先日の日曜日、「第69回全国選抜マリンバ大会」が開催されました。お越し下さった皆様、本当にありがとうございました。
私にとって、一生忘れられないコンサートとなりました。
コンサートの4日前、私の父が亡くなりました。
一緒に住んで、介護も、看病もしてきたので、少しづつ体の機能が低下していく父を傍で見ていて、ある程度の覚悟はしていたのですが、危篤だと言われた一週間は、やはり胸が張り裂けそうになり、息もつけない、眠れない毎日でした。
前回のブログで、父が退院することを書いていましたが、退院して家にいる事が出来たのは、わずか3日間。3日目の夜、誤嚥性肺炎を再発し、再入院。
再入院してから約半月後の10月17日の朝、旅立ちました。86歳でした。
それでも、わずか3日でも、父の願いが叶えられて良かったです。8月に入院した時は、「家に帰りたい」とずっと言っていたので、なんとか願いは叶えてあげたかった。
父が亡くなる前日は、綺麗好きで、お風呂が好きだった父の体を、お湯で綺麗に拭いて、頭も洗ってあげました。私の娘も学校を休んで、父に寄り添いました。娘の担任の先生も、「自分が言うのもなんだけど、勉強や宿題よりも、そちらの方が大事だ」、と言って下さる先生だったので、担任の先生が、良い先生で本当に良かったと思いました。父は、私の娘をとても可愛がり、大好きだったので、最後に私の娘にも手を握って洗ってもらい、父も喜んでいたと思います。病院の先生方、看護師さん、リハビリでお世話になった皆さん、たくさんの方々にお世話になり、本当にありがとうございました。
最後は、ずっと看病してきた母に、涙を流して「ありがとう、ありがとう。」と言ってスッと息をひきとりました。最後の1週間は、ほとんど話すことはできなかったのですが、人生の最後に、ずっと看病し、寄り添い続けた母へお礼の言葉を言って、本当に立派だったなと思います。
父が亡くなってから、葬儀の準備やら、あちらこちらへの連絡やら、私がその責任を受け持っていたので、頭が働かないまま、とにかく動きました。
父が亡くなった2日後にはPTAの親子レクリエーションがあり、私は娘の学級役員もやっていたのですが、事情を知った同じ役員のお母さん達が、「こちらは何の心配もしなくていいから、お父さんの傍で、大切な時間を過ごして下さい。」と言って下さった時には、涙が出るほど有難かったです。
レクリエーションは、皆が親子で参加の中、娘が一人でいるのは酷だったので私も参加しましたが、何も考える暇も無いほどに忙しかったのと、子供たちの明るい雰囲気の中で、気分変わって、娘も楽しそうだったので、参加できて良かったな、と心から思いました。
マリンバ全国大会の前日リハーサルの時は、疲労もピークに達していて、頭も体も働かない状態でした。頂いたリハーサル時間、弾き切るだけでもう一杯一杯でした。
私は、コンサート会場準備をしなければならないのに、何にも役に立たず、事情を知っている皆さんには、お気を遣わせるばかりで、ただの足手まといとなり、心苦しかったです。申し訳ありませんでした。
車で会場に向かっていても、ぼんやりして泣いてしまって、気が付くと道に迷っている・・・。行き慣れた道であるはずなのに。
本番の日も、泣きながら車に乗っているので、また道に迷う。何やってんだ、本当に。誰かと一緒にいると、しっかりしなきゃ、と思うのですが、一人になるといけませんね。
本番は、和太鼓の原さんとの一緒の演奏で、本当に良かったなと思いました。一人では、どうなっていたことか。原さんや、原さんの奥様には、私の気持ちに寄り添って頂き、傍にいて下さったので心から感謝しています。
肝心の演奏ですが、構えた瞬間に、なんと、靴のマジックテープがビリッと音を立てて取れてしまい、半分靴が脱げたままの演奏でした。こんなこと、今まで起きたことがありません。なので、父の事を考える余裕もなく、「集中しろ!落ち着け。」と言い聞かせながらの演奏でした。そんなわけで、演奏は私の中では合格点とは行きませんでしたが、なんとか最後まで弾き切った、という感じです。皆様からは、たくさんの温かい拍手を頂き、本当に嬉しかったです。
コンサート終了後の夜は、父の通夜だったので、皆さんにご挨拶する時間もなく、会場を後にしました。懇親会にも出られずに、ご挨拶も申し上げず、失礼をお詫び申し上げます。
母も疲れ切っていたので、通夜や喪主お礼のご挨拶も、私がさせて頂きました。遺族、親族を代表しての御礼のご挨拶がプレッシャーで、何より一番緊張しました。泣き崩れて、御礼が言えなくなるようではダメだ、と自分に言い聞かせて、必死で立っていました。
演奏も、お通夜も、お葬式も、なんとか無事に済んで、父に褒めてもらいたいけど、父はもういない・・・。
「ああ、頑張ったんだけどな。」と思っていたら、今朝、お葬式に来て下さった近所の方が、「お葬式で、立派な挨拶したねぇ。たいしたもんだ。」とお声を掛けて下さいました。
「たいしたもんだ。」と言うのは、父が良く使う褒め言葉。 「あれ?もしかして・・・。」と思って、また泣いてしまいました。
こちらは、原さんの奥様が舞台袖から撮って下さった本番の写真。
何があっても、日常は続き、そして、前を向いて生きていかなければなりません。そして次の本番もあります。
今は、「頑張る」という言葉はつらいんですけど・・・頑張ります。