メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY 14 《爆破未遂事件編》

2010年06月20日 | NEWYORK
A LITTLE NIGHT MUSICの舞台がはけたので、メガヒヨはホテルへ帰ろうとした。
土曜日のタイムズスクエアは大変なにぎわい。
人混みをかきわけながら、1ブロック移動するのにも時間がかかる。




車道もすごい渋滞だ。
中にはこんなピンクのリムジンも見かけた。
窓からはビキニ姿で踊りまくる南米系のお姉ちゃんがチラっと見えた。
きっと羽振りのいい成金さんが奥にいるのね。

やっとホテル近くまで来て、青になった信号を渡ろうとしたときのこと。
黒いワンボックスカーが横断歩道に無理やり突っ込んできて、メガヒヨは轢かれそうになった。

濃ゆい顔をした運転手は英語ではない言葉でどなってくる。
うわ~。あっちが悪いのに逆ギレしてる。
でも轢かれないでよかったなぁ。

そんなこんなでホテルに戻り、ひと風呂あびてTVを観ながらだらだらしていた深夜。
ニュース番組にチャンネルを合わせると、ホテルのすぐ近くと思われる場所が映し出された。
「こはなんぞ?」とよく見てみると、何やら「黒い粉とプロパンガスを積んだ車」と書かれているではないか。
しかもこれって生中継っぽい。
…もしかして爆発物が仕掛けられているの??

メガヒヨよりかは英語が理解できる妹がリスニングしてみたところ、その車は黒いワンボックスカーとのこと。
えっ!?さっきメガヒヨを轢きかけた悪い車と同じじゃん!!

…以降、メガヒヨの妄想劇場のスイッチが入ってしまった。

あの運転手はかなりの悪人面だったのでヤツがおそらく犯人であろう。
どうしよう。メガヒヨってば目撃者だよ。
うわ~。不審者を見ましたって警察に言った方がいいのかな?
でもちゃんと英語で話せるかなぁ。

もしかしてこの目撃証言で犯人逮捕を大きく左右するかもしれないのだから、ちゃんとしなきゃね。
連続犯行を食い止める意味でも、大切なことだと思うし。

でもでも、自分の証言がきっかけで本当に事件が解決しちゃったらどうしよう。
裁判で証人として出廷しなきゃいけないかな?
会社、休めるかなぁ。

それにそれに、恨みに思った残党に狙われる可能性だってもちろんある。
日本まで追いかけてきて、命の危険にさらされるかも知れない。
そんなの嫌だなぁ。




…この事件に関するニュースをお読みになった方ならご存知だけど、爆発物が発見されたのは夕方の18:30であった。
車で轢きかけた運転手というのはもちろん犯人でもなんでもなく、ただのガラの悪いおっさんだった。
そんなことも分からないまま、メガヒヨは取り越し苦労という名の妄想に取り憑かれて一晩中もんもんとしていた。
ま、いつの間にか寝てたけど(笑)

ちなみに同じ日に同じホテルに宿泊していたうつぼさんは、事態を正確に掴んでいらした。
階下で慌てふためいていたメガヒヨシスターズとは段違いである。

そしてそして。リスニング能力が大変「残念」なメガヒヨはなんと帰国して日本語のニュースを読むまで、自分が犯人目撃者だと信じ込んでいた。
怖くて警察に行けなかった後ろめたさを抱えながら…。


…なんて、本当シャレにもなってないよね。
車から立ち上る煙を、近くの露天商の方が通報してくれなければ大惨事になっていた訳なのだから。
その爆発物がどれくらいの規模かはよく分からないけれど、下手をしたら巻き添えになっていたかも知れない。
事件解決に尽力した本当の目撃者の方と警察関係者に感謝するばかりである。

それと今回のことでメガヒヨは、海外旅行保険をカード付帯のだけではなく大目に掛けることにした。
アメリカで大けがして入院なんてことになったら、とてもとても100万円じゃ足りないものね。
以前にも増して危機管理はちゃんとしなきゃいけないなぁと、事件を通して痛感したのであった。

メガヒヨ in NY 13 《A LITTLE NIGHT MUSIC編》

2010年06月06日 | NEWYORK
土曜ソワレはチケット代が高いのと、キャスト変更の可能性が低い分、話題作を観ることにしている。
メガヒヨがこの枠に選んだのはSTEPHEN SONDHEIMの『A LITTLE NIGHT MUSIC』。

映画『CHICAGO』のヴェルマ役でオスカーを勝ち取ったCATHERINE ZETA-JONESが主役を張り、その母親役で芸歴60年以上を誇るANGELA LANSBURYが出演している。
この作品は名作の誉れ高い割に、B'wayでの上演は初演以来30数年振り。
大変貴重な機会である。

そんな訳なのでチケット取りにも気合が入る。
いつもミュージカル関連でお世話になっているクワストさんからアドバイスをいただき、取れた席はなんと3列目ど真ん中!!
ありがたや…と劇場内に足を踏み入れた。

案内係さんにプレイビルをいただき、はたと開く。
その瞬間、足がすくんだ。
何とひらひらと4枚もの代役案内の紙が、そこから落ちたのである。



有名人見たさで来た観光客メガネヒヨコにこの仕打ち、どうしてくれよう…。
はっきり言って今日はCZJの顔と、現役中のLANSBURY先生を観に来たようなものなのに…。

と一瞬、上記のことが頭をよぎったが、本日の休演はマルコム伯爵とフリッド、他アンサンブルの方々のものであった。
公演目玉キャストの二人はそろってご出演だった。
ああ、良かった。



【あらすじ】
弁護士のフレドリックは18歳の幼な妻アンと結婚して11か月になるのに、いまだに夫婦関係を結べないでいる。
一方、彼の先妻との息子19歳のヘンデリックはアンのことを女性として意識しているようだ。
若い思いのたけをメイドのペトラにぶつけている。

フレドリックは昔の恋人で女優のデジレを忘れられずにおり、寝言で彼女の名前をつぶやく始末。
その心をアンに悟られ、悲しませてしまう。
そんな若い妻のすきを見てフレドリックはデジレと密会…
して…

なんかひどい話だよねー。書いててメガヒヨは嫌になってきた。
というかこんな話でいいんだよね…??
英語分からないから自信ないや。

頑張って話について行こうとはしたんだけど、フレドリックの寝言のシーン
「むにゃむにゃ…デジレ…ぶちゅ~」
ってあたりでさーっと作品から気持ちが引いちゃった感じ。

まぁ話についていけないことなんて良くあるので、メガヒヨは作品のパーツ買いみたいな感じで舞台を楽しむこととした。

まず、CZJの美貌を堪能した。
まつ毛なんてバサバサで、目ヂカラがすごかった。
前評判で厳しい話を聞いていたので、演技や歌の面では期待していなかったのだけど、
それなりに楽しむことが出来た。

LANSBURY先生は80歳を過ぎていらっしゃるので、どうだろうかと正直心配していた。
しかし実際に拝見すると、歌もセリフも現役をそのまま続行されていた。
舞台に上がった姿を見せるだけの日本の「大物女優」とはケタ違いだ。



ストーリーは二幕に渡り、落ち着くべき場所への長い遠回りを登場人物が歌いながら駆け抜ける。

終盤、ヘンデリックとアンが駆け落ちする姿をフレデリックがよろよろと追う所では場内爆笑。
あんたにはデジレがいるでしょうに

最初っからこうすれば良かったじゃん…と思うと実もフタも無いわけだけど、全て丸く収まりハッピーエンド。
みんなの行く末を見届けたアームフェルド夫人がぽっくり逝って幕となった。

色々歯に衣着せずに書いてしまった訳なのだけど、細かいところとかが分かっていたら作品への印象もまた違うかも知れない。
曲のひとつひとつは繊細に作られていて白夜の光景そのままで、本当に綺麗だったからね。
日本語上演があったら観てみたいなぁ。

でも日本でやるとしたら、ほぼ100%宮本亜門さんの演出になるしねぇ。
亜門フィルターがかかると全く別の作品になっちゃうから、それもどうかなぁ。
デジレをどの女優さんが演じるかでもだいぶ違うしね。
メガヒヨは安蘭けいさんがいいなぁと思うのだけど、なかなか理想通りにはいかないものだからね。

もしくは映画版(字幕付き)のDVD化がされればいいなぁと思っている。