前半は腰を落として後半勝負
森保監督の続投報道が出るなか、カタールW杯本大会で豹変して見せたあの森保ジャパンとは何だったのか? もう一度、検証してみよう。
前半は守備的にブロックを下げて腰を低くし、後半にカウンター勝負をかける。5人になった選手交代枠を使い流れを変えるーー。
森保ジャパンはそんなスタイルだった。実際、森保監督の選手交代はズバズバ当たり、途中出場の堂安や浅野らがゴールを奪いゲームをひっくり返した。
引いて守ってカウンター、とよくいわれるが、彼らは守ってばかりじゃなかった。東京五輪でのスペイン戦のようなベタ引きではなく、特定の時間帯には前からプレスをかけて勝負していた。そしてリードすれば5-4-1でピシャリと守り切る試合もあった。
このコンセプトワークと選手交代は評価されてしかるべきだろう。相手にボールを持たせてショートカウンターを狙う戦い方は機敏だった。
選手の自主性を重んじる
一方、選手のコメントなどから類推すると、チームは選手と監督が意見を出し合う合議制の集合体だった。
例えばスペイン戦前のトレーニングでは、森保監督は3-5-2を考えていた。だが、ハマらない。その結果、鎌田の意見を取り入れ、実戦ではフランクフルトが使った5-4-1を採用した。
こんなふうにモチベーターとして優れる森保監督は、兄貴分のように選手に寄り添った。そのため選手からの不満はほとんど出なかった。
チーム運営の評価軸としては、こうした選手の自主性を重んじるスタイルで次のワールドカップも戦えるのか? このやり方が代表チームに適合するのか? といったところだろう。
強豪ドイツ、スペインを撃破した
さて戦績を見れば強豪ドイツ、スペインを破ってGL突破、決勝トーナメント一回戦ではクロアチアと引き分け(PK負け)のベスト16だった。
この成績はベスト8をめざしたチームとしては、かなりきわどい。目標に「ギリギリ迫るも、達せられなかった」という感じだ。
GLであのドイツ、スペインに勝つというジャイアントキリングを成し遂げたことは高く称賛されるべきだ。ベスト16でのクロアチアにも記録上は負けていない。
だがGLのコスタリカ戦では引いて守る相手にボールを持たされ、何をやっていいかわからなくなったあげくにミスから失点している。
引いた相手に苦戦したこの戦いは、アジア予選で何度も見せられた光景だった。「あれをまた4年間見せられるのか?」と考えるとちょっとうんざりさせられる。
評価は見る人によってちがう
結論としてこの戦績からは、目標をクリアしたとも、してないとも取れるなんとも微妙な印象を受ける。さらに森保監督の戦績をもっと引いて見るとアジアカップで負け(準優勝)、東京五輪もメダルが取れず、W杯もお約束のベスト16だった、という結果だ。
もしかしたら森保ジャパンを絶賛している人は、カタール・ワールドカップだけ見てそう言っているのではないか? という印象も受ける。代表チームを4年間見てきた人と意見がちがうのだ。
だが実際、そのW杯での采配とマネージメントは実に見事だっただけに、評価が分かれるのは当然だろう。
結局、森保ジャパンに対する評価は、見る人の主観の数だけ存在する、ということになるだろうか。
森保監督の続投報道が出るなか、カタールW杯本大会で豹変して見せたあの森保ジャパンとは何だったのか? もう一度、検証してみよう。
前半は守備的にブロックを下げて腰を低くし、後半にカウンター勝負をかける。5人になった選手交代枠を使い流れを変えるーー。
森保ジャパンはそんなスタイルだった。実際、森保監督の選手交代はズバズバ当たり、途中出場の堂安や浅野らがゴールを奪いゲームをひっくり返した。
引いて守ってカウンター、とよくいわれるが、彼らは守ってばかりじゃなかった。東京五輪でのスペイン戦のようなベタ引きではなく、特定の時間帯には前からプレスをかけて勝負していた。そしてリードすれば5-4-1でピシャリと守り切る試合もあった。
このコンセプトワークと選手交代は評価されてしかるべきだろう。相手にボールを持たせてショートカウンターを狙う戦い方は機敏だった。
選手の自主性を重んじる
一方、選手のコメントなどから類推すると、チームは選手と監督が意見を出し合う合議制の集合体だった。
例えばスペイン戦前のトレーニングでは、森保監督は3-5-2を考えていた。だが、ハマらない。その結果、鎌田の意見を取り入れ、実戦ではフランクフルトが使った5-4-1を採用した。
こんなふうにモチベーターとして優れる森保監督は、兄貴分のように選手に寄り添った。そのため選手からの不満はほとんど出なかった。
チーム運営の評価軸としては、こうした選手の自主性を重んじるスタイルで次のワールドカップも戦えるのか? このやり方が代表チームに適合するのか? といったところだろう。
強豪ドイツ、スペインを撃破した
さて戦績を見れば強豪ドイツ、スペインを破ってGL突破、決勝トーナメント一回戦ではクロアチアと引き分け(PK負け)のベスト16だった。
この成績はベスト8をめざしたチームとしては、かなりきわどい。目標に「ギリギリ迫るも、達せられなかった」という感じだ。
GLであのドイツ、スペインに勝つというジャイアントキリングを成し遂げたことは高く称賛されるべきだ。ベスト16でのクロアチアにも記録上は負けていない。
だがGLのコスタリカ戦では引いて守る相手にボールを持たされ、何をやっていいかわからなくなったあげくにミスから失点している。
引いた相手に苦戦したこの戦いは、アジア予選で何度も見せられた光景だった。「あれをまた4年間見せられるのか?」と考えるとちょっとうんざりさせられる。
評価は見る人によってちがう
結論としてこの戦績からは、目標をクリアしたとも、してないとも取れるなんとも微妙な印象を受ける。さらに森保監督の戦績をもっと引いて見るとアジアカップで負け(準優勝)、東京五輪もメダルが取れず、W杯もお約束のベスト16だった、という結果だ。
もしかしたら森保ジャパンを絶賛している人は、カタール・ワールドカップだけ見てそう言っているのではないか? という印象も受ける。代表チームを4年間見てきた人と意見がちがうのだ。
だが実際、そのW杯での采配とマネージメントは実に見事だっただけに、評価が分かれるのは当然だろう。
結局、森保ジャパンに対する評価は、見る人の主観の数だけ存在する、ということになるだろうか。