メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY2014 その4《Aladdin編》

2015年03月29日 | NEWYORK


NickくんFan世界大会の後、メガヒヨはAMSTERDAM劇場に向かった。
Disneyの新作ミュージカル『Aladdin』を観るためである。


今回は何と最前列のど真ん中!!
プレミア指定されている二列目よりお値段は安いのだけれど、特に見づらいシーンはなかった。

幕を目の前にしてメガヒヨは感慨にふけっていた。
開幕一年前になる2013年1月。Broadway上演に当たってのキャスト・オーディションが開催されたのだ。
その際に募集となったメインキャストは、主人公・アラジン、王女・ジャスミン、ランプの精・ジーニー、国王・サルタン、アラジンの友人・バブコックとカシーム。

アラジン役は、人種問わず20代男性。俳優組合の会員であることが条件。
その他のキャストについても人種は問われず。
もちろんジャスミンは20代女性、ジーニーは30~40代男性、サルタンは50代男性という風に年齢・性別の提示はあった。
あ、アニメに出てこない人物に関しては、バブコックは小太り、カシームは痩せているという外見イメージについても書いてあったよ。

ファンクラブの人によると、当時Nickくんが「アラジンを演ってみたいなぁ。」と発言していたことがあった。
どれくらい本気だったかは定かでないが、確かにNickくんはアニメのアラジンそっくりの顔をしている。
あの腹だし衣装といい、歌の音域といい、彼以上のアラジン役は思いつかない!!

そんな訳でオーディション当日の1月某日、Nickくんがアラジン役をゲット出来るように祈りの輪が世界中で勝手に広がっていた。

結果として、アラジン役に就いたのは2011年7月にシアトル試演で主演したAdam Jacobsさん。
ジーニーのJames Monroe Iglehartさん、ジャスミンのCortney Reedさんなど、ほとんどのメインキャストについても試演出演者の続投が決定。

Nickアラジンを期待したメガヒヨはがっかりしたけど、まぁそんなものかも。
芝居やミュージカルナンバーをイチから作り上げてきたキャストが尊重されるのは当然だからね。
それに中東系のヒーローなのだから、やっぱりオリジナルキャストにはそれらしく見える人でなきゃってのも理解できるし。

ちなみに、募集の無かったオマル役は試演でのAndrew Keenan-Bolgerが演じると見られていたが、彼は他の舞台への出演が決まったためにJonathan Schwartzが演じることに。
上のがシアトル試演での写真。
どーでもいいがメガヒヨはこの写真を見て、Andrewくんのことをお猿のアブー役だと思い込んでいた(笑)
あ、アブーはこのミュージカルには出てこないよ。

アブー役がカットされたのと同様、この舞台ではアニメ映画からの変更点がいくつかある。
まずはオウムのイアーゴが人間の設定になっていること。
このイアーゴ役のDon Darryl Reveraさんがとてもハマリ役で良かった。
アニメから続投のジャファー役、Jonathan Freemanさんといいコンビだった。まさに絵に描いたような腰ぎんちゃくって感じ。
Broadwayの役者層の厚さを感じる素晴らしいキャスティングだった。
今後彼をモルモンのカニングハム役で観てみたいなぁ。


他の変更点としては、アラジンにオマル、カシーム、バブコックという泥棒ネズミの仲間が出来ていたところ。
しかし彼らはどう見ても、泥棒ネズミとか不良少年という年齢には見えない。
街の窃盗団と言っても何の遜色も無いような容貌(笑)
だっておでぶのバブコックなんてヒゲまで伸ばしてるし、オマル以外の全員に胸毛が生えているんだもん!!

あとはジャスミンにも同じく三人組の侍女がいるところかな。
その中でもMarisha Wallaceさんは♪One Jumpで街の占い師役も演じていて、キャラが立っているよ。
日本でいうと浦島りんこさんみたいな方かな。

それにしてもなぜわざわざ新キャラクターを作ったのだろう?
メガヒヨは、ジーニーの出番までのつなぎと考えた。

それ位ジーニーはステージに姿を見せている間、激しく歌い踊っている。
少しでも制止したら魔法が解けてしまうかのごとく、回遊魚のように動き回っていた。

まずは冒頭の曲、♪Arabian Nightsはジーニーの担当。
映画では旅の商人が歌っていたけれど、ここは早速出番を取っていた。狂言回しのごとく登場人物を紹介する。
この後一幕最後まで彼の出番はないので、ここで登場しておいて良かったかも。
なかなか姿を見せなかったらお客さんも焦らされるものね。

冒頭の曲以降のストーリー展開は基本的にアニメと一緒。
基本的な筋に肉付けされる形で、アラジンが窃盗から脚を洗って仲間とバンドを組んだり、ジャスミンを巡る恋敵の王子なんてのも出てきたりしていた。
大まかにいえば『美女と野獣』よりアニメに忠実ではないが、『メリー・ポピンズ』ほど大胆には造り変えられていない模様。

そんな感じでジーニー再登場までの少々ゆるい展開を最前列で眺めつつ、一幕終了の間際。
とうとう♪Friend Like Meのナンバーが!!
ちなみにこのナンバーってばエラく長い。10分位はあるんじゃないかな?
このTV番組宣伝用のハーフバージョンでも充分長いけどね。

そしてインターミッションを挟んでさらにジーニーのソロ、♪Prince Aliのシーンがある。
タイトルはプリンス・アリなれど、アラジンは歌の最後に担がれて登場するだけ。歌うのは全部ジーニー(笑)
なるほどな~、二曲に間に休憩時間は絶対必要。
とにかくジーニー役者にショーのほとんどが掛かっていると言っても過言でないミュージカルであった。

そうそう、ジーニーの他に重要な登場人物があった。それは魔法のじゅうたん!!

これは本当によく出来ている。
メガヒヨは以前に東京ディズニーランドのショーで見た、背後からのクレーンで支えられたじゅうたんのようなものを想像していた。
だけどそれとは全く違う。完全に浮いているように見えるのだ!! ステージ内を縦横無尽に飛んでいる。

いや、絶対に仕掛けがあるはずと、このメガヒヨ。
幼少時にウルトラマンを見る際にストーリーそっちのけで、仕掛けのピアノ線を見つけることに興奮していた性分は今も健在だった。

歌そっちのけで目をこらしてステージを見つめる。
そしたらあったあった!!

以下ネタバレ警報!! 知りたい方はドラッグしてね。


魔法のじゅうたんを吊るすのは透明なワイヤー。帯のようにも見えたかな。四隅をそれで支えていた。
大人二人の重さに耐えるものだからかなり頑丈だと思う。反面、触れてしまったらハンパでない大けがをしそう。
フライングのワイヤーでさえ危険だからね。Nickくんリトルマーメイドで手のひらにケガしてたし。

最後のジャファー征伐が「あれれ?」って感じであっけなく終わってしまったのはご愛嬌として…
(だって決着の前にカシーム他登場人物全員が結婚式用の衣装に着替えちゃってんだもん!!)
あのアニメを舞台に再現したショーを目いっぱい楽しむことが出来た。
是非Jamesさんのサインを戴きたいってことで、メガヒヨはStage Doorに直行した。


アラジン役のAdam Jacobさん。前回リバイバルのレミゼでマリウスを好演するなど、美しいテナーの俳優さん。
写真だと小柄に見えるけど、実物はスラリとしたイケメン。独身時代はモテただろうなぁ。
メガヒヨが勝手に構成したBwayノンケレンジャーではアオレンジャーにこれまた勝手に任命!!


ジーニー役のJamesさんが出てくるのはかなり時間がかかった。
結構多くのお客さんが待ち切れずに帰っちゃったな。
彼もとても感じが良かったよ。
実はこの写真は一度撮らせてもらったのがちゃんと撮れてなくて二度お願いしたもの。
だけど嫌な顔ひとつせずに応じてくれた。あのパフォーマンスでとてもお疲れだろうに。

この役は激務なので、スタンバイのMichael James Scottさんに当たったという話を良く聞く。
彼も素晴らしい歌手(The Book of Mormonでマゴットに関するソロを熱唱)なので、まったく遜色ないと思う。

ちなみに2月末に入ったニュースによると、ジーニー、アラジン、ジャスミン、ジャファー、イアーゴなどのメインキャストが2016年2月21日まで出演契約を延長したとのこと。
Jamesさんのジーニーを観たい方はまだまだ間に合うので、是非予定を立てていただきたい。