メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY2014 その3《Kinky Boots編》

2014年12月30日 | NEWYORK

NY滞在も三日目。この日は水曜日。
どの作品か悩みに悩んで決めたのが、2013年Tony作品賞を受賞した『Kinky Boots』。
Priscillaファン仲間のアメリカやドイツの方々にとっても勧められたもので。


最近は人気が落ち着いてきたけれど、メガヒヨの観た2014年6月はTonyから一年経っていても良い席はなかなか取りにくかった。
定価で買える一番いい席がこんな感じ。


決して前方とは言えないけれど、舞台全体が見渡せる席。


原作は、2005年に公開された実話をもととするイギリス映画。
ソウルシンガーのBilly Porterを主役の一人ローラ役とした当て書きでミュージカル化された。

<あらすじ>
急死した父の靴製造工場を継いだチャーリー。
しかし経営状況は思わしくなく、従業員をレイオフせざるを得ない状況。
ひょんなことでドラッグクィーンのローラと知り合い、女装男子用のブーツを製造するというスキマ産業に参入することを思いつく。
しかし頑張って作ったブーツはデザインに難ありで、ローラからは強烈なダメ出しを食らう。
それならと、彼女をデザイナーとして迎えて本気で『Kinky(倒錯) Boots』の製作に打ち込み、ミラノの靴見本市を目指すのであった。

この作品の何が見ものかって、主役のBilly PorterさんのBefore/Afterな外見でありましょう。
女装前と後のギャップがすごいのったら何の。メイクの力を思い知らされる感じ。

ドラッグクィーン好きはローラのバックで歌って踊る6人組、エンジェルにも注目かな。
長身の人を中心に揃えているから見栄えするよ。
だけど『Priscilla』出演のSteve Schepisの美貌を観てしまったメガヒヨはあまり萌えなかった。
6人が束になってもSteveくん一人に全く敵わないからねぇ。

あ、そうそう。Cyndi Lauper姐さんの楽曲の脳内再生リピート率がすごかったな。
下のビデオの♪The Sex is in the Heel、♪Everybody Say Yeah、♪What a Woman Wantsなんてしばらくの間頭の中で繰り返し響いていたよ
さすが百戦錬磨のポップソングライター、ここぞというツボを押さえた曲作りをなさる。

KINKY BOOTS (Broadway) - "The Sex is in the Heel" [LIVE @ The View]

この作品もいずれ日本で翻訳上演されるかも知れないね。
メガヒヨは同じドラッグクィーンものなら『Priscilla』の方がはるかに好きなのだけれど、『Kinky Boots』の場合はモノづくりが大きくテーマに関わってくるし、日本の制作会社が好みそう。Cyndi Lauper姐さんも日本で人気があるものね。
もし実現するとしたら、ローラ役は新納慎也さんがいいなぁ。そしたら観に行っちゃう。


この回にはメガヒヨのNickくんfan仲間である、ドイツ人のLちゃんも観に来ていた。
二人で出待ちしてお互い写真を撮りっこする。
Billy Porterさんはとても感じが良かった。業界の人たちが気にかけているのも分かる気がする。
この後Billyさんは一人で外にお出かけだったけど、オーラの消し方がハンパなかった(笑)
世界的なシンガーのはずなのに、フツーのお兄ちゃんとして街に溶け込んでいったよ。


この後にメガヒヨはLちゃんに誘われてNickくんFanclubの皆さんとゴハンを食べに行った。
そこには『Muscles & Mascara』に登場されたカナダ人のMさんもいらしており、大変国際色豊かな集まりとなった。

それにしても、短大受験の次に人生において英語力を必要とした日だったなぁ(笑)
皆さんは紳士淑女だったので、メガヒヨにもわかりやすく会話を振ってくれる等親切にしてくれた。


メガヒヨもなんとか皆さんとコミュニケーションを取ろうと考えていた。
話のタネにと、お土産としてNickくんの切り絵を持っていったのだけど、それが大好評!!
英語のハードルは高けれど、まさに「芸は身を助く」なのであった。


「ティム・バートンの世界」展にいってきた

2014年12月14日 | 国外・舶来エンタメ

12月某日、メガヒヨは会社を休んで森アーツセンターギャラリ(六本木ヒルズ)で開催中のティム・バートン展に行ってきた。

絵画、キャラクターのフィギュアなど見どころは満載。
目玉作品のひとつがブルーガール。
場内は撮影禁止につき、画像はポスターにて。


『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヒロイン、サリーにそっくりな彼女。
監督の作品の中でも代表的なモチーフであるつぎはぎに覆われている。
オーディオガイドによればこれは修復と再生の象徴らしい。例え傷を負っても縫合すれば治すことが出来るという、監督の楽観的な考えによるとのこと。
一見おどろおどろしい印象のつぎはぎだけれど、そう言われるととてもいいものに見えてきた。

他に印象に残ったのは、監督が出先の飲食店のナプキンに描いた作品の数々。
一つ一つは小さけれど、その数に圧倒された。
監督はとにかく描くことが大好きとのことで、いつでもどこでも手が勝手に動いてしまうらしい。
中にはこぼした飲み物を拭いたシミを利用して描いたような作品も。

他にはメガヒヨの大好きな映画、「チャーリーとチョコレート工場」に登場するウンパルンパの等身大フィギュア、監督が高校生時代に描いた絵本(出版ならず)の原稿、ディズニー時代のブラックなワークが印象に残った。
というか、あの作風でよく当時のディズニーに入社出来たなぁ(笑) 本人も才能を発揮できずに飼い殺し状態で辛かったみたいだけど。

数々の展示作品が並んでいたけれど、色んな意味で最大のインパクトを与えてくれたのはこの映像作品。
「ティム・バートンのヘンゼルとグレーテル」

1982年に当時25歳だったティム・バートンの初監督作品。
ディズニーによる制作で子供向きだったはずの作品が、深夜にたった一度のみ放送されて30年以上お蔵入りになっていた。
ヘンゼルとグレーテルなのになぜか出演者は全員アジア系。お菓子の家は極彩色ですごくまずそう。
つっこみどころ満載のC級映画で、黒歴史という言葉が頭をよぎる。
観ていた他のお客さんたちも口あんぐりで、どう反応したらよいか迷ってたみたい。

でも小道具、背景などは既に独特の世界観が出来上がっている。特に魔女の鼻のデザインなどは、今ならヘレナ・ボナム=カーターさんがつけて演技するにのぴったり合いそう。

幸いファンの方が映像をyoutubeにupしてくれている。著作権を持っているのがディズニーなのに削除されていないなんて珍しい!!
ついては興味のある方は事前にこちらで観てから、会場で作品コンテなどを観るのがいいと思う。

Tim Burton's "Hansel and Gretel" (1982)

もちろんこちらの作品は会場でも観られるけれど、上映時間35分もある上に待ち時間もかなりのもの。
特に視聴スペースは椅子も撤去された状態。メガヒヨが観に行った際には観客は立ちか体育座りせざるを得なく、大変疲れてしまった。
あまりにも疲労困憊で、他の作品のことが飛んで行ってしまったくらい(笑)
(主催者さん、宣伝広報としてお笑い芸人を雇う予算があるのならもっと見やすいシアターを設営してくれい。)

そんな訳で破壊力満載の処女作に圧倒された感はあったけれど、ティム・バートン監督の世界にじっくり浸れたので良かった。
次の映画が大変楽しみである。

<おまけの話>
まずそうなお菓子の家を見てしまったメガヒヨ。
口直しとして、麻布十番の浪花家さんでタイ焼きを買って帰った。
ここのタイ焼きはパリパリしていて美味しいね。ちょっとティム監督のキャラに顔が似てるけど(笑)