗する戦い方だ。
必然的にトランジション(攻守の切り替え)が速くなり、息もつかせぬ試合になる。
この戦法を取ればゲームが早い段階からヒートアップし、手に汗握る展開は必至。見ている側はドキドキ・ハラハラ、目が離せない。
個人的にはこっちのサッカーが観たい。
スペインにはハイプレスを無効化する技術がある
だが件のドイツースペイン戦を思い起こすと、前から積極的にプレスをかけるドイツに対し、スペインは少ないタッチ数で高速パスを回してプレスを巧みに外していた。
結局、ドイツのアグレッシブな試みは打ち砕かれ、第一波、第二波をかわしたスペインは楽々ボールを高いゾーンまで引き出していた。
守備側は高いライン設定をしているだけに、あれをやられると非常に危険だ。
敵は苦も無くライン裏めがけラストパスを放ってくる。実際、ハイプレスを受けているにもかかわらず、スペインのポゼッション率は高かった。
ひとことでいえば、スペインに対しハイプレスは危険度が高い。
低い位置にブロックを敷いて守る?
ならば考えられるのは、あの東京オリンピックの準決勝で日本がスペインに対して取った「ドン引き」戦法が現実的か?
低い位置に守備ブロックを敷き、手堅く専守防衛の構えを取る。ボールをあえて敵にもたせる。こうして守備に重きを置き、ボールを奪ったらロングカウンターを狙うーー。
いうまでもなくこちらのほうが失点する確率は低くなる。
だが悩ましいのは得点する確率も低くなる点だ。
日本がこの戦い方を選択すれば、あたかも「守備練習」のようなゲームになる確率が高い。
思わず息を殺して観る、という意味での緊張感は高いが、日本が攻撃する機会は限りなく少なくなり退屈な試合になる。
個人的には華々しく戦ってほしい
結論として、専守防衛はどうしてもエンターテインメントとしては著しくハイプレスに劣る。
勝つ確率を考えれば確かに専守防衛のほうがいいかもしれない。
だが精緻なパスワークを誇るスペインにだって、ミスは必ずあるはずだ。日本が前からの重圧でそれを引き起こすのだ。筆者としてはハイプレスからのショートカウンターで、日本に晴れ舞台を雄々しく戦ってほしい。
いよいよ決勝トーナメント進出がかかるGL第3節のスペイン戦がやってくる。
この試合、日本はどんなゲームモデルで敵に挑むのだろうか?
それには大きく分けて2つの戦い方があると考えられる。ひとつはハイライン・ハイプレスからのショートカウンターだ。ドイツースペイン戦でドイツが取った戦法である。
積極的に前からハメてハイプレスをかけ、スペインお家芸のビルドアップを寸断する。そしてボールを奪えば、高い位置から素早いショートカウンターを見舞う。
これでもし前でボールを失えば、周囲の選手がワッと群がりボールを再奪取してカウンタープレスをかけるーー。
攻撃的なスペインに対し、いわば前からの攻撃的な守備で対抗する戦い方だ。
必然的にトランジション(攻守の切り替え)が速くなり、息もつかせぬ試合になる。
この戦法を取ればゲームが早い段階からヒートアップし、手に汗握る展開は必至。見ている側はドキドキ・ハラハラ、目が離せない。
個人的にはこっちのサッカーが観たい。
スペインにはハイプレスを無効化する技術がある
だが件のドイツースペイン戦を思い起こすと、前から積極的にプレスをかけるドイツに対し、スペインは少ないタッチ数で高速パスを回してプレスを巧みに外していた。
結局、ドイツのアグレッシブな試みは打ち砕かれ、第一波、第二波をかわしたスペインは楽々ボールを高いゾーンまで引き出していた。
守備側は高いライン設定をしているだけに、あれをやられると非常に危険だ。
敵は苦も無くライン裏めがけラストパスを放ってくる。実際、ハイプレスを受けているにもかかわらず、スペインのポゼッション率は高かった。
ひとことでいえば、スペインに対しハイプレスは危険度が高い。
低い位置にブロックを敷いて守る?
ならば考えられるのは、あの東京オリンピックの準決勝で日本がスペインに対して取った「ドン引き」戦法が現実的か?
低い位置に守備ブロックを敷き、手堅く専守防衛の構えを取る。ボールをあえて敵にもたせる。こうして守備に重きを置き、ボールを奪ったらロングカウンターを狙うーー。
いうまでもなくこちらのほうが失点する確率は低くなる。
だが悩ましいのは得点する確率も低くなる点だ。
日本がこの戦い方を選択すれば、あたかも「守備練習」のようなゲームになる確率が高い。
思わず息を殺して観る、という意味での緊張感は高いが、日本が攻撃する機会は限りなく少なくなり退屈な試合になる。
個人的には華々しく戦ってほしい
結論として、専守防衛はどうしてもエンターテインメントとしては著しくハイプレスに劣る。
勝つ確率を考えれば確かに専守防衛のほうがいいかもしれない。
だが精緻なパスワークを誇るスペインにだって、ミスは必ずあるはずだ。日本が前からの重圧でそれを引き起こすのだ。筆者としてはハイプレスからのショートカウンターで、日本に晴れ舞台を雄々しく戦ってほしい。