のぼりが芝居小屋っぽくってワクワクしてくる!
のぼりが芝居小屋っぽくってワクワクしてくる!
今までブロードウェイ版、日本語翻訳版とアナスタシアを観てきた。
そしてこの度は昨秋上演の宝塚大劇場、年明けの東京宝塚劇場において宙組版「アナスタシア」を観るチャンスに恵まれた。
メガヒヨの初宝塚観劇は91年の涼風真世さん主演のベルサイユのばらなのだけど、宝塚大劇場いわゆる"村"を訪れるのは初めてだった。
というか行ってみてびっくり。駅から劇場まで赤い屋根の建物で統一されていてまるでテーマパークの様!
劇場の建物内に入ってみてもチケット改札はずっと奥で、そこまで売店やレストランなどの商業施設エリアがしばらく続いていた。
お菓子やグッズも様々な種類があり、これは周辺の経済を大きく支えていそう。
ブロードウェイも顔負けのグッズの数々!
この度大劇場に連れてきて下さったKさんのご厚意でメザニンど真ん中で観劇することがかなった。ありがたや。
今回の宝塚上演版は、男役スター真風涼帆さん演じるディミトリを主役に立てた独自演出。(潤色/演出 稲葉太地氏)
かなり変更があると思いきや、作品の軸はぶれずシーンも想像以上にブロードウェイ版を踏襲していた。
中にはこのアイディアはさすがと思うものも有ったり。
気になったシーンをピックアップするね。
♪Once Upon A December
冒頭の皇太后と少女時代のアナスタシアのデュエット。ほぼ変更なし。
皇帝役の瑠風輝さんが少女アナスタシア役の天彩峰里さんを軽々姫抱っこしている。久々の宝塚観劇だけどリフト振付が増えた印象。
その後のロシア革命への流れだけど、貴族の人数多っっ!! 豪華だ…。
撮られる写真も団体写真である。
そうそう。オリジナル版では冒頭のアナスタシアは子役で、ロシア革命前の舞踏会は本役とは別の女優さんがヤングアナスタシアを演じていた。
でも宝塚版ではその設定はなく、星風まどかさんがドレスを着て登場している。
♪A Rumer In St. Peterburg
このシーンはキャスト総出?圧巻のコーラス。
しかしこれでもコロナ対策で人数を減らしている。フルの人数だったらさらに凄かっただろうなぁ。
♪She Walks In
Stephen FlahertyさんとLynn Ahrenさんによる新曲。
二幕への伏線となる歌詞で、宝塚らしいバラード調の素敵なナンバー。
♪Once Upon A December(Emsemble)
アーニャとディミトリのデュエットになっていて驚き。でも違和感なし。
皇后がスキャットで歌っているのもいいな。影コーラスも厚い。
そういえば気になっていたんだけど、ブロードウェイ版のこのシーンってコーラスは生歌だったのかな?
姫4名と貴公子4名はあの振付では歌えないだろうし、皇帝、皇后、侍従二名、侍女二名、舞台裏のリリーとヴラドと皇太后という少人数であのボリュームは出せるものなのだろうか。
気になっていたもので少々話が脱線してしまった・・・。
♪Journey To The Past
歌い出しがディミトリだ。こちらも違和感なし。
本来はヒロインによる一幕ラストソロナンバーだけど、エリザベートで♪私だけにをトートが締めてしまうレベルの宝塚アレンジ。
♪Paris Holds The Key
二幕の冒頭を彩るこのナンバーは宝塚ならではの豪華さ。一幕とは違ってキャストさん達が色とりどりの衣装をまとって踊り歌う。
宙組は美形揃いと聞くけどまさにそう。こんなに綺麗な人たちが舞台いっぱいちりばめられているなんて、本当に贅沢だ。
♪Close The Door
寿つかささんは普段男役だし、年齢もまだ40代後半くらいなのに皇太后としての威厳がすごい。演技力が高い方なのだな。
遠目だと本当に麻美れいさんやMary Beth Peilさんと並ぶかのように見える。
♪Quartet At The Ballet
ブロードウェイ版ではメガヒヨ大贔屓のKyle Brownくんがジークフリート王子を踊ったこのナンバー。
宝塚版ではロットバルト役の優希しおんさんが抜群の舞踏センスを披露していた。
大劇場で11月に観劇した際は、オリジナル版でオデットに振り付けられていた32回転をロットバルトが回っていたのが衝撃だった。
東京ではそれほど多くターンしていなかったし、早くはけた様な気がしたので振付が変更したのかな?
そうそう。Kyleくんの振付とは違うけど、宝塚のジークフリート王子もオデットをリフトしていたよ。カッコいい!
♪Still/The Neva Flows(Reprise)
ディミトリが主役と聞いていたから、ラストのグレブとアーニャの対決シーンは彼が割って入ってくるかと思っていたよ。(そんな事は無かった)
♪Once Upon A December(Reprise)
ドレスのまま駆け落ちするのはオリジナル版と一緒。
ラストに亡くなった家族に見守られて二人で旅立つのも同じなんだけど、記念写真にディミトリが加わる演出は気持ちが温かくなった。
久々の宝塚観劇(2014年の伯爵令嬢以来)なもので真風涼帆さんと星風まどかさんを初めて拝見したのだけど、とても素晴らしいコンビだった。
真風さんとグレブ役の芹香斗亜さんのPR動画を観た際には配役は逆の方が良いのではと思ったけど、ディミトリの少年っぽさや健気な様をよく表現されていた。
星風まどかさんは歌も上手く、お顔も可愛らしいので最高のアーニャだった。いずれ梅芸版でもこの役を演じてほしいなぁ。
芹香斗亜さんは♪Stillや♪The Neva Flowsなどの難歌を歌いこなして大拍手だったし、ヴラド役の桜木みなとさんも髭をたくわえた中年男性という役を健闘されていた。(フィナーレのソロ歌手と同一人物とは全く気付かなかった。)
フィナーレといえば、大輪の花みたいな娘役がいると思ったらリリー役の和希そらさんだった。普段は男役の方とのことで、真風さんと長身同士のペアダンスは見ごたえが有った。
終演後にチケットでお世話になったKさんと宝塚に詳しいSさんに色々話を伺った。
なかでも印象に残ったのは、自分が年齢を重ねても宝塚には感情移入しやすいということ。
それはメガヒヨも大いに頷けた。
ブロードウェイ版のDerekさんや日本版の三人のディミトリも素敵だけど、自分がアーニャになりきってときめくのには遠慮してしまう。
だって本物の若い男性だから。
真風さんも雲の上の人という意味では同じなんだけど、舞台では美青年でもそれは虚構の世界でのこと。正体は涼しげな目元の美女だからね。
作り上げられた世界に付き、いい大人の当方も思いっきりその世界に浸れるということなのだ。
この度はチケット入手難の宝塚を観劇できて本当に幸運だった。
また大劇場に来られたらいいなと思う。
メガヒヨはブロードウェイミュージカルのアナスタシアが大のお気に入り!
この度シアターオーブにて日本初上演が行われるというのでチケットを3回分取って楽しみにしていた。
ちなみに主催の梅田芸術劇場さんはブロードウェイ版のプロデューサーとして名を連ねている。
ところがこのコロナ禍! メガヒヨの取った3回分は全滅。せっかくのロイヤル席が…。
でもこの機会を逃すと観るチャンスはそう巡ってこないかも?と思いチケットを取りなおした。
仕事の都合もあるので2回分となり、海宝・相葉ディマ、遠山グレブ、朝海リリー、そして木下アナスタシアは観られなくなってしまったのだけど(涙)
ただその後大阪公演は全面中止となってしまったことを考えれば観られただけラッキーと思うのであった。
(観られてラッキーとはいえ、とっても舞台が遠い2階席。自分は3列目だったのだけどこの見え方でS席は悲しい。
しかも2階は10列くらいまでS席設定な様で。ロイヤル席や1階前方を値上げしても後方の値段は抑えるべきではないかな・・・?)
今回の上演はブロードウェイの演出を受け継いだ、いわゆるレプリカ版。(アレクサンドル橋がカットされているがこれはツアー版に準じるとのこと)
以前から、日本未上陸の作品はクリエイターの心をそのまま日本の観客に伝えるべく初演の演出そのままで上演するべきと主張してきたのでその通りになっていて嬉しい。
しかも訳詞はあの高橋亜子さん!メロディをころさず、英語詞のエッセンスをそのまま日本語に変身させるまさに詩人。
Home, love, family
I will never be complete until I find you
ホーム、ラブ、ファミリー
わたしがわたしであるため
ここら辺なんて神がかっているお仕事だと思う。本当に。
役者さんも良かった。
アナスタシア役の葵わかなさんは舞台では初めて拝見。
以前からお顔がすごく可愛いなと思っていたけれど、声も澄んでいて綺麗だった。
Christy Altomareみたいにシンシナティ大学レベルの名門校で鍛えれば、更に素晴らしいミュージカル女優になるのではないかな。
ディミトリの内海さんは若くてメガヒヨの目には眩しかった。
はきだめにダイヤモンドの原石って感じで、これはアーニャも好きになってしまうだろうな。
歌も決めるところは決めていた。
リリーの堀内敬子さん、マルシアさんも良かった。
堀内さんは細部まできめ細かい所作で奔放な伯爵夫人になり切っていたし、マルシアさんはヒット歌手の貫禄で「♪Land of Yesterday」をゴージャスに盛り上げていた。
ヴラドのお二人、大澄賢也さんと石川禅さんは影の主役といっていい位。
ブロードウェイでもJohn Boltonさんの存在感と芸達者ぶりは素晴らしかったけど、日本のヴラドもそれに肩を並べていた。
大澄さんは誰よりも踊りが洗練されていたし、石川さんは愛情あふれる表現とよく響く歌声でショーの屋台骨を支えていた。
グレブのお二人だけど、山本耕司さんは恋にはまるまじめなエリート将官、堂珍嘉邦さんは宝塚ばりに耽美な敵役という印象。
それぞれ良かった。
あ、町娘を顎クイするのは山本さんは書類をつかって、堂珍さんはブロードウェイ版のMaxさんとおなじく指一本で行っていたよ。
そうそう。グレブ三番手で普段は皇帝/イポリトフ伯爵役の遠山裕介さんもとてもいい声だったので、グレブ役で観られなくて残念だった。
アンサンブルの方々も素晴らしかった。
特に白鳥の湖のシーン。ブロードウェイ版ではメガヒヨ大贔屓のKyle Brownくんがジークフリート王子を踊っていた。長い手足でダイナミックなバレエが印象的だった。
日本版でこの役を務めるのは西岡憲吾さん。(違ってたら失礼。Bwayと違い役名表示ないもので。)
本職のバレエダンサーで、ラストのリフトは両手を離すテクニックを披露してくれた。Kyleくんもここまではしてなかった。
今回はレプリカ演出ということで、振付、衣装、装置、オーケストレーションもブロードウェイ版そのまんま。
衣装はLinda Choさんデザインの豪華なドレスの数々がそのまま日本人サイズに。あの皇后のきらびやかな衣装もそのままで感動した。
振付はPeggy Hickeyさんが来日して役者さんに指導していた模様。ありがたや。
舞台装置もあの高精細LEDのプロジェクションマッピングを日本でも再現。あの超美麗映像をブロードウェイで観た際、帝国劇場のドット装置(あれ未だ使ってるの?)を思い出して涙がちょちょ切れたものだ。
さて。この度は新型肺炎流行のなか厳戒態勢で上演されたのだけれど、劇場スタッフの尽力には頭が下がった。
まず役者さんへの手紙・プレゼント、出待ち行為はお断り。これは安全のために仕方ないよね。
そして入り口では観客全員の検温、そして手のアルコール消毒。
バーもクローズしていた。劇場の大切な収入だろうに。
スタッフさんの尽力もあってか、3月において劇場全体での集団感染は無かったとのこと。
確かにライブやスポーツ観戦とは違い、お客さんは声を出さないしね。マスク装着も徹底していたし。
それでも公演数の大半が休演になってしまい大赤字は避けられないと思う。こんなにいい作品なのに。
簡単なことではないだろうけど、是非再演を期待したいのであった。
元の作品の素晴らしさと、日本語上演の理想的な形であっただけに。
制作発表があった際には「まさかこの作品を日本で上演するの?」とびっくりしたこの作品。
演出が福田雄一さんと知り、「じゃあ面白くなりそうだね。だいぶいじられそうだけど。」とチケットを取ることにした。
2008年に観た際の観劇記はコチラ。
主演のフレデリック役、小栗旬さんはいわずと知れた人気俳優。
自分はカード会社の貸し切り公演で運よくチケットが買えたけれど、限りあるチケットに彼のファンが殺到し争奪戦になったとのこと。
小栗さんは普段からいい役者さんだな~と思っていたけれど、ミュージカルの舞台における歌唱力には正直期待していなかった。
しかし予想をいい意味で裏切り、かなり聴かせてくれた。
もともと歌が上手い人ならCDも出しているだろうから、今回の舞台のために猛特訓したのではないだろうか。
きっとプロ意識が高い人なんだろうな。
アイゴール役の賀来賢人さんについては、この方はイケメンなのでこの役にどうなの?と思っていた。
でも観ているうちにイケメンということを忘れてしまった。(最上級で誉めてます。)
すっかり福田組の常連な保坂知寿さんははじけつつも変わらずの安定感。
2008年にBwayでこの作品を観た際はエリザベス役はぜひ知寿さんと思っていたのだけど、ブリュッハー役も良かった!!
この役は演じられる人が限られるものね。
作中、福田さんによる日本独自の演出で「時の人」を演じる場面があるのだけど、これがまたハマってて笑わせてくれた。
お掃除の棒の小道具も出たりして(笑)
エリザベス役を演じた瀬名じゅんさんもこれまた別の「時の人」を演じる場面が有り。
彼女も実に上手い!! プロが歌うとあの「時の歌」もああなるのだなぁと深く感心した。
そしてピンクのスーツも美しい人が着るとやっぱり見栄えがするものだなぁ。
そして影の主役、ムロツヨシさん。
この方はBwayのケンプ警部/ハーミット老人役に比べて断然に忙しい。
ヒルトップ氏のほか、オリジナルではジギー役の役者さんが演じたちょっとした役でも登板されているのだ。
あまりの忙しさに声がかすれてしまったのことで二幕では禁断のアレをしてしまうのだけど、それも笑いのネタにするくらいの無敵のアドリブ力だった。
(メガヒヨは運よくムロさんとハイタッチ出来たよ♪ 上手端の席の方は期待していいかも!)
他にも宮川浩さんなど実力派の役者さんで脇を固めてあり、小栗さんやムロさんが多少暴走しても安定感がある舞台だった。
先述のとおり数多くの時事ネタがあったのだけれど、なかでも小栗さんの女好きをイジられるネタではご本人を前に大きく笑わさせていただいた。
どこまで本当か分からないけれど、業界において小栗さんほどの立ち位置の方なら誘惑も多そう(笑)
実際にインガ役の滝本美織ちゃんなんてすっごく可愛かったんだけど、それくらいの美女達に囲まれて毎日仕事している訳だからね。
ところで今回の舞台で唯一残念だったのは、スーザン・ストローマンさんの振付でなかったこと。
でも所々似ているというかそのまんまコピーしているシーンもあるんだよね。
Listen to Your HeartとかTransylvania Maniaとか。これは問題ないのかな?
それともいわゆるオマージュ!? (便利な言葉だ。)
かなーり日本仕様になったこのヤングフランケンシュタイン。
でも福田雄一さんがMel Brooks先生のオリジナルをリスペクトして作り上げているもので、コアの部分は変わらずだったから観客のこちらも楽しめた。
いずれまた「Something Rotten」、「Groundhog Day」はたまた「The Producers」再演など、どんどん舞台を作り続けていただきたい。
タイムスケジュールはこんな感じ。実際13:00開演で終了は16:15でした。
(やっぱりアドリブで尺が増えてるのかも(笑))
<余談>
東京フォーラムの売店は帝国ホテルが入ってるよ。
値段はお手頃、ソフトクリームやコーヒーが350円。
Broadwayのシューバート劇場にて入り口でペットボトルを没収され売店の水を5ドルで買う羽目になったこの身には、とてもありがたい場所に感じた。
この週末、メガヒヨはBILLY ELLIOT THE MUSICALの日本版を観てきた。
日本版は映画版のタイトルにならい、~リトルダンサー~とサブタイトルがついている。
2006年のロンドン版、2010年、2011年のブロードウェイ版を経ての4回目のビリー・エリオット。
(過去の観劇記はこちら。2010年BW版。2011年BW版。)
2015年の制作発表の頃から楽しみにしていたこの作品。
正直いうと、数年前は日本においてこの作品の上演は不可能だと思っていた。ビリー役は少なくとも3人は必要だし。
それでもここ最近の舞台で若い才能を数多く見るうちに、ビリー役の少年が複数見つかるのではないかと希望を持ち始めていた。
ホリプロさんが社運を賭けたビッグプロジェクトだけに事前の宣伝は大規模。
数々の動画を見るうちにこれは思っている以上かもと期待がふくらんだ。
そして観劇当日。キャストの方々はこの顔ぶれ。
お父さんには吉田鋼太郎さん。もう立っているだけで炭鉱夫そのもの!!
英語版は北イングランド訛りで上演されたけど、日本語版においては筑豊弁に訳されている。
自分は東北弁かと勝手に予想してたけど、炭鉱の町ってことで筑豊弁は大変はまっており、吉田さんにもぴったりだった。
ただ残念なのは吉田さんの歌い方が非常に個性的であったこと。情感のある語りで涙を誘うんだけど、発する言葉に音符の存在が感じられなかった。
ウイルキンソン先生には島田歌穂さん。
本当に完璧なウイルキンソン先生だった!!
歌とダンスは申し分なく、ビリーに対する愛情、希望を強く表現し観客であるこちらの心に強く訴えかけてきて。
終盤における距離のとり方も、「現実はそうなんだよね」とじんわりと余韻を残す。
さらにメイクや身のこなしなどのキャラ作りに至っても、80年代をそのまま舞台に再現していた。
そうそう。歌穂さんといえばバレリーナ星からやってきたロビンちゃん。
「がんばれロボコン」を彼女見たさに見ていたメガヒヨは昭和の子ども。
憧れのロビンちゃんから〇〇年、カーテンコールでのチュチュ姿を拝見できて嬉しかった!!
主役のビリーの未来和樹くんは綺麗な声の持ち主。
11,2歳くらいかなと思ったらなんと中学三年生とのこと! というか公演までに声変わりしないで良かったね。
オーディションもトレーニングも本当に大変だったと思うから。
ちなみにレミゼのガブローシュは身長140センチまで、ビリーが147センチまでというから、男の子の子役にとってゴールであり最大の役がこの役なんだね。
マイケルは山口れんくん。
この子も芸達者で、セリフの間がすごく上手い。
♪Expressing Yourselfはショーストップになった。まだ小学5年生というから、この先が楽しみ!
おばあちゃんの根岸季衣さんも良かった。認知症の演技が一転、♪Granma's Songで綺麗な身のこなしに変わるところなんて、こちらの目頭が熱くなった。
それとピアノ伴奏者のブレイスウエスト役の森山大輔さんも印象に残った。
2006年のときはこの役を日本で演じられる役者さんがぱっと頭に思い浮かばなかったので。
日本の役者層もひと昔前より厚くなって嬉しい。
それにしてもタイムリーな上演だと思う。
日本もイギリス並みではないけれど、格差社会といわれるようになって。
さらにウイルキンソン先生のように没落する中流も他人事ではないし。
でもどんな世でも突然として飛びぬけた才能が生まれることがある。
それを活かすも殺すも周囲の大人次第。
この作品の訳詞家である高橋亜子先生のツイートによると、ビリーが口にした「電気」とは石炭をエネルギーとしたものとのこと。
自分は今まで体を走る衝動とかそんな意味にしか取っていなかったので、聞いて目から鱗が落ちる思いだった。
石炭とはお父さん、ウイルキンソン先生、その他応援してくれた故郷の人達そのもの。
それらを前提とした「電気」なので、「火花」のように詩的な他の候補の言葉は無しになったとの話だった。
日本語に訳するのも多大な労力が掛かるだろうし、原詩の意味をすべて伝えられないことばかりだと思う。
だけど母国語に訳されてやっと初めて作品の核心に触れられることもあるし、今後も良い作品を良い形で上演し続けていただきたい。
ところで7月末現在、8月9月分のチケットはまだまだ残っている模様。
劇場でもリターナーチケットとして1000円引きで販売されていた。日によっては見やすい席も残っているみたい。
良い作品なので空席は勿体ないし今後の再演につなげるためにも、興味をお持ちの方はぜひアクトシアターに足を運んでもらいたいと思うのであった。
ロビーを彩るお花の数々。日本の劇場はこれを眺めるのも楽しみの一つだね。
国内観劇については3月分、6月分をポストした。だけど4月にも二本ばかり観に行ってた。
以下二本について簡単に語ってみるとするよ。
4月なかばに観たのが紳士のための愛と殺人の手引き。
自分が観た回は柿澤勇人さんだった。
市村正親さんが8役演じるとしか前もって知らずに臨んだこのミュージカル。
これぞエンターテイメントとばかりに楽しめた。
市村さんの変身ぶりは素晴らしく、司教役のときはF列目で観ていたにも関わらず気が付かなかった。
また主役の柿澤勇人さんを拝見したのはたぶんこれが初めてだと思うのだけど、才能ある役者さんだと思った。
脇を固める宮澤エマさんは役にぴったりの可憐さ。
シルヴィア・グラブさんもキャラクター的には役にはまってたんだけど、柿澤さんとの年齢差を強く感じちゃったかな。
もともとこの方のことは歌も上手くて大好きなんだけどね。
あと高谷あゆみさんが出てたのが嬉しかったな。こういう実力派の貴重な女優さんには、幅広く長く活動していただきたい。
そしてそして『王家の紋章』。
昨年夏の初演と合わせて計4回観たよ。
そのうち3回は台風だの事故だので電車が大幅に遅れて、劇場に入れたのが時間ギリギリという危なっかしさ
まったく王家の呪いか!!
もともと原作漫画のファンであるメガヒヨ。新妻聖子さんのキャロル完コピぶりに驚愕した昨年の夏を思い出す。
もう一人のキャロル役である宮澤佐江さんも品が有って美しかったけど、小柄さと歌唱力では新妻さんが上回ってたもので。
そうそう。初演であったシーンが再演では大幅に削除されていたりもした。
分かりやすいところでは奴隷のセチママが車輪に轢かれるシーンと、メンフィスがキャロルの腕を折る(腕ポキ)の箇所。
骨折した状態でキャロルがさめざめと泣きながら歌うナンバーもカットされてたな。
まぁこのナンバー削除に関しては、次のシーンがころっと明るい曲になるもので必要ないと考えていたのでいいかも。
どちらかと言えば、腕を折って後悔するメンフィスのナンバーを入れるべきと思ってたもので。
だけど車輪のシーンは削除すべきではなかったんじゃないかな。
あれが無いと原作を読んでいないお客さんは、キャロルが自分の危険を顧みないほどの人格者って後になるまで分からないからね。
あとメンフィスがキャロルを姫だっこするところも完全削除されていた。
初演は少なくとも2回はあったはず。
まぁいくら新妻さんも宮澤さんも細いとはいえ、重い衣装をつけたまま成人女性を抱き上げるのは体に負担がかかりそうだしね。
メンフィス役の浦井健治さんはシングルキャストなもので、万一腰をやられちゃったら大変なことになっちゃうし。
姫抱っこはダンサーの方が責任もって果たしてくれたからいいのかな。
浦井さんといえば、彼の歌の巧さに4回目くらいにしてやっと気が付いた。
何せ視覚的にいろいろ飛び込んでくるミュージカルだから。
クライマックスでのソロは後ろでセチが踊りまくっているのだけど、毎回どうしてもそちらに意識が行っちゃって
それにしても主役級が歌いまくり、バックでダンサーが踊りまくるこの構図はまさに昭和の歌謡ショー。
そんなノスタルジックな演出も作品にはあってたな。
いずれ宝塚でも上演されるだろうから、そのときには頑張ってチケットを取って観てみたいな。
(正直、海外進出は脚本をいじりまくらないと無理だと思う。あまりにも日本的なもので。)
余談その1
今回、前回ともエポスカードの貸し切り公演で観劇した。
良席確約ってわけでもないけど、チケ難演目で席が結構確保できるのでよく利用させてもらっている。
演目によっては割引、そしてお土産がつくのも魅力。
今回のお土産は昭和なゼリーの詰め合わせ! これは少々嵩張った(笑)
余談その2
帝劇からの帰りは丸の内のオシャンティなブティックを眺めるのが好きなのだけど、今回こんなライアン兄さんなスーツがあった!!
チケットぴあさんより拝借。
懐かしの80年代風ってとこかな? 今ちょうどリバイバルしてるね。
ディスプレイした店員さん、もしかして王家の紋章を観ていたのかも(笑)
今年も半分過ぎたな~なんて思ってたら、7月ももう半分過ぎちゃった!!
そんなんで今更ながら、6月に観た国内のミュージカルの話でもするね。
まずは『パレード』。Broadway初演から20年近く経ってからの日本初お目見え。
メガヒヨにとって初めてのJason Robert Brown作品。(映画版Last Five Yearsは除く)
この作品は前から興味があった。記念すべき初めてNY訪問の年、1999年度のTony賞のパフォーマンスで心惹かれた。
題材となったのは、アメリカ裁判史上でも有名な冤罪判決。
南部アトランタのユダヤ人の工場長が政治的な理由で、工員の少女を暴行し殺害した犯人に仕立て上げられたとするレオ・フランク事件。
Bway初演時と同時期に上演されていた『Ragtime』の原作でも、この事件に関する記述がある。
それほどに20世紀初めのアメリカを象徴する出来事である。
第一幕では平穏無事に毎日を過ごしていた上流階級の主人公が、足元を掬われるかのように政治的な陰謀によって汚名を着せられる様がありありと描かれていた。
いきなり逮捕されて裁判に引きずり出されるレオ・フランク。マスコミも印象操作のような報道で彼に汚名を着せる。
召使も工員たちも彼の身に覚えのないことを裁判でまくしたてる。
ついに下されたのは死刑。
一方、罪を着せる側は盤上でゲームの駒でも進めるかのように平然としている。
観ていてとても辛く、あんなに深く落ち込んで過ごした幕間は初めてだった。
翻って第二幕。か弱い存在だった主人公の妻が再審を求めて立ち上がる。
彼女の健闘により、知事も判決を見直す姿勢を取る。さらに北部のユダヤ人からの支援も得てかすかな希望が見える。
だがそれも虚しく、暴徒と化した市民により主人公に悲劇的な最期が訪れる。
打ちのめされた妻。しかしそのままアトランタの地に毅然として住み続ける。夫の潔白を証明するかのように。
重いテーマだったけど、彼女の姿勢で観客の自分は何とか救われた。
主演の石丸幹二さん、妻ルシールを演じた堀内敬子さんはじめ、日本のミュージカル界でも歌唱力の高い方々が集結したこの舞台。
オリジナルを知らないので翻訳に関してはコメントできないけど、メロディに作品の要素がしっかり乗っていた。
こういう人種問題を扱ったミュージカルは、オリジナルが伝えたいことのすべてを語るのは無理な話かも知れない。
一言に黒人といっても地域差もあるようで、オリジナル版はそういうところまで気を遣った演出になっているけれど、日本だとなかなかそうもいかないし。
(仮に演じ分けても観る側に分かる人は少ないものね。)
ちなみに…。
いろいろ考えさせられながら劇場を出かけたところ、同じく観劇後のお客さんの会話で
「あの検事はなんでコンリーを問い詰めなかったのかな。選挙での黒人票を狙ってたのかもね。」
という会話が耳に飛び込んできた。黒人公民権はこの事件の50年以上も後のことなんだけどなぁ(笑)
重ねて言うけど、外国作品は演じる側が仮に100%再現しきったとしても、受け取る側が100%それをキャッチできるかどうかは微妙なところ。
ただ100%は無理だとしても、洗練された演出と役者の力量により80%も伝われば大成功ではないだろうか。
この舞台はその成功例の一つだと思う。
あともう一つ。
このパレードを観た直後は「アメリカの南部、人種差別ハンパない!! 恐ろしや。行きたくないなぁ。」と正直感じた。
しかしこれはあくまで脚本家のAlfred Uhry氏と作詞作曲のJason Robert Brown氏(ユダヤ人)が作り上げた舞台。
近代史を基にした作品は政治的要素が絡みやすく、全部が全部事実として受け取るのは少々危なっかしいと考え直した。
レオ・フランク事件は後々の証言により無罪が立証されているけれど、アトランタにはまだ彼が犯人だと思っている層も少なからずいるとのこと。
神様が語ってくれない限り、事件の真相は決して明らかにならない。
良い作品だったけど、舞台は舞台として受け取りたいと思った。
さて翌週観に行ったのは『ノートルダムの鐘』。
ツイッターなどで好評の声をよく聞き、久々に浜松町の四季劇場に脚を運んだ。
この劇場もこけら落としから数年はお世話になったなぁ。
竣工当時は3Fのバルコニー席が不評で(2FC席に大幅な見切れ発生、傾斜姿勢が疲れるなどなど)、取り壊せなんて声もあったっけ。
当日のキャストはこんな感じ。
キャストでは野中さんと原田さん以外分からない…。
スタッフの方にこそ知っている俳優さんが多いよ。
とはいえ若いキャストさん達はいい仕事をしてくれていた。
特にエスメラルダ役の岡村美南さんが良かったな。
歌も上手くて色気も醸し出していた。
男性アンサンブルの中にも声量が豊かでよく響く人が何人かいたな。
自分がこけら落とし当時の年齢だったら、目に留まった俳優・女優さんの名前をいっぺんに覚えて、次回のためにチケット取りまくったんだろな。
今は差し向けるエネルギーに限りがあるので、また舞台で拝見出来れば嬉しいくらいの気持ちかな。
でも全般的にミュージカル俳優の層が着々と厚くなっているのはいい事だよね。
今は四季と外部の壁も低くなっているみたいだし。
ところで。この作品の一幕での主役はカジモドではなくてフロローではないかと思っている自分。
久々に観た野中さんは外見は昔と変わらず若々しく、幕開け始めのシーンでもそれほど違和感なく青年時代のフロローを演じられていた。
だけど作品の要であるHell Fireはお疲れモードだったかも…。
あのナンバーは劇場内に響き渡るくらい、その場を支配するべきものだからね。
録音オーケストラにも負けていたので、一番楽しみにしていた曲だけに残念だったな。
ただこの作品に通じるテーマ、「人の崇高さはその外見・身分によるもので無く、魂そのものによって語られるべき」というものは人類にとって普遍。
冒頭のどもりも無く外見も至って普通のカジモドが、顔に背中にハンデを負わされるシーンは魂と外見が別ものということを如実に表している。
この作品の舞台は中世フランスだけど、現代日本の自分にもよく伝わって来た。
キリスト教の原罪の定義、ジプシー(ロマ族)の立ち位置などまだ学ぶ点は多いけど、政治力学を感じる『パレード』より『ノートルダムの鐘』の方が作品として構えずに受け入られたかな。
でもどちらも観に行って良かったと思うメガヒヨなのであった。
先日28日。メガヒヨはプリシラ日本版の前楽公演を観てきた。
更に盛り上がっているキャストさん達の熱演に惹かれ、二時間半楽しんできた。
楽しい気持ちの一方、これがBroadway版通りだったら更に良かったのになとも思った。
とはいえもう終わってしまったこと。
不満に思った点は演出編一幕・二幕に書いたので、ここでは気持ちを整理して箇条書きしてみるね。
・DIVA、キンタロー。さんをはじめ、キャストは良かった。
・山崎さんは決して自分とはマッチしない役をよく務めあげた。音域も違うのによく自分仕様にカスタマイズしたと感心する。
・演出に関しては、誰もが知る古典の名作ならまだしも、日本初上演の作品をいじり倒すのはひどい。
日本人はオリジナルを知るチャンスを失ってしまう。
・初上演の作品はキンキーブーツの様に演出家を招いて制作してほしい。
日本人演出家はあくまでオブザーバーとしての参加を希望。
・それでも役のイメージから大きく異なる山崎さんが主演前提、しかも一人のアダム役は山崎さんより年上という条件のなか、作品として成立させたのは評価したい。
・古屋敬多さんはじめ、さまざまな分野から才能を引っ張ってきたのも亜門さんならではと思う。
・噂に聞くオリンピック演出はぜひ頑張っていただきたい。その舞台で今回のキャストさん達を活躍させてほしい。
そして亜門さんはその仕事に専念して、翻訳ミュージカルからはしばらく手を引いていただきたい。(結局コレが言いたかった!!)
なーんて、こんな所でこぼしてたって何も変わるわけではなし。
今回痛感したのは、本物を見たけりゃBroadwayに行かなくてはいけないということ。
日本のデフレとドル高のダブルパンチで、年一回の訪米も正直かなりキツイのだけどね。
でも演出を日本人が行うと、大きくその人のフィルターがかかってしまうのは浅利さんや宮本亜門さんで実証済み。
日本から出なかったら、ずーっと日本版しか観られないのだ。
2011年に観たあの美しいBroadway版Priscillaの様な感動を再び味わいたい!!
メガヒヨはそのために、2017年も馬車馬や機関車猿のように働くのであった。
18日日曜日のマチネに3回目のプリシラを観てきたメガヒヨ。この日はちょうど中日。
役者さんのパフォーマンスは過去に2回よりさらに熱が入り、とても楽しめた。
なんか宮本亜門さんがいろいろ変えちゃったことについて言ってもしょうがないな~。エンタメはつべこべ言わず楽しんだもの勝ちだよな~とまで思い始めた。
気持ちの流れを説明すると、初日は変更点に驚き、二回目は何で日本版だけこんなに変えられたんだという怒り、三回目は役者さんに情が湧いて楽しんでしまおうという感じかな。
でもやっぱりBroadwayの演出・振付を直輸入された方がもっと楽しかったと思ったりするので、再度つらつら語るよ。
第二幕
【♪THANK GOD I'M A COUNTRY BOY】
Broadway版では二幕の幕が上がると、キャストが会場のお客さんを舞台に上げて踊らせていた。
キャストと一対一で踊った後、輪になって結構なスピードで回るものだった。
お客さんが転んでしまうことも一度や二度でなく、舞台袖では役者さんたちがハラハラ見守っていたとのこと。(主演のWill氏談)
やっぱり日本版ではそれは無くなっていた。本当、それは大正解!!
以前に我らがLittle Sisterさんが体を張って、その危険性を立証してくれたことは無駄ではなかった。
(2012年当時のはなし。大けがにならなくてよかった。)
http://blog.goo.ne.jp/megahiyo1414/e/198b8b2d6b54b4333836c0f565a28125
【♪A FINE ROMANCE】
ヤング・バーナデットを演じているのは穴沢裕介さんかな?
大きい目が陣内さんと似ているので、この役にぴったり!!
ただすごーく不満なのは、なんでメイクでなくアイマスクしてるの? せっかくの美貌がもったいない…。
Broadwayでこの役を演じた方は、アイマスクを使わずに女性仕様のメイクを施した姿で登場していた。
あの時は女優さん!?と思ったよ。
当時この役を演じたSteve Schepisさんは、始まりから終わりまで女性のメイクでアンサンブルの各役を演じていた。
Go Westではスカートだったし、アリス・スプリングでも女性従業員だった。
日本版ではそういう役の枠とかこだわってないのかな?
全幕にわたっての女装は無理にせよ、休憩時間直後のシーンなのだからアイマスクなんて使わず、穴沢さんの美しさを存分に披露させてほしかったな。
【♪SHAKE YOUR GROOVE THING】
このシーンではとにかく、古屋敬多さんが履いているスカートがぶかぶかだったのが目に焼き付いた(笑)
この衣装は長身のユナクさんと共用なのかな?
Broadway版ではスカートは巻きスカートで、Nickくんは客席にお尻をアピールしながら着ていたな。
…いや。日本の役者さんにそんなことを強要するつもりはございません。
【♪POP MUZIK】
キャストスケジュールの関係でキンタロー。さんの演技しか確認していないけど、日本版もハジケているなぁ!
でも客席に飛んでくるピンポンはわずか一つ。(いや、それもオケピに落ちてるかも)
もちろんそれでいいと思う。日本人は劇場からタダで持って帰れるものにこだわる人も多いので、取り合いになってしまうかも知れないからね。
ちなみにBroadwayではピンクのピンポンが多数放出されており、拾った人はステージドアでシンシア役の女優さんにそれにサインしてもらったりしてたな。
それと日本版ではシンシア登場でドラァグクィーン三人組はそうそうに追い出されて、舞台に残るのはアダムひとり。
Broadway版では三人とも残ってその反応ぶりが違うのが面白かった。
(こんな感じ)
【♪A FINE ROMANCE (REPRISE)】
Broadway版ではボブに別れの挨拶をするミッチが、ハグにするか、男らしく拳タッチするか迷うのが可愛かったけどあれはWill氏のアドリブだったんだね。
山崎さんでもそれが観たかった!!(あっさりお別れしてた。)
あ、アダムの「ピンポン・シャンペン」の発言もなかったかも。日本だとやっぱり過激になっちゃうのかな。
ちなみにBroadway版は退場時におしりにはさんだピンポンが落下、日本版は隠しもっていたピンポンを口に入れてごまかすといったもの。
どちらも面白いね。
【♪GIRLS JUST WANT TO HAVE FUN】
このシーン、日本でも黙々と運転するミッチが豪華な背景であることは変わらず…。
【♪HOT STUFF】
はい、ここも大幅な変更が。
Broadway版のプリシラ号は、アダムの心情を代弁するかのようにLEDライトがメラメラと妖しく光を放っている。
ぱかっと内部が開き、そこではパンツ・ブラ姿のアダムがひざ上網タイツを履いている。
DIVAたちに着替えを手伝ってもらい、女装したアダムは男たちが集まるドライブインへ…といったシーン。
日本版は既に着替え済みのアダム。まぁ失敗できないシーンだからね。
ドライブシーンの雰囲気も違ってたな。
日本のは最初から女装というのがバレていた感じ。男たちも好奇心から声を掛けているように見える。
そこでアダムがそっけない態度を取りからかって、フランクを怒らせトラブルに発展といった流れ。
Broadwayのは最初はうまく女性とだませたけど、カツラが取れて男たちの怒りを買うという展開。
逃亡シーンもこれまた違っていた。日本版はすばしっこく逃げ、身をこなし男たちの同士討ちまで誘う。
Broadway版のアダムはその屈強ぶりを発揮し、大勢を相手にエルボーだのキックだの途中まで善戦する。
どちらがいいのかは役者さんの個性に合っている方がいいと思うのだけど、メガヒヨは断然Broadway版が好き。
そうそうそれと。一番言いたいことがコレ!!
ひと騒動の後、泣き出したアダムをバーナデットが慰めるこの作品のクライマックスといっても良いシーン。
陣内さん、古屋さん、ユナクさんも演技に熱が入っているのはいいのだけど…。
舞台での二人の位置が極端に下手側なもので、上手前方に座った観客には陣内さんの背中しか見えないのだ。
初日にはF列上手30番台の席に着席したメガヒヨからは、小柄な古屋さんは陣内さんにすっぽり隠れて全く見えなかった。
宮本亜門さんはサイド席のお客さんには全く配慮しないのだろうか!?
10年以上前にInto the Woodsを観た際にも、上手下手の客席からはほとんど見えない舞台装置・演出だったな…。
休憩時間に観客が劇場係員に抗議していたのを思い出す。
この演出家氏には、作品にこめる優しさの一割でもいいから端に座ったお客さんにも向けてほしい。
ほとんどの客がフル・プライスを払っているし、大抵は一度きりの観劇、それに遠方から来ている人も少なくないのだから。
【♪MacARTHUR PARK】
このシーンも大幅に変更。
Broadway版では、屋外をボブと夜を明かしケーキに顔を突っ込んだまま朝を迎えたバーナデット。
辺りは雨が降り始めている。
起きてきたミッチがそれを見て一言。
「とうとう人生の中でこの歌をうたう瞬間がやってきたわ!!」
「雨の中に置き去りにされたケーキ
持って帰ろうとは思わない。
なぜなら焼くのには時間がかかるし、レシピを手にすることは二度とないから。
OH NO~~~!!」
というマッカーサー・パークの有名な歌詞を歌い上げる。すんごい響きのよいバリトンの声で。
このフレーズは日本でいうと「着てはもらえぬセーターを~ 寒さこらえて編んでます~♪」くらい有名なもの。
起きたバーナデットはボブにエスコートされるようにしてバスの中へ。
残されたミッチは、歌詞に出てくる緑のアイシングがかかったケーキの着ぐるみを着たダンサーと共に歌い踊る。
ちょっとナンセンスがかっているが、主役ミッチにとっては二幕に入って初めての見せ場。
それが日本版では、
ケーキではなくボブの膝枕で眠るバーナデット。
それを見たミッチは祝福の言葉を彼女に寄せ、自分も雨に濡れたケーキのような生き様には別れを告げると歌い出す。
場面はケーキの踊りではなく、ボブとバーナデットの結婚式へ…といった展開。
メガヒヨは正直コレは「語りすぎ」だと思った。
映画やBroadwayのボブとバーナデットの関係はまだ未確定といった感じで。
映画のラストシーンでの少々不安ではかなげな彼女の表情がそれを物語っている。そこが良かったわけで。
確かにマッカーサーパークの歌詞をよく知らない国の人にとっては分かりやすいのかも知れない。
だけど、良くも悪くも演出と称して作品をいじっていいのかと心に引っかかった。
【♪BOOGIE WONDERLAND】
日本版のこのシーンの振付は結構いいかも。
キレのある動きで。
さっきも言ったけど、これで女子従業員としてヤング・バーナデット役の人がいたらさらに華やかになったのにな。
【♪THE FLOOR SHOW】
あ、楽屋のガウンが省かれている。
バーナデットはお気に入りのヒョウ柄、アダムは可愛いフレア仕様とそれぞれの個性が出ていて好きだったんだけどな~。
それ以外のここの演出はBroadway版とほぼ一緒。
【♪ALWAYS ON MY MIND】
楽屋にちょこんと座るベンジーに気づくまでの、ミッチの様子が面白かった。
(ドリフのコントでの「志村、うしろ、うしろ!!」の技法。こういう日本仕様は大歓迎)
ベンジーの部屋のベッドはごく普通の仕様。Broadway版ではレゴブロックを組み合わせたようなデザインで可愛かったけど、予算もあるだろうからね。
それよりエルヴィス・プレスリーのモノマネが気になった。
低い声を頑張っていて結構なんだけど、襟を立てるとか髪の毛をくしゃくしゃにするなどもう一工夫欲しかった。
【♪LIKE A PRAYER】
Broadwayでは平らなところでのパフォーマンスだったけど、日本版はエアーズロックのセットの上にて。
足元が不安定なせいか、ダンスはほとんどなし。動きとしては四分の一くらいといったところかな。
アダムの衣装はほとんど変わらないけれど、おしり丸出しではなくショートパンツらしきものは着用していた。
うん、それでいいと思う。ここは日本だし。
【♪WE BELONG】
遅れて山頂にたどり着いたティックとバーナデット。
三人で今後にわたっての絆を確かめ合う歌。
日本版ではそこにボブとマリオンが加わる。たぶん映画版でのピクニックのシーンをイメージしてかな。
和音美桜さんほどの歌い手にほとんどソロの機会がないのは勿体ないので、ここで出番を作るのは良いのでないのかな…。
【♪FINALE】
日本版の良い点。
それはフィナーレでの写真撮影が許可されているところ。
衣装は写真の通り、オリジナルのまま。
♪Finallyの音楽に合わせて役者さんが楽しそうに踊り、こちらもノリノリで手拍子する。
しかしなんかおかしい。
あ!!みんなアイマスクしてないし、ドラァグのメイクって訳でもない。
このフィナーレは男性の役者さんはドラァグクィーンという設定だとばかり思っていたのに…。
あれらはもともと、映画版でのアリススプリングのステージ衣装だからね。
素顔で着たら、ただのオーストラリア名産品コスプレ大会じゃん。
例えばBroadwayキャストさんの写真を拝借して解説してみましょう。
メガヒヨお気に入りのカイル・ブラウンくん。
パレス劇場での出番前の一枚。
アイマスクに加えてリップも衣装に合わせてる。
まさにファビュラスなドラァグクィーン!!
一方こちらはメイシーズのパレードのリハーサルシーンの一枚。
日本版と同じくアイマスクなし。
こうなると武装解除して丸腰も同然。
素の好青年ぶりを隠せずにいる(笑)
でも考えようによっては、日本のステージに立った役者さんの素顔を見せることによってその人のアピールになるというのもあるからね。
演出には数々の驚きや戸惑いがあったけど、今回の日本版のPriscillaで多くの役者さんを知ることが出来たのでそれは大きな収穫だった。
これを書いている時点で公演はあと3回。
そのうちの1回を観に行く予定で、これが今年の観劇おさめ。
自分にとってはいいことも大変なこともあった一年で、日本版Priscillaはまさにそれを象徴するような作品だった。
四回目はどんな気分で観るのかな。
いずれにしても楽しみである。
【UP一時間後に追記】
あ~!!!大切なこと書き忘れていた!!
日本版では主役三人による「シドニーオペラハウス」が無かった。
映画版でもステージの締めを飾るあの名シーン。
例のドレスやかぶりものは着用していたので、やろうと思えば再現は可能だったはず。
なんでやらなかったんだろう。
まさか「日本人はシドニーオペラハウスなんて分からないだろう。」とか誰かさんが判断したとか!?
これについてはメガヒヨも、NYで60回近く観てキャスト三人との会食も果たしたNick姉さんも怒り心頭である。
それにしても世界各地でPriscillaが上演されてて、何で日本だけガラパゴス的な演出になっちゃったんだろう…。
出来るだけいい所を見てポジティブにと思ってたけど、やっぱり悲しくなってきた。
最後の一回を観たらまた総括的に何か書くつもりである。
さて。今回はぶっちゃけ意見満載の演出版。
あくまで個人の意見なので、異なった感想を否定する意図はないからね。
メガヒヨがBroadwayに通い出したころに色々教えて下さった方が言ってたっけ。
「ショーに不満を持ったのなら、責めるべきは演出家。役者には一切責任はない。彼らは言われたことをしているだけなのだから。」
言うまでもなく、日本版プリシラに出演されている役者さん全員は素晴らしい仕事をこなしている。
ただBroadway版を観ちゃったこのメガヒヨ。腹の底には違和感がうずまいている。
そう。責めるべきは演出家!! 良いことも悪いことも宮本亜門さんが背負うものなのだ。
あ、参考までに。
2011年に観たBroadway版の感想はコチラ→http://blog.goo.ne.jp/megahiyo1414/e/6b7a60404a8b450bcbb9afb267551a7e
このブログは「アホか!?」ってくらいにPriscilla関係の記事がいっぱいあるのでこれはあくまで氷山の一角。
右端にある検索バーでPriscillaって入れてこのブログ内で検索すると記事がこれでもかって出るので、興味ある方は読んでみてね!!
それじゃあ日本版の演出について感想を語るよ!!
第一幕
【♪THE OVERTURE】
Broadway版では、舞台の上にはでっかい口紅の模型が置かれ、幕にはその口紅で描かれたオーストラリア大陸の絵がありシドニー、アリス・スプリングの位置が示されていた。
しかし日本版にはこれらはナシ!!
緞帳にピンクのPriscillaのロゴがあるのみだった。まぁ仕方ないよね。一か月公演だし、緞帳って高いし。
そうそう。天井にはミラーボールもなかったよ。
幕が開くと、楽屋で鏡にむかうミッチが登場。フォトフレームを眺め、脇にはあのドレスがかかっている。
【♪IT'S RAINING MEN】
ディーバたちがフライングにて登場。日本の若手で最高ランクの歌姫たち。
ここで背景がシドニーの夜景で無かったのが本当に惜しい!!
あれでドラァグクィーン三人組が都会から砂漠へと旅立ったということが語られていたのに。予算が厳しくてもあれは残すべきだった。
RAINING MENの人数はBroadway版と変わりなし。衣装もだいたいのデザインは変わらないけど、黒の代わりに水色が加入。
で、アンサンブルの男性がみんな若くてかっこいい人ばかりなので、最後の人が上着を脱いだところで起こる笑いはなし。
(Broadway版では司祭役の恰幅のいい中年の役者さんが、ボンテージスタイルを披露していた。)
しょっぱなからミッチが登場したので、例の舞台上での早変わりは無し。
【♪WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT?】
実際にいわゆるニューハーフショーなどで活躍をされているドラァグクィーンの大村俊介(SHUN)さん、オナン・スペルマーメイドさんがミス・アンダースタンディング役を務めている。
たぶんこのシーンが一番Broadway版に近いのでは? 客いじりもさすがに上手い!!
【♪I SAY A LITTLE PRAYER】
ここでガッカリなお知らせです。
Broadway版ではガウン姿で電話を取ったミッチ。
そう。Will Swenson氏は舞台上で生着替えを披露していた!! 『Boy from OZ』みたいでござるな。
しかし日本版では最初っから黒い衣装でありました。お着替えはなしにそのまま葬儀のシーンに直行。残念無念(笑)
【♪DON'T LEAVE ME THIS WAY】
陣内孝則さん演じるバーナデットが登場すると会場は拍手!!
ヒョウ柄ではないものの、ゴージャスな椅子に座っての登場は同じ。
弔問客の衣装もBroadway版と同じ。というかこれは世界を回っている衣装なのかも。
プログラムの稽古写真を見たけど、かなりぶかぶかな靴を履いてこのシーンを練習する役者さんがいた。
借り物衣装だとこういうことがあるので、大変なお仕事だと思う。
トランペットの葬儀のシーンは大幅な変更があった。
メガヒヨのお気に入りのバレリーナも登場するけど、あまりキャラが立ってない。
とても有能なダンサーさんなのに、なんでKyleくんと同じ振り付けをやってもらわないの!? 勿体ない!!
バーナデットの恋敵は意外な人物でしたってところは吉本っぽいノリで面白かったけど、このシーンはやっぱりバレエが見ものなので残念だった。
あ、バーナデットはクラッチバッグを持ってなく、小道具はハンカチだけ。
葬儀でのクラッチバッグ・ビンタ発祥の地である日本でこそ、あれを披露してほしかったのにな。
【♪MATERIAL GIRL】
装置がコインからお札になっている!!
観客はミッチとバーナデットのみで、中年ゲイカップルはおらず。
ゴンドラでアダム登場→ボーイズと過激なダンスという流れは変わってなかったけど、こちらも振付は大幅に変更。
というか全編にわたって振付は日本独自のもの。(でもところどころBroadway版をパクっている。)
もう、あの面白い振付を変えてしまうなんて何考えているのだろう!?
ボーイズの一人がバーナデットに絡んだり、その反応っぷりなど、振付だけで色々語られていたのに。
以前アルゼンチンのPriscillaに衝撃を受けたけど、まさか自分が母国で同じ目に遭うとは…。
アルゼンチンのPriscillaについてはコチラ
あ。一気飲みして泣き崩れるボーイズもなかったな。あれ好きだったのに。
【♪GO WEST】
このシーンではDIVAがそのままの赤いカツラで登場。
動きやすい様、ボトムがパンツ仕様になっているのが可愛い。
プリシラ号はヘッド部分のみ登場。
初日は「まさかこのままヘッド部分だけで終わるんじゃ…」とガクガクブルブルした(笑)
【♪HOLIDAY/LIKE A VIRGIN】
バーナデットがひき殺す三種の生き物。
カンガルーとテレタビーズは出たけど、コアラの亡骸は流れてこなかった。
初日はアクシデント?と思ったけど二回目もなかったので、「ぶつかったかも!?」の会話だけで終わらせるつもりかな。
(どっかからのクレームを恐れているのかも(笑))
【♪I SAY A LITTLE PRAYER (REPRISE)】
日本のプリシラ号には残念ながら屋根がないので、このシーンにはベンジーは登場しない。
あ、あと盆に載って回る仕様にはなってないので、急停車も左右の動きと役者さんの演技力にかかっている。
まぁこれについてはさほど問題なし。
ここで登場するDIVAは歩きだけど、先ほどのパンツではなくBroadwayと同じくスカートの裾を肩にかける仕様。
このスタイルは好きなので、日本でも見られて嬉しかったな。
【♪I LOVE THE NIGHT LIFE】
大幅な変更があったのがこのシーン。
町のボス、シャーリーは日本では一変、男たちにいじめられる掃除婦として登場。
初日に観た際にはびっくりした。「シャーリー、こんなになっちゃって…」という衝撃が強かった。
二回目にはいじめの描写がすこし抑え目になってた感じがしたのは、気のせいかな。
あまりにも暴力的なのは舞台の雰囲気が変わるし、それは二幕に取っとくべきだものね。
ひどい扱いを受けるシャーリーに「お嬢さん」と呼びかけ、元気づけるバーナデット。
みんなで楽しく踊るその後の展開はBroadway版はほぼ一緒。振付以外は。
この変更。アリ?ナシ?と考えたのだけど、アリなのではないかと自分は思った。
映画にもあったこのシーンはもう20年前の価値観。
女性だということに胡坐をかき、身だしなみに気を遣わないシャーリーに対して
「アナタのズタボロバッグに入っているのはタンポンだけ。なぜならそれしか入れるものが無いからよ。」と痛恨の一撃を放つバーナデット。
今ではセクシャル・マイノリティの地位も上がり、非モテ女子より華やかなトランスジェンダーの方が脚光を浴びる時代。
20年前は強者(町のボス・シャーリー)に弱者(ドラァグクィーン)が立ち向かう構図だったけど、弱者(非モテ)・強者(美人)と立場が逆になっているものね。
ここのシーンをいじった宮本亜門さんは心根がやさしい人なのだなと思った。
【♪TRUE COLORS】
心配していたバスの落書きは英語だった。
浅利さんが演出していたらきっと日本語だったかも(笑)
バスの横に転がっている漏斗の形をしたものは何だろうと思っていたら、プリシラ号の屋根に乗っかっているとされるハイヒールのヒール部分のようだった。
何せ屋根がないもので、上にヒールが乗っかっているというのは、映画や他国の舞台を観ていないと分からないのではないだろうか。
【♪SEMPRE LIBERA】
屋根のないプリシラ号。このシーンはどうなるのかと思っていたら、ヘッド部分の上にヒールを載せる仕組みで再現。
ヒールは前にせり出さないものの、フライングで登場するDIVAも含め大幅な変更はなし。
というかこの振付、オリジナルの人のクレジット出さないとパクリになっちゃうんじゃない!?
【♪COLOUR MY WORLD】
ノドの奥で「ビミョー」とつぶやいたのがこのシーン。
バスはピンクでなく、レインボーカラー。つまりはLGBTのシンボルカラーですな。
プリシラ号は砂漠の女王なんだから、ピンクでナンボだと思うのだけど。
確かアダムのセリフでバービー人形のキャンピングカーがプリシラ号とかいうのなかったっけ?
まぁ日本は一部の国と違いノンケの男性も普通にピンクは着るし、ピンク=ゲイより虹色にしちゃったほうが手っ取り早いと思ったのかな?
ともあれ、メガヒヨはLEDでキラキラ光るピンクのバスの方が好き。
Broadwayで輝いていたあの子は今どこにいるんだろう…。
あ、他の小さい変更点としては、バーナデットはペンキブラシダンサーに最後まで突っ込みを入れていたな。
バスの色(それにダサさ)に気を取られっぱなしだったけど。
【♪I WILL SURVIVE】
キャスト編にも書いたけど、アダムの一発芸はダブルキャストそれぞれ自分の個性を発揮できて良かったんじゃないかな。
まぁNickくんのジャンピングスプリッツが世界最高だけど~♪
このシーンはさほど目につく変更点はなかった様な気が。
あ。観光客の衣装が初日と二回目と違ってた。何か問題があったのかな。
あと日本人らしきカップルに関しては、法被は着てなかったし変なお辞儀もなかった。これは世界に引き継いでほしいかも。
なんか長くなっちゃったので、二幕はまた分けて更新するね!
なんか色々な更新が中途半端なのだけど、ミュージカルPriscillaが大好きな日本人Top10くらいには入るんじゃないだろうかと自負するこのメガヒヨ。
オーストラリアでの初演から十星霜、満を持して上演された日本版について語るべきではないかと思った次第。
思えばBroadway版を観たのは忘れもしない2011年11月20日。
あまりの衝撃に、一か月後の年末にもニューヨークにとんぼ返りしてしまった。(アホ)
それから翌年6月のNick Adamsくんの誕生日を全身全霊で祝うべく、またもや訪米して通算9回の観劇を重ねた。
さらにその翌年2013年にはTony Sheldon大先生を追いかけシドニーにまで行ってしまった。
Will Swenson氏のMarder Balladもオフで観たし、NickくんのWickedを観にカリフォルニアにも行った。
もちろんアンサンブルのキャストさん出演公演も出来るだけ観るようにしている。
そんなメガヒヨが日本版を見逃すわけはなかった。
12月8日木曜日の初日には会社を休んでかけつけ、11日日曜日には会社支給の三井住友Visaカードを利用し貸し切り公演も観た。
二公演観た感想は、日本の制作者・出演者は様々な条件の下よくここまで作り上げたということに尽きる。
まずは主演の山崎育三郎さん。
映画・オーストラリア/ロンドン版は中年ゲイ、ブロードウェイ版は華やかなバリトン役者によるティック/ミッチ役を、よく自分の個性に合わせてカスタマイズしたものだと感心した。
言わずと知れた、日本の若手でもトップクラスのテナー。
明らかに音域が違うナンバーをせいいっぱい歌いこなしていた。
そしてほぼ座長的存在・バーナデット役の陣内孝則さん。
以前にイーストウィックの魔女の悪魔役で拝見した。
その際は帝劇に響きわたるような声だったけど、今回はオネエ的な発声で歌わなくてはいけない難役。
歌は厳しい条件だったけど、芝居は観るものを引き込んでいた。
間の取り方が絶妙。ちょっとした仕草で笑いや涙を誘っていた。
アダム/フェリシア役は初日では古屋敬多さん。
可愛くて小柄で、まさに日本人でアダムをキャスティングするのならこんな役者さんだろうなと思った。
声も甘えた感じ。
I wiil surviveの前のアダムの一発芸はBroadwayのNick Adamsくんはジャンピングスプリッツだったけど、古屋さんはブレイクダンス。
場内大うけだった。
貸し切り公演で観たのは韓流スターのユナクさん。
日本の大学に留学していただけあって、日本語の発音は問題がない。
彼は山崎さんより年上で背も高いのだけど、あどけない雰囲気を持っているのでそれほど違和感はなかった。
メガヒヨが観た回はマイクにトラブルがあったようで聞こえにくい間があったのだけど、声の響きがいいのかちゃんと乗り切っていた。
ちなみに彼の一発芸は古屋さんとはまた違うダンス。普段、所属グループの超新星で披露しているジャンルのものなのかな?
踊った後にはご自慢のボディを披露して、黄色い歓声を誘っていた。
そしてこのショーで重要な存在といえば歌姫・DIVA。
エリアンナさん、ジェニファーさん、ダンドイ舞莉花さんがその美声を発揮。
ビジュアル的にも魅力的なこの三人。人を選ぶあの衣装を見事に着こなしていた。
エリアンナさんは冒頭の「RAINNNG MEN」で一気に観客を魅了し、ジェニファーさんは「I WILL SURVIVE」にてよく通る声を会場に響かせ、ダンドイ舞莉花さんは「GIRLS WANT TO HAVE FUN」でキュートさを振りまいていた。
三人のハーモニーもとても綺麗で、いっそこのメンバーでユニットを組んでほしいとさえ思った。
他に印象に残ったキャストは、お笑い芸人のキンタロー。さん。
ダンスも歌も、芝居の間合いも上手い!
以前にジキルとハイドでマルシアさんを観たとき以来の衝撃。テレビで観ているタレントさんでこんなにミュージカル向きの人がいるなんて。
新しいコメディエンヌ女優の登場に立ち会えて良かった。
そうそう。谷口ゆうなさんのお怪我による降板で急きょシャーリー役に抜擢されたはるはるさんも頑張っていたな。
短い稽古期間でよくあそこまで完成できたと思う。
キンタロー。さんの後輩とあったから、この方もお笑い芸人なのかな。プログラムには名前しか載ってなくて。
あと初日でのI will surviveでははるはるさんがアルプス系観光客を演じていたのだけど、11日は普通のカジュアルな衣装を着た別の女優さんが代わりに登板していた。
プログラムで確かめてみたら、齋藤志野さんという女優さんもキャスティングされており、ところどころ谷口さんの穴を埋める形で出演されていた模様。
おそらくはるはるさんがカバーし切れない、アンサンブル場面をこの方が補っていたのではないかと。
谷口さんの降板は本当に残念だったのだけれど、この二人の女優さんの頑張りを観て、無事に開幕出来てよかったと思うのであった。
キャストさんの感想はこんな感じ。
次は演出について遠慮なく語るよ!!
放置していたブログを久々に更新。
もう、プリシラ日本版のDiva役のオーディションで忙しくってね。
※応募資格は16~45歳のプロダクション未所属の女性・経験不問(幅広っ!!)につき、いちおうメガヒヨも受けることは出来た(笑)
まぁ冗談はそこそこにして。
山崎育三郎さんがティック/ミッチ役というのは驚いたなぁ。
線が細いのでまさかWill Swensonと同じ役を演じるとは思わなかった。
それにまだ30歳になったばかりでしょう?
もちろん本番では役者魂で中年ゲイを演じてくれるとは思うけど、聞いた時には本当にびっくりした。
で、気になるのはバーナデット役とアダム/フェリシア役。
これね。メガヒヨの憶測ではありますが、アダム役はダブルキャストになる可能性が濃厚では?
アダム/フェリシア役はねー、演じるのにかなーりな勇気がいるシーンが多いからね。
(Hot Stuffとか、Hot Stuffとか、Hot Stuffなど。)
私が制作側だったら、二人の俳優に競わせるように大胆な演技を要求するね。
「ほらAはここまで出来たぞ。 Bはこんなんでいいのか!? 脱げ!脱げ!」てな感じで(笑)
具体的にどの俳優さんがいいのかってのは、アダムに関しては若い俳優さんを良く知らないので何とも言えないかも。
行ったことはないけど、巷の2.5次元ミュージカルでは多くの才能が花開いているらしいしね。
無名の人がトップに駆け上がるいいチャンスになるといいよね。
あ。山崎さんとのバランスを考えると、綺麗系のウエストエンドのOliverタイプでなく、童顔で可愛い系のブロードウェイのNickタイプを希望したいかな。
もちろん筋肉の付きの良さも考慮して♪
バーナデット役に関しては、もう無条件で下村尊則さん希望!!
あの優雅さ、華麗さ、年齢的にもぴったりだし。
何てったって、Tony先生が作り上げたあのキャラクターを再現できるのは下村さん以外に思い浮かばない。
もしこの希望がかなったら、あの豹柄の椅子に座った登場シーンをみた瞬間にメガヒヨは手がちぎれんばかりの拍手をしてしまいそう。
東宝さま、お願いします!!
他のキャストでは、ミス・アンダースタンディングには新納慎也さん、Diva(It's Raining Manソロ)には浦嶋りんこさんがいいなぁと思ったり。
でも浦嶋さんはシャーリー役での登板の可能性もありかな!?
いずれにせよ、パワフルな持ち歌でお二人の熱唱が聞きたい♪
以上、多くのキャストが未発表なので好き勝手言ったけど、お目当てとは違う方がキャスティングされてもチケットは買うよ!!
出演者・スタッフの方には頑張っていただきたいと思うのでありました。
THE FULL MONTY
2014年1月31日(初日) 東京フォーラムホールCにて
演出・翻訳・訳詞 福田雄一
【キャスト】
ジェリー 山田孝之
デイヴ 勝矢
マルコム 中村倫也
ハロルド 鈴木綜馬
イーサン ムロツヨシ
ホース ブラザートム
ジョージー 大和田美帆
パム 佐藤仁美
ジャネット 浦島りんこ
ヴィッキー 保坂知寿
【あらすじ】
ニューヨーク北部バッファローの鉄工所が閉鎖された。
失業したジェリーは離婚した妻に息子の養育費を払えず、共同親権を喪失する危機におちいる。
そこで一攫千金を狙い、親友のデイヴを誘いストリップショーに挑戦をする。
工場長のハロルドなども巻き込むが、素人達が観客女性たちを満足させるにはフル・モンティ(すっぽんぽん)を晒すしかない。
果たしてショーは成功するのか!?
(facebookより写真を拝借)
メガヒヨも観た2001年のブロードウェイ初演から13年。
来日公演も経て、やっとの日本語上演。
結論からいうと面白かった!!
キャストも日本風にアレンジした演出も素晴らしく、まさに作品がこの時を待っていたんじゃないかと思うほど。
主役の山田孝之さんはミュージカルどころか舞台も初挑戦とのこと。
ドラマでは面白いお芝居を見せる人だからどうだろうと思っていたけれど、期待以上の活躍だった。
もともと声が通るからなのか、荒削りながらもあの難しいナンバーを歌いきっていたし、Tバック姿で登場する舞台根性は見上げる位。
もしかして今後の日本の舞台を揺るがすすごい人の初舞台を観られたのではないだろうか。
保坂知寿さんと鈴木綜馬さんの元四季カップルも素晴らしかった。
二人とも抜きんでて歌と踊りが洗練している。
その浮き具合がヴィッキーとハロルドにぴったりだった。
どのキャストもはまっていたけれど、一番受けていたのはムロツヨシさんかな。
まずオーディション場面でのセリフには、観客はどっかんどっかん笑いっぱなし。
「アンタは何しに来たんだ」としびれを切らしたジェリーに対し、脱いだその瞬間には場内大悲鳴。
ブロードウェイ版より更におバカ度が上がっていたな。これはマルコムもそうだったけど。
彼らの馴れ初めの演出もブロードウェイ版から少し変わり、笑いの要素を入れて日本人に受け入れやすくさせていた。
警察に追われて逃げ込んだマルコムの部屋にはオリジナルに無かったベッドが置いてあり、そこではアドリブがかなり入っていた。
多くの変更点はあったけれど、「誰かと寄りそうのって素敵なことじゃない?」というメッセージは本家と変わらず伝わって来た。
その他の演出もアレンジしている箇所が見受けられた。
特に「間」は長く取っており、観客の口元をじわじわと緩ませる日本ならではの技法が取られていた。
でもどの歌も一切カットしていないし、作品の要素はそのままの形で観客に届けられている。
こういう日本語版なら大歓迎だと思った。
そうそう。肝心のフル・モンティだけど、俳優さんたちはちゃんと脱いでいたよ。
もちろん逆光でほとんど分からないようにしてあるけれど、前の列の人は結構見えてしまったのでは?
ついでに言うと初日ならではの調整の不具合で、俳優さんの位置によっては逆光の効果を得られない人もいた。
これは公演を重ねる毎に改善されていくだろうけどね。
(はぁ~… 初日に行って良かった!!w)
あまり書くとネタバレしてしまうのでこのへんで。
それにしてもこれは日本の今にあまりにもあてはまるミュージカル。
繰り返すけど作品がこの時を待っていたのかもね。
チケットは完売している回が多くあり、関係者でもなかなか手に入りにくいという話だけれど、当日見切れ席の販売があるとのこと。
迷っている方は是非観ることをお勧めしたい。
気が早いけど、再演も期待したいなぁ。
そしたら友達を誘って女子会のノリでキャーキャー言いながら観たいと思っている。
初日ならではの光景。
日本の芸能界のお付き合いというものが垣間見える。
写し切れないくらいの大量のお花が届けられていた。
next to normal
2013年9月22日 シアタークリエにて
演出マイケル・グライフ 日本版リステージ ローラ・ピエトロピント
【キャスト】
ダイアナ(Wキャスト) 安蘭けい
ゲイブ(Wキャスト) 辛源
ダン 岸祐二
ナタリー 村川絵梨
ヘンリー 松下洸平
ドクター・マッデン 新納慎也
【あらすじ】
アメリカのとある一家の物語。
その朝も、一見どこにでも見られる平凡な光景が繰り広げられていた。
主婦ダイアナの奇行を除いて。
ダイアナは十数年前に精神の病と診断されて以来、薬による闘病を続けている。
家族は彼女を支えるが、16歳の娘であるナタリーは負担と感じることを隠しきれない。
確固たる治療法が定まっていない状況の下、ダイアナは投薬治療に身も心も翻弄され続ける。
そんな中、彼女は薬の摂取を止めてしまう。
そこで夫ダンはダイアナを、カリスマ医師と評されるドクター・マッデンのところに連れて行く。
当初はカウンセリングや催眠療法による治療が行われていたが、回復のきざしが見えたところでそれは破綻。
ドクターは新たな手段として、電気療法を提案する。
その副作用は少々の記憶が失われるということ。
果たしてダイアナとダンの決断は…!?
next to normalについてはB'wayで観劇するチャンスはなかったものの、2009年トニー賞のパフォーマンスで大変気になっていた。
精神病患者をヒロインに据えるという、挑戦的な題材は今までに観たことがなかったもの。
音楽も心の叫びを音符に乗せたかのような激しい響き。
日本で翻訳公演がされると聞いた際には、是非行かなくてはと思った。
国内でトップの実力を誇る安蘭けいさんとシルビア・グラブさんのダブルキャストな上、脇を固める俳優さんたちも文句なしの方々。
期待は膨らむ。
当日の席は最前列上手側。
舞台装置の2段目の奥が少々見切れるものの、安蘭さんの張りのある歌声をスピーカーを通さずに聴くことが出来た。
もちろん音楽は生演奏である。
以下ネタバレ警報!!
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結論から言うと、メガヒヨにはあまり合わなかったみたい。
決して何かダメな部分があったというのでは無い。
安蘭さんを始めとするキャストの熱演は目を見張るものがあった。
ただ解釈が困難なシーンが多々あり、客席の自分はついていくのが必死な面も。
幕が下りる頃には疲れ果ててしまっていた。
もちろん部分を切り取れば、心を打つ場面もあった。
特にナタリーは可哀そう。16年間も母親からは二の次にされているのに、父親からは「お母さんを支えるんだ。」の一点張り。
だからってお薬に溺れるのはどうかと思うけれど、まぁやりきれないよね。
そんな彼女が「ノーマルな生活は求めない。あまりにも遠いから。ノーマルの隣位がいいよね。」と、思春期の少女にしては達観しすぎたセリフを口にしたときは、じーんときた。
ダイアナに関しては、ゲイブの死因を思い出したときの張り裂けんばかりの胸の痛みが安蘭さん渾身の演技で伝わって来た。
先天性の難病ならともかく、腸閉そくは早期に気がつけば死亡に至らなかったかも知れないものね。
取り返しのつかない己れの過失に囚われ、そのまま心が蝕まれている彼女。
でも第二子のナタリーのことを考えると、そこまでゲイブにこだわるのってどうなの!?と観客の自分は思ってしまう。
精神の病というのはそう単純なものではないのは分かるけどね。
それでもやっぱりしっくりこないので、ゲイブを巡るシーンではダイアナの気持ちにシンクロ出来ずに醒めた気持ちで観ていた。
劇場中の観客が涙をこぼす場面も、自分だけ気持ちがつるつると滑っているようだったな。
夫のダンについては。
この人が結局どうなのか一番の謎だった。
最後のシーンを見ていると、ゲイブを見て衝撃を受けたようにも取れるし、当初からゲイブのことは見えていたけれどあえて見ぬふりをしていて、この幻影が息子だとやっと認めたという風にも取れる。
メガヒヨの理解力不足かも知れないけれど、こういう白黒はっきりしないのは嫌だなぁ。
もう一度チケットを買って観に行けばいいだけかも知れないけれどね(^-^;
それとゲイブ。
彼については、いい加減に成仏しなさいと言いたい。
今後は父親の心の中で生きていくのだろうか。
うーん。それにしても辛源くんの母性本能くすぐり属性を見ていると、ダイアナがこの幻に取りつかれちゃったのも分かるなぁ(笑)
あとはヘンリー。
彼はいい子だね。登場のときはキモかった(笑)けど。
それにしても、マリファナはかなり問題なのでは?
next to normalというタイトルがついた理由のひとつに、人は必ずしも完璧ではないということもあったのかもね。
彼を含むノーマルとされる人々のすぐ隣は、重症の精神疾患のダイアナが位置してるということで。
誰でもあちら側にすぐ行く可能性はありますよ、ということを含んでいたり。
最後にドクター・マッデン。
ダイアナの幻覚の彼はエラいことになっていた。さすがは新納さん。
この医師は自分の職務を粛々とこなしているのだけなのだろうけど、人の精神を扱うということはやっぱり重いね。
客席から観ていて改めて感じた。
こんな感じで多々感じる面はあった。
しかし自分の気持ちは、この作品に対して一歩引いた位置にある。
その判断基準には、ストーリーの展開や登場人物の心境変化は影響しない。
実はこのメガヒヨ、分かりにくい作品、観客の解釈に委ねる手法は苦手。
劇場作品には、何がどうでどうなのか、はっきり分かりやすく表現することを求めるのである。
このnext to normalは残念ながらそれには当てはまらなかった模様。
いや、単なる自分の理解力不足かも知れないけどね。
そんな訳で、傑作とされる脚本の流れにいまいち乗り切れずにいた二時間半。
あくまでこれはメガヒヨ個人の好みの問題であって、作品の優劣には一切関わりのない話。
現にミュージカル・ファン仲間の方々は何度でもリピートしたいって言ってるものね。
あ、最後にこのことは書いておかなきゃ。東宝がやらかした失態!!
宣伝チラシのあらすじで、ゲイブがすでに亡くなっていることを盛大にネタバレしくさりおった。
さすがに抗議が押し寄せたのか、その後書きなおしたようだけどね。
観客は何も知らなかったら目の前の辛源くんや小西くんがこの世の人ではないなんて!!って衝撃を受けるわけで、そういう娯楽性を作品から理不尽にもぎ取った東宝スタッフの罪は大変重いとしか言い様がない。
こんなことは二度と起こらないよう、気を引き締めてもらいたいものである。
本当。これさえ無ければ、メガヒヨの感想も少しは違っていたかも知れないからね。
8月最後の週末、メガヒヨは横浜にザ・ニュースペーパーのライブを観に行った。
以前深夜のニュース番組でテレビ出演されていたこのコント集団。ライブを観に行きたいと思いつつ時は過ぎ、やっと叶った。
俳優8名、歌手1名で構成されるこのユニット。
あれやこれやと新鮮なネタを、コントや替え唄で披露してくれる。
ちょうどこの日は、数日前のイプシロン発射延期を冒頭のギャグに持ってきていた。
メンバーが扮するものは市井の人々から、やんごとなきご一家まで。
でも一番の見どころはやっぱり政権与党のネタでしょう。
「アベ・マリア」をテーマソングとして登場する、現首相の執務室での光景は見ていてお腹が痛くなる位に笑えた。
また、このニュースペーパーさんは被災地にも定期的に通われている。
福島の警戒区域の映像レポートで、家を流された方の言葉が心に響いた。
そうそう。原発周辺が除染されて安全なら、国会をそこに建ててみろ!と、メガヒヨは即座に頷いたよ。
(それにしても、安倍総理や菅官房長官、さらに高市政務調査会長の扮装で検問を通っていたのがすごかったな~)
次から次へと繰り出す笑いで、2時間があっという間だった。
唯一残念だったのは、ところどころ音声が聞きづらい箇所があったこと。
1000名収容の関内ホールは少々大きすぎるようにも感じた。
でも一回きりの引っ越し公演ということを考えると、これくらいはお客さんを入れないと採算が難しいのかも。
ちなみに次回の公演は10月5日(土)にルネこだいら、11月28日(木)に練馬文化センターで開催とのこと。
テレビでは絶対に放送されないネタを観ることが出来るので、是非会場に足を運ぶことをおすすめしたい。