メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ、高橋のプチ家計簿20冊目に突入する

2018年11月25日 | メガヒヨの本棚・CD棚

アナログ人間であり、記録好きのメガヒヨ。

日記代わりとして家計簿を長いことつけている。
ふと気づいたら20冊目になっていた。

愛用しているのは、「手帳の高橋」こと高橋書店さんのプチ家計簿No.33,34。
A6サイズで小さく、シンプルなデザインなのがいい。値段も830円と、お手頃。

見開きは一週間単位。
項目が食費、日用品、衣服、趣味、交際、医療と大まかでブランクの項目が多いのも使いやすい。

記入例。記念すべき、メガヒヨ2000年1月最初の週の記録。
バーゲンもあったせいか、被服費10万越えのスタートダッシュをかましている。

お正月最中の1月2日に205円のうどんを買ったというのも気になるが…(笑)
この頃は実家住まいをしており、食費は買い食い程度しかかかっていなかった。

そしてそして。

このプチ家計簿シリーズから離れられないのに、もう一つ大きな理由が存在する。
冒頭に家計簿の使い方のページがあり、20代女性会社員と思わしき人物の記入例が記載されている。
これは毎年微妙にマイナーチェンジされているのだ。メガヒヨはこれをチェックするのを密かなお楽しみとしている。

まずは2000年分。


支出の欄に今は懐かしポケットベルなんてある。
でも2000年頃といえば、PHSさえも過ぎてみんな携帯電話じゃなかったかな?


だいぶとんで2012年版。
謎のOL嬢はポケットベルから携帯電話に持ち替えた模様。
家賃も61,000円から70,000円に値上がりしている。
一方美容費が19,694円から3,570円に大幅減額している!!(たまたまヘアサロンに行かなかった月かもしれないが。)
あと1月25日の予定が「スノーボードin苗場」といった90年代風の書き方から、「スノボ苗場」とシンプルな表現に変わっている。
とはいえアクティビティ、目的地ともに90年代のかおりは消えていないが。


こちらは翌年の2013年版。
発行されたのは2012年秋、尾を引いたリーマンショックや震災の影響で不景気が続いていた頃。
前年版にあったボーナスの文字が消えている。
雇用形態の多様化により、色んな立場の方々への配慮であろうか。記入例はひっそりと6月に変更している。


最後に最新の2019年版。
2013年版と大差がない様に見える。
かろうじて言うなら、MTGとDAIGOさんみたいな書き方をしていたのをミーティングと普通に戻した位だろうか。

気になるのは、2000年から2019年まで謎OL嬢の手取り給与額が変わらなかったこと。
ずーっと221,000円なのである。
若い女性という設定が変わらないというのもあるだろうけど、世界に逆行し続けていた日本のデフレ経済というのもあるよなぁと思うのであった。

相変わらず裏側から突っつくようなメガヒヨレビューだったけど、家計簿をつけてみたい人にはかなりおすすめ!!
書店で様々な家計簿を見るけど、やっぱり高橋書店さんのこのシリーズを買ってしまうな。
唯一の難点はクレジットカード利用控えの欄が小さすぎること。これは時代に合わせて変えてほしい。

デジタルもいいけど、紙に記入すると様々な角度で見直すことが出来るからね。

ところで記録していても怖くて見返せない数字がある。
それは今までにかかったブロードウェイ関連費用・・・。

ちょっとした不動産なら買える位の額だよね。
でもそれは生きていくのに必要だった経費。
What I Did For Loveなのであった。 

高橋 家計簿 2019年 A6 プチ家計簿 ピンク No.34 (2019年1月始まり)
 
高橋書店

 


楡周平著『血戦~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京 2~ 』

2010年04月10日 | メガヒヨの本棚・CD棚
先日までドラマ放送されていた『宿命~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京~』の続編。
8年後に舞台を移し、主人公・崇の政界への再挑戦を描いたもの。

これが昨年の衆議院選挙の流れそのままで笑える。
義父の白井代議士の属する民自党は、そのまんま自民党。
崇をその対抗馬として擁する民政党も、これまたそのまんま民主党。
それで民自党の大川代議士なんて森元総理だし、民政党の北沢幹事長は小沢さんそのもの。
ストーリー的には他愛ないけれど、現実社会のパロディとして読むと面白いかも。

そうそう。
前作では影の薄かった崇の弟の透ちゃん。
冒頭で出てきてちょっと生意気な口を利いていただけで、これといった出番は無かったっけ。
今作ではドラマの設定と同様に純粋無垢なキャラクターになっていて、それなりの出番がある。
外見についても書かれているけど、これまた演じていた細田よしひこくんそのまんま。
最後には看護師の彼女と結ばれて幸せになっている。
ここの部分は是非見てみたいので、ドラマの続編やってほしいなぁ。

あと笹川宣子も冒頭と最終章に幸せな姿で登場している。
ドラマは小池栄子さんがとても良かったので、放送時はつい彼女に感情移入をしてしまった。
なので素直に良かったねと思えた。
しかしこの最終章の流れでいくと、近いうちに崇と宣子夫は絶対顔を合わせることになるなぁ。
まだまだパート3もあるってことなのね。
多分、真一郎と民自党の逆襲って話になると思うけど。

しかし崇が代議士を目指すのは結構なんだけど、党の政策方針とかはどうでもいいのかな(笑)
まぁ現実の政治屋のセンセイたちも、選挙に勝つことが前提でポリシーは二の次ってとこなんだろうけどね

血戦  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京 2 (100周年書き下ろし)
楡 周平
講談社

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【ネタバレ】楡周平著『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』

2009年12月23日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨは俳優の細田よしひこ君のファンである。
彼が久々に民放の全国放送のドラマにレギュラー出演することになった。

宿命 1969-2010 ~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京~

しかも北村一輝さん演じる主人公の弟役という、素敵なポジションである。
小躍りしながら原作の小説を早速読んでみた。

小説における舞台は1999年。
その年30歳になる大蔵省官僚の崇に、次官を通して代議士の令嬢との縁談が持ち込まれた。
彼は全国で五十余りの病院を経営している医療法人有川会の御曹司。
病院はいずれ年齢の離れた弟に任せて、自らは政界に進出しようとしている。
彼の母親である病院理事長も同じ考えで、その縁談を心から歓迎していた。

しかし見合いの席で母・有川三奈は驚愕する。
縁談の相手、尚子の父親の代議士は、自分が約30年前に関係をもった男性だったのだ!
息子の頭脳の優秀さや性格が代議士・白井とよく似ていることに気付く。
当時の自分は数多くの男性と関係を持っていたけれど、崇の父親は白井だと確信する。
異母兄妹同士での婚姻に危機感を抱いた三奈は、破談への道を模索することに。
一方崇と尚子は激しく惹かれあうのであった…。


以下ネタバレ警報!!
OKな方は下の空白部分をドラッグしてね♪

上下巻とも読んだけれど、小説においてよっしー演じる弟の透はほとんど出番が無かったorz
冒頭に出てきて一家で牡蠣食べて、終盤にはへその緒だけ登場して兄のDNA鑑定にちょっと役に立つ程度。

しかもこの小説って、出てくる人はみんな悪い人ばかりなので誰にも肩入れ出来ない(笑)
主人公が長男の崇か母親の三奈かは曖昧だけど、この親子はろくでもないなぁ。

崇は特定の女性と結婚の意思がないまま10年に渡ってだらだらとつきあい続けてしまったボンクラ。
しかも彼女を切る際に思いっきり恨まれているし!!
政治の世界を希望する位なら、感謝されつつ綺麗に手切れる処世術を身につけておかないと先々危ういのではないだろうか。
ちなみにこの元恋人の宣子を演じる小池栄子さんは、メガヒヨの好きな女優さん♪
次から次へと復讐の罠を仕掛けるので、活躍がとっても楽しみである。

三奈については、兄妹の近親婚を危惧して白井に交渉しに行くところまではまだまともな人かなぁと思ったけれど、とんだ見当違い。
自分の思惑通りに事が運ばなかったので、崇との間の子供を懐妊した尚子を、薬を使って流産までさせてしまう。
これにはメガヒヨ、どん引き!!
一番の悪者じゃないの? まだ崇の方が小悪党だよ。
でもこの展開、ドラマで放送するのかなぁ。

タイトルに2010年と入っているから、きっと小説とはかなり違う展開になるのかもね。
尚子の妹・亜希子によっしーと同世代の女優さんの藤井美菜ちゃんが配役されているので、この二人の恋愛の展開とか出てきたり(^▽^)
大人たちがだいぶドロドロの人間関係になっているから、ひと組位はさわやかなカップルがいてもいいだろうしね。
もっとも小説では透と亜希子は何の接点もないのだけど。
(透が高校生で、亜希子が大学生というのもあるし。)



ところでこの小説。
読んでて辛かったというものではなく、結構面白い部類に入るものだった。
政治家のえげつない考えとか、復讐に対する復讐とか、化け物屋敷みたいなノリで次から次へと悪い話がいっぱい出てきたからね。

お金持ちの世界の描写も興味深かった。
会員制のレストランなんて足を踏み入れたどころか、どんな場所にあるのかも分からないからね。
「牡蠣は唐桑産のブロンを」って…。
牡蠣好きのメガヒヨはまだ食べたことのないそれを想像して身もだえしてしまった。
唐桑って何県だろう? 後で調べてみよう。
他に出てきた歌津産の牡蠣も気になるなぁ。

数々出てくる華麗なるお金持ちライフ。
でもひとつ不思議な箇所があった。
崇がアメリカ留学時代に行った宣子とのニューヨーク旅行。そこで、
「滅多なことでは手に入らないブロードウェイのミュージカル、それもオーケストラピット席」
を手配してもらったとの描写があった。

何だ? その「オーケストラピット席」って…。
オーケストラピットに客席があるとは知らなかった!!
確かにそれは入手が困難そうだ。
全く舞台が見えなさそうだけど(笑)

作者はセンター・オーケストラ、前から5列目あたりを言いたかったのだろうね。
人気作ではプレミアム・チケットとして300ドルとかで売られている付近。

まぁそんな細かい突っ込みもあるけど、娯楽作品としては面白いのでそれなりにお勧めである。
でもまだ文庫本が出ていないので、メガヒヨは図書館で借りて済ませちゃった。
明日返しに行かなきゃ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京(上)
楡 周平
講談社

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『ガラスの仮面』第44巻

2009年08月26日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨは『ガラスの仮面』の読者である。
今年の1月に4年ぶりのコミックス第43巻が発売された際、
続きの第44巻は今夏発売と予告があった。

…その件に関しては、話半分に聞き流していた。
しかし何と本日8月26日に無事発売された!!
美内すずえ先生は今度こそ本気なのか?

本当に長い連載である。
速水パパのセリフで
「真澄がもう7年もあの娘とかかわっておるのか」
というのがあったけど、1976年から連載されていて7年って…(笑)


以下ネタバレ警報!!
OKな方は下の空白部分をドラッグしてね♪


冒頭は43巻からの続き。
月影先生が見守る中、マヤの紅天女の稽古が行われる。
かなりの憑依っぷり。
神様の世界にも相変わらず没頭している。

稽古が終わっても紅天女に成りきり状態のマヤ。
月影先生がくれるお水もひざまづいて戴く。
現場では自分を消し去るなんて、まるで松山ケンイチのようだ!!

一方オンディーヌで行われた亜弓さんの稽古は、
動きなど技術的な面では圧倒するものの、成り切り度ではマヤに劣っていた。
稽古後の月影先生からのお水も普通に飲んでしまう。

マヤとの才能の差をますます感じる彼女。
そこにさらなる試練が!!
後輩劇団員をかばい頭を打ち、失明してしまうのだ。

…これって20年くらい前に雑誌に載って、そのまま「無かったこと」になって、
読者も忘れてあげたエピソードでは??
何で今になって蒸し返すのだろう???
ただでさえマヤが優勢な状況なのに、亜弓さんが可哀想すぎるよー(T-T)

それとも失明を機に才能に目覚めるとか?
何かそういうのもねぇ。
漫画だと視覚障害を補うその他の感覚を過剰に評価する傾向があるけれど、
決してそんなものではないのに。

あとは突っ込みたいところは、黒沼先生の稽古で出てきたリアル斧。
これ、伏線になっていたら怖いなぁ。
決着の試演で、ニセモノでは無く本物にすり替わっていたら…(((( ;゜Д゜))))
そしてマヤの紅天女は「伝説となりました。」ってオチ、絶対無いとも言い切れないよ(^-^;

33年以上に渡って話を引っ張ってきたのに、あんまりな終わり方だったらかなりがっかりしちゃうかも。

でもまさか、紅天女はマヤと亜弓さんのダブルキャストで上演されました。
紫のバラの人ということをカミングアウトした速水さんは紫織さんと結婚したものの、
マヤとはパトロンと女優の関係として変わらず支援してくれています♪

…なーんて、現実的なオチにする訳にもいかないよね(苦笑)
(こんなの考えるメガヒヨ、かなり汚い大人っ☆)

みんなが納得して、完結後の全巻が家宝になる様な終わり方がされたらいいね。
美内先生のストーリーテラーとしての腕前にひたすら期待するしかないかも!!


最後に思い出したけど、マヤは相変わらず風呂なしアパートでルームシェアしていた。
少しは売れるようになってるのに。
オードリーの春日そのまんま(笑)
この私生活ぜったいネタになるって。

巨大パフェを平らげるギャル曽根並の食欲といい、紅天女を獲れなくても芸能界でやっていけるタレント性は十分ありそうである。

オペラ『プラテー』

2009年06月22日 | メガヒヨの本棚・CD棚
6月といえば、じめじめした天気、カエルの鳴き声、そして花嫁の季節…。
そんな今月にぴったりのオペラがある。

1745年初演のオペラ、ラモー作曲『プラテー』。
メガヒヨは2006年公演をパリ・オペラ座ガルニエ宮で観た。
蛙の女王として君臨する沼の精プラテーをタイトルロールとするこのオペラ。
音楽、演出、キャスト全てが好みに当てはまり、とっても気に入った。

【あらすじ】
大神ジュピテルは妃ジュノンの嫉妬に悩まされていた。。
そこで周囲の提案により、一芝居打ち彼女の頭を冷やさせようとする。
それは醜い女性と結婚の真似事をするというもの。
そのターゲットに選ばれたのは、自惚れ屋の沼の精、プラテー。
蛙の様な容姿の彼女は自分には千人の崇拝者がいると信じ込んでいた。
ジュピテルの詐欺も疑うことなく乗ってくる。



その結婚騒動に嘲笑の神モミュスや、から騒ぎの精フォリーも加わり、場は大いに盛り上がる。

 


しかしながら、愛の神も結婚の神も現れないどころか、怪しげな美の三女神なども登場し、うさんくさい雰囲気が漂う。

 

それでもプラテーは幸せの頂点に上りつめる。
 

ところがそこに怒り狂った妃ジュノンが登場。プラテーのベールを引き剥がした。
露わになった蛙の女王の姿を見て、驚き笑い出す。
ジュピテルは「全ては冗談だった」と妻の機嫌を直し、プラテーをそっちのけにして天界に帰っていった。
取り残されたプラテーは居ても立ってもいられず、その場から逃げ出そうとする。
しかし先ほどまで祝福していた人々に捕らえられ、引きずり回されて嘲笑される。
プラテーは怒りを爆発させ、恨みの言葉を残して沼に帰っていった。


18世紀の初演の際には単なる喜劇として上演された様だけど、
現代のオペラ座では笑いを含ませつつ、哀愁も漂わせる演出となっていた。

タイトルロールのプラテーはご覧の通り、男性。
テナーのポール・アグニューが演じている。
写真だとかなり迫力のあるメイクだけど、実際に動いているところを見ると愛嬌があり、なんとも可愛い。

この作品のプリマドンナはフォリー役のミレイユ・ドゥランシュ。
メガヒヨは「舞台で壊れまくる」美人に弱い。
クリスティン・チェノウェス様などもそうだしね。

YOUTUBEを検索したら彼女のお宝シーンがいっぱいあった。是非ご覧あれ。

第二幕より "Aux langueurs d'Apollon"
指揮者のミンコフスキ氏との遣り取りが最高!


第三幕より "Amour, amour"
ミレイユ様、最強!!



このオペラはとにかく、演出が面白かった。
装置も豪華でお金に糸目をつけていない。
特にプロローグのバッカスを讃えるシーンで出てきたこのワイングラス!!

 

中味は本物かな~。何杯か手にとって飲んでたし。
うらやましいな~

衣装はフォリーの楽譜ドレス、プラテーの蛙のタマゴ付きウェディングドレスが楽しかった。
男性陣は蛙くん含めてスーツが多かったのだけど、ブリーフも重要なアイテムとして使用されていた。
トランクスにしないところに、演出のこだわりが伺える。

アリアも合唱も、ダンスもコメディパフォーマンスも盛りだくさんのこのオペラ。
メガヒヨの大好きな着ぐるみだって出てくる。

滅多に行けないオペラ・ガルニエで、丁度上演していたのがこの作品だったことは本当にラッキーだと思う。
オペラを敬遠している方にも楽しめる作品だと思うので、是非このDVDを観ていただきたい。

ラモー 歌劇《プラテー》ロラン・ペリー/ミンコフスキ (パリ・オペラ座) [DVD]

TDKコア

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2009王家の紋章祭り~第54巻発売~

2009年06月16日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨは細川智栄子氏作「王家の紋章」の読者である。
本日は年に一回となったコミックスの発売日だった。

1976年から連載が続いているこの作品。
ご存知ない方のために説明すると…
現代の女子高生キャロルが、エジプト王家の呪いによって3000年前の新王国時代にタイムスリップする。
タイムトラベラーの鉄則「歴史に干渉しない」をことごとく無視して現代の知識を披露する彼女。
「神の娘」として崇められ、挙句の果てはエジプト王妃の座にまで就いてしまう。
そんなキャロルを古代の諸外国が見過ごすはずは無く何度も敵国にさらわれて、
夫である王メンフィスはその度に彼女の救出をするハメになるのであった。

このような話が30年以上も少女マンガ雑誌で繰り返されているのである。
作者の細川智栄子氏はすでに70歳代半ばとのこと。

さて、本日発売の第54巻。
内容は、主人公キャロルの何度目かの誘拐の決着編。
第49巻で拉致されて、ようやく旦那のメンフィスの元に戻った。
ちなみにこの誘拐事件に物語本編の進展を促すものはなく、連載は一向に終わる気配は無い。
同時期に連載開始された『ガラスの仮面』でさえ「紅天女」の試演に入っているというのに。
いや、雑誌に定期連載されているだけ王家の方がマシか…?
(どっちもどっち…)

ところで、こうも連載が長くなると色々つっこみ所も多くなる。
最初はアイシスがタイムトラベラーだったんじゃないかとか、
メンフィスは18歳で死ぬはずだったのではとか、いちいち取り上げていたらきりが無い。
でも一番気になるのはキャロルのキャラクターそのもの。
「こんな16歳いないってば!!」

連載開始後30年以上も経っているので、キャロルの言葉遣い、振る舞いが時代にそぐわなくなっているのである。
何かを食べて、「んんんんん…おいしい!!」
象を見て、「うわ~~っ び、びっくりしたわん」
サソリに襲われ、「わたしのお袖にへばりついていたのよ」

現役女子高生にはない可愛げと、おばさんっぽさが同居したこの言動。
メガヒヨの従姉(50歳)が丁度そんな感じで話している。
いっそ1970年代の女子高生という設定そのまんまでよかったのにね。
(現在、コミックスでは21世紀の娘という設定にスライドしている。)

この第54巻も突っ込み甲斐のある一冊だった。
でも一番突っ込みを入れたいのは、さんざん文句いいながらも新刊を買い続けるメガヒヨ自身になのかも知れない(笑)

王家の紋章 54 (プリンセスコミックス)
細川 智栄子
秋田書店

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メガヒヨ、あの世について知りたがる

2009年06月14日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨは、UFO、未確認生物、心霊などの超常現象に興味を持っている。
自分自身は一切その類のものは見たことはない。
なので身近な人々がそれらの目撃体験をしたと知ると、根掘り葉掘り聞きたがる。

中でもマイブームは臨死体験。
よく聞くのが、あの世とこの世の境で亡くなった身内に出会い、彼らから「まだ早い」といわれてこの世に戻って来るという話。
これは世界さまざまな地域の人々も、共通して似たような体験をしているらしい。
ちなみに、メガヒヨの遠縁の人も死線を彷徨った際、枕元にご先祖様が大勢並んでいるのを見たと語っていたとのこと。
これは相当びびっただろうなぁ…。

臨死体験には興味があるけれど、自分が体験するには死の淵に立つ必要がある。
もちろんそんなのはイヤだ(笑)。
では人様の話を聞いてみましょうということになる。

それらの体験談を多く掲載している本があると聞いたので、早速読んでみた。
その本は「決定版 生きがいの創造」。

福島大学の飯田史彦教授が書いたこの本。
教授は心理学の先生なのかなぁと思いきや、経営学の方。
様々なケースを、筋道を通しながら論じている。
そして数々の例を検証し、死後の生命の存在を裏づけている。
さらにそのことを通じて、生きる姿勢にまで言及している。
死後に意識があったとすれば、生き方も変わるものね。

メガヒヨが一番納得できたのは、
「死後にも意識があった場合、否定論者は自分の誤りを知るが、
死後に意識が無い場合、肯定論者は自分の誤りを知ることはない。」という話。
確かに「死んだらおしまい」と言い張っていたのに続きがあったら「間違えてた」と思うだろうけど、
死後生命が無い場合は「正解」だったことを知る術もないものね。

この本に書かれている死生観は、「人生は修行の場」とするメガヒヨのものとほぼ一致したので、確認しながらの読書となった。
まぁ今の人生で死んだことは無いので、実際にそうなったらどうなるかは分らないけど、
同じことを考えている方々がいると知っただけでも心強いかも♪

補足すると、この本は死後生命について語っているけれど、それは生きていることの意義を肯定する根拠に過ぎない。
つまり、生命を長期的視野でとらえましょうというために、臨死体験や過去世への退行催眠の体験が用いられている。
決して死んだら楽ですよと言っている訳ではない。。
あの世が一番とか、今回はさっさと終了して次の人生に行きましょうってなことになったら、自殺する人がいっぱい増えちゃうものね
もちろんこの本では自殺してはいけない理由についても触れている。

ところで、きわめて論理的に書かれているこの本。
一か所だけオカルト的なことが書かれている部分があった。

それは死後の生命との通信の方法。
暗い部屋にてある一定の条件で鏡を使うと、死んだ身内と話が出来るらしい。
その成功率は、300人の人が試して一回目では半数、四回目までにはほぼ全員が故人の意識体に出会えたとのこと。

何かハリポタの鏡のシーンにそっくりなこの話。
古代ギリシャでも似たようなことが行われていた史実がある。
でもメガヒヨはやってみようとは思わない。

なぜなら、それは怖いから。
大好きだったおじいちゃん、おばあちゃんでも、ユーレイはやっぱり怖い!
(ゴメンナサイ!!)
いつかは会いたいけれど、それはメガヒヨがあの世に行ってからでも決して遅くはない。

死んだ後の世界と普通は連絡が取り合えないのは、理由があってのこと。
今の人生の間はこの世界で精いっぱい生きるのが一番と、常々思っている。
ただ興味や好奇心はあるので、この本は大変役に立った。


[決定版]生きがいの創造
飯田 史彦
PHP研究所

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小説『ノルウェイの森』を読んでみた

2009年06月05日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨは俳優の松山ケンイチさんのファンである。
すこし前に彼が映画『ノルウェイの森』の主役・ワタナベを演じるという発表があったので、この機会に原作を購入した。
そしてつい先日に読み終わった。

20年以上前に発表されたこの作品。
姉が文庫本を持っていたので、メガヒヨも昔に目を通した記憶がある。
しかしながら自殺した友人の恋人との関係をつづった内容は、趣味に合わなかった。
ちゃんと読んだのは今回が初めてである。

以下ネタバレ警報!!
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昔読んだときは、自死などの内容が受け付けられなかった。
若いときは潔癖だったからね。
時代は変わりメガヒヨも年を重ねて、メンタルな病気が引き起こす自死は罪ではないことも解るようになった。
でもやっぱり作品に感情移入できないかも…。

しかし描写力は優れていて、状況や心情が読み手に上手く伝わってきた。
レイコさんが音楽の才能について語る箇所は、よく描かれているなぁと感心した。
頭で理屈は解っていても、言語化って難しいからね。

それとワタナベが緑の父を見舞ったときに、キュウリを食べるシーンが良かった。
その部分は生きているというか、みずみずしい感触があった。
映画ではぜひこの場面を再現してほしい。

構成されたモチーフはそれなりにいいと思うのだけど、どうしても作者が作品を通じて伝えたいことがよく分からない。

終盤でワタナベがレイコさんとも関係を持つあたりから、さらに混乱してくる。
永沢さんとの女遊びはまだ作品の構成において有りだと思っていたけれど、ここまでくると節操が無さ過ぎる。
「アンタらは猿ですか?」と問い詰めたくなる。
なんかオチに詰まった映画って、唐突に音楽が鳴り、脈絡の無いラブシーンに突入したりするけれど、それと同じニオイを感じた。



てな訳でメガヒヨの趣味には合わない作品だった。
十数年前、ななめ読みして読むのをやめた勘は正しかった。
正直、人の趣向なんて長いことかかっても変わることはない。
この度はワタナベを松ケンに変換したからこそ、上下巻を読破することが出来たのかも知れない。

小説としてはあまり好きでは無いけれど、出てくるシーンの映像化には興味がある。
特に前述のキュウリのシーン、日本縦断放浪の旅などはまるで松ケンのために書かれた様にも感じる。

映画の脚本は小説とはまた違うとの話を聞いた。
それも含めて公開を楽しみにしている。



ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社

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ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社

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DVD David Hasselhoff主演『Jekyll & Hyde』

2009年03月20日 | メガヒヨの本棚・CD棚
毎週楽しみにしていたドラマは終わっちゃったし、パーっと遊びに行くには今年のボーナスが不安すぎる今日この頃。
こういう時は巣ごもりして、お気に入りのDVDでも観るに限るかも!

本日ご紹介するのは、R・L・スティーヴンソンの小説『ジキルとハイド』を原作としたBROADWAY MUSICALを録画したDVD。
主演は『ナイトライダー』で知られるデビッド・ハッセルホフ。

メガヒヨは今から10年前にBROADWAYでこの舞台を観た。
当時主演していたROB EVANの怪演で、時差ぼけなんて吹っ飛んでしまったのを昨日の様に思い出す。

日本でも鹿賀丈史主演で上演されたけれど、正直あれは全くの別物だと思う。
主演俳優が小道具に頼らない演出を希望したために、見所の「CONFRONTATION」が台無しになっている。
あのシーンはヅラを生かしてナンボでしょと、氏を問い詰めたい。
ルーシーの酒場でのシーンも、馬乗りにされる四つんばいの牛さん男がいないので、毒が抜けて味気ない感じ。
これはぜひオリジナルの演出で観ていただきたい。

本当ならオリジナルキャストのROBERT CUTTIOLIで観たいところなのだけど、
HASSELHOFFもなかなか健闘している。
ジキル博士とハイド氏の入れ替わるペースが段々短くなっていくこの「CONFRONTATION」のナンバーや、一幕の聞かせどころ「THIS IS THE MOMENT」など、歌唱力はさておきスケールとセクシーさでカバーしている。
変身の際、苦しんでジタバタする脚が大変長くてカッコいい!

ところでこの変身薬、メガヒヨはぜっったい注射器の方がいいと思う!
当時は劇場のスーベニアショップで、注射器型のボールペンまで買っちゃったよ。
日本では飲み薬だったので、非常にがっかりした。

そういえばこの作品も例にもれず「FORBIDDEN BROADWAY」でパロられているのだけど、そのネタがかなり笑える。
「オペラ座の怪人を観たくてもチケット完売だったり、
レ・ミゼラブルを観たくてもタイトルを正しく発音できなかったり、
そんな場合は是非このミュージカルをご覧下さい!!」
確かにこの2作品を足して2で割ったような仕上がりかもね


ハイド氏へ初めての変身




ジキル博士とハイド氏の対決




Jekyll & Hyde: The Musical (Ws Dol) [DVD] [Import]

Image Entertainment

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上の商品をご覧になるには、リージョン1のDVDを再生出来る機器が必要です。

毛深い本

2009年03月11日 | メガヒヨの本棚・CD棚
昨日、アマゾンから本が届いた。
そのタイトルは「Avenue Q THE BOOK」。
メガヒヨのお気に入りのBROADWAY MUSICAL『Avenue Q』の本だ。

実はこの本、ずいぶん前から発売されていたのだが、買うのに二の足を踏んでいた。
なにせこの本、毛深いのだ。

セサミストリートをブラック・パロディにしたミュージカルの本ということで、
登場するパペット達にちなんだのか、毛足の長いファー生地が表紙ほぼ全面に貼られている。
しかもこの毛、めちゃくちゃ抜けるのだ!!

そんな凝り過ぎた装丁ゆえ、ペーパーバック版が出るのを密かに待っていた。
でもそんな兆しは無く、いつの間にか絶版になるのも怖いのでとうとう購入した。

着くなり早速読んだのだけど、期待以上に充実した内容♪
写真は盛りだくさん、制作秘話やデザイン画、そして脚本まで完全掲載されている。
特に各ページの隅に登場するBAD IDEA BEARSのHELPFUL SUGGESTIONは爆笑もの!

「Pyramid schemes can mean big money」
(ネズミ講はもうかるよ)

「A great cure for hangovers? A beer in the morning!」
(二日酔いによく効く治療法? 翌朝のビールさ!)

などなど、様々なご助言を呈してくれる。

現在メガヒヨは辞書片手に夢中になって読んでいるのだけれど
10分抱えていただけで、黒い部屋着にしっかりオレンジ色の毛がついてしまった。
本棚にしまう時には、松ケン写真集の隣に置かないよう気をつけねばならないのであった。


Avenue Q: The Book

Hyperion Books

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ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係

2009年03月03日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨの最近のブームは、『ハダカデバネズミ』。
アフリカに生息する、げっ歯目・ヤマアラシ亜目・デバネズミ科の動物。
地中にトンネルを掘り、女王・兵隊・働きネズミのコロニーを作り上げて集団で生活をしている。
哺乳類としては珍しい真社会性動物なのだ。

メガヒヨと彼らとの出会いは上野動物園だった。
コロニーごと展示されていたこのハダカデバネズミに、目が釘付けになってしまった。

「なんか毛がないし!歯が出てるし!!動かないし!!!(死んじゃってるの??)」

思えば動かない方々は「ふとん係」の任務を遂行されているだけだった。

このふとん係とは何か?
ハダカデバネズミ(以下、デバ)は、繁殖個体の女王様・王様、兵隊、働きデバのカーストに分かれているのだけれど、
ふとん係りは働きデバの任務の一つ。
生まれてほやほやの赤ちゃんを背中に乗せて、肉ぶとんで暖める係りなのである。
しかも彼らの上には女王様も一緒に乗っかる。
寝ているだけに見えるけれど、かなり辛そうなセクションかも知れない…。

辛いといえば、兵隊も辛い。
コロニーには度々、よそ者デバ、天敵など招かざる客が訪れる。
同じデバなら戦えばいいけれど、蛇などは立ち向かっても勝ち目はない。
そこでわが身を犠牲にして、自ら蛇の口にダイブするのだ。
蛇はデバを一匹食べればお腹いっぱいになるので、さっさと退散する。
涙ぐましい話だ…。

そんなこと言ってたら、王様も辛い。
王様は女王の求めに応じて、おつとめを果たす。
その度に体重の減少が数多く確認されている。身を削る辛い任務だ。
王様は女王1匹につき、1~3匹いるとのこと。ちょっとした逆ハーレム。
そんな彼らも女王交代の時には、次期女王に真っ先に殺されるらしい。
『王様』とは名ばかりである。

でもでも、一番辛いのは女王様かも知れない。
女王様は繁殖個体というだけでなく、管理職も兼ねている。
全長3kmに及ぶ巣を巡回し、さぼっているデバがいると威嚇をする。
しかもハチやアリと違って、女王は生まれつき女王という訳ではないので、常に下剋上の危機にさらされている。
ただ30年以上と寿命は長いので、彼女次第では長い在位期間を保つことが出来る。
理化学研究所の女王デバは、藤原紀香さんとタメ年との話だ

そんな興味深い動物、「ハダカデバネズミ」。
是非一度、動物園に会いにいってみることをお勧めしたい。
そしてこの本もどうぞ


ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)
吉田 重人,岡ノ谷 一夫
岩波書店

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『ガラスの仮面』第43巻

2009年01月30日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨは『ガラスの仮面』の読者である。
第42巻の発売から時が経つこと4年余り…。
やっと第43巻を手にすることが出来た。

前巻では物語に大きな進展が無かったので、今回もそれ程期待はしていなかった。
しかし意外に話がオチに向かって進んでいたので驚いた。
想像していた通り、亜弓さんの紅天女は技術では圧倒する一方、マヤは役の本質を掴んでいたという形で勝負が付きそう。

ところで、このマンガ。
何がすごいかって、劇中劇での観客達が只者ではない。
上演中に客席で堂々と声を出し、マヤの演技力について大いに語る。
その視点のするどさは、全員が演劇批評家なみ。
細かい所までよく解説してくれる。
(でも実際劇場に行った時は、そんなしゃべる人達の近くに座りたくない)

試演では、その様な熱いオーディエンスの支持をマヤが得ることになるのだろうね。
神様の世界に目覚めちゃったことだし。
そして紅天女の役を勝ち取り、大団円といったところか。

しかし商業演劇を現実的に語れば、亜弓さんの方が興行的には成功するのは火を見るより明らか。
まぁ、さらに現実の世界に近い結論になると、ダブル・キャストによる上演になるのだろうね。
しかもシャッフル付きで。
亜弓さんと桜小路くんの組み合わせも、もちろん有りだろう。
ロングランを維持するためには、そのようにしてチケットを売ることも必要だしね。
(東宝のレ・ミゼラブルか!!)

さて。オチも見えてきたことだし、後は何巻まで出るかな?
上手くいくと45巻位で終わるかも。
まぁ今後10年以内には完結して欲しいと思う。

【1/31(土)追記】
先ほど「王様のブランチ」にて、美内すずえ先生がインタビューに答えてらした。
44巻の発行は今夏を目標にしているとのこと。
その原稿もちゃんと映っていた。
もしかして今度こそ、本気の本気かな?


ガラスの仮面 43 (43) (花とゆめCOMICS)
美内 すずえ
白泉社

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絵本「鼠草子」

2008年12月27日 | メガヒヨの本棚・CD棚
今年はねずみ年だったけど、残りもわずか。
年内にレビューを書きたかったこの本。
やっと今更ながらUPできた。

昨年に開催された「鳥獣戯画展」。
ピーターラビットなどの動物擬人化モノが大好きなメガヒヨは、迷うことなく行って来た。
そこで国宝の鳥獣戯画と並んで展示されていたのが、この「鼠草子絵巻」。
会場となったサントリー美術館が所蔵する、桃山時代の作品である。
その古典が絵本形式で出版されたのが、この本。

百二十歳になる権頭は鼠であるわが身を憂い、子孫はその宿命から救おうと人間との結婚を願う。
観音様に祈ったところ、十七歳の愛らしい人間の姫と、正体を隠した上で結ばれることとなった。
彼は嫁入り道具を全て用意したり、唐の楊貴妃風呂を作るなど、彼女に贅沢三昧をさせる。
でもその楽しい日々は長く続かず、鼠であることがばれてしまった。
態度を一変させた姫は、鼠取りの罠に夫をはめた上に屋敷から出て行ってしまう。
それでも姫への未練を断ち切れない権頭は、陰陽師、巫女などを駆使して復縁を図るのであった。
しかし時は遅し。既に姫は人間の男と結婚した後だった。
悲しみの権頭は出家を決意する。
高野山に向かう途中で宿敵「猫の坊」と出会うが、彼も妻と別れた身で鼠を食べる気をもう無くしていた。
そんな二人は奥の院で出家ライフを共に過ごすこととなったのであった。


簡単にストーリーを説明したけれど、数百年前の作品にも関わらず現在でも充分面白い!!
メガヒヨがはまったのは、権頭のストーカーっぷり(笑)
巫女に姫の口寄せをさせるのもすごいが、残していった嫁入り道具ひとつひとつを題材に和歌を詠むのも、
激しいものを感じさせる。
琴、扇、櫛など16作品もあるよ…。

しかも権頭は出家を決意しても、まだまだ俗世間に未練がある。
上人様が「殺さず、盗まず、女に触れず、嘘を言わず、酒を飲まず」の五戒を授けても、
何とかルールを緩くしてもらう様にゴネるシーンはかなり笑える。

この絵本は編集も素晴らしく、絵巻中の画中詞もマンガの様な吹出しに囲まれた活字で再現させている。
さらにこの絵巻では、登場人物の傍らにその名前が書き込んであるのだけれど、それも活字で再現。
プリンシパルの「権頭」や「姫君」はもちろんのこと、「穴惑いのひょんの助」、「隙間数えの鼠左衛門」なんてのも、
それぞれ絵の傍に丁寧に添えられている。
原典のままではとても一般人に読むことは出来ないので、大変ありがたい。
サントリー美術館の学芸員の方々の仕事振りには脱帽である。

この絵本「鼠草子」は一般の本屋さんには売られていない。
サントリー美術館の売店か、通販でのみ購入出来る。
入手に手間はかかるけれど、小さいお子様から大人まで是非おすすめの絵本である。


<<おまけ>>
メガヒヨはこれを映像化してほしいなぁ。

権頭 京本政樹
(百二十年も生きている妖しで、在原業平並のルックスというとこの方がぴったりでは!)

姫 福田沙紀
(小柄で可愛くてハンパなく気が強いといえば、この子を真っ先に思いついた(笑))

A LOVELY WAY TO SPEND CHRISTMAS

2008年12月04日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨが敬愛してやまないミュージカル女優、KRISTIN CHENOWETH様のクリスマスソング集。

彼女の声はクリスタルみたいに透明。
クリスマスの冬景色が似合う。

しかも元々オペラ歌手の彼女は、ポップスまで器用に歌いこなす。
今回のアルバムでは様々なジャンルの曲があるのだけど、
曲ごとに違うクリスマスの光景が浮かんでくる。

それは教会で厳かに過ごすものだったり、どこかの小学校のパーティだったり、
ニューヨークの5番街で買い物三昧だったり、果ては南半球でのバカンスというのもあり。

今年のメガヒヨのクリスマスは、彼女のおかげでLOVELYに過ごせそう。
買った人だけが見ることが出来るライナーの表紙では、彼女はとびきりのGLINDA SMILEを披露してくれている。

美味しいシャンパンとケーキを用意して聴きたいアルバムである。


Lovely Way to Spend Christmas (Snyr)

Masterworks

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旧約聖書を知っていますか?

2008年04月14日 | メガヒヨの本棚・CD棚
ミュージカルやオペラ、絵画など欧米の文化を楽しむと必ずぶちあたる壁。
それは聖書の知識かも知れない。

なにせ、向こうの方々は幼い頃から日曜学校などで聖書に親しんでいる。
登場人物・エピソードは知っていて当然なのだ。

2年前のダヴィンチ・コードのブームの頃、ミーハーのメガヒヨは作品の舞台、ロンドンとパリに旅行した。
パリといえばルーブル美術館!!
美術館といえば、かなり聖書を題材とした作品がある。
せっかくの旅行の機会なのだから、ここはひとつ聖書を読んでみる事にした。

本屋さんでなるべく簡単に読めるものを探したところ、見つけたのがこの本。
ミステリー作家の阿刀田高さんによる、旧約聖書の超ダイジェスト本である。
新約聖書とセットで購入した。
両者ともウィットに富んだ文章で、(信者以外にはかなり退屈と思われる)原典を分かりやすく解説している。
特にヨブ記の章は必見。
ヨブ記を仮にミュージカル上演するという設定で解説している。
神様と悪魔のキャスティングもされていて、演出やお客の入りにまで細かく描写している。

それ以上に役にたつのが、先ほどUPしたJoseph and the Amazing Technicolor Dreamcoatを観るときかも。
だけど、この本。実は今、親戚の子に貸している最中なのだった。