メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY2014 その6《Cinderella編》

2015年07月20日 | NEWYORK

※この作品は2014年6月に観たものです。現在は上演が終了しています。
(更新がはんぱなく滞っており、誠にかたじけない…。)

Broadwayも実質最終日である木曜日。
ここ数年は、木曜の昼にも数は少ないけれど公演がある。
どうせなら観たことのない演目をってことで、Rodgers & HammersteinのCinderellaを観に行くことにした。
当時のマダム役はFran Drescherさん。「ザ・ナニー」で有名なこの方が事実上の主役扱いだった。
劇場のグッズもFranさんのものが多かったし。

シンデレラ、もといElla役はPaige Faureさん。
この方は有名スターのつなぎで期間限定での出演だったようだけど、歌声もダンスも素晴らしかった。
若い頃のJulie Andrewsをほうふつとさせる雰囲気で。
こんな魅力的な人がオリジナル・キャストでは無いだなんて、Broadwayの役者層の厚さを改めて感じた。


ロビーにあった、ガラスというかシースルーの靴。
そりゃあガラスの靴なんて痛くて履けたものじゃないからね。


前日に割引クーポンを持参して購入出来たのがこちらの席。
結構いい場所。
余程のハイシーズン、もしくは人気作で無い限りBroadwayのチケットは前の日に買うのが良さそう。


舞台に緞帳は無く、森の光景が広がっている。
この作品は両親を亡くしたシンデレラが継母と義理の姉たちにいじめられて…という基本的な筋はディズニーのアニメとは変わらない。だけど二時間ものの舞台用にかなり話が付け加えられている。

まず、アニメや先日の実写版には登場しない社会活動家のジャン・ミッシェルという人物が重要な役を担っている。演じるのはTodd Buonopaneさん。
彼はStepanie Gibsonさん演じるシンデレラの上の義姉ガブリエルと恋仲なのだけど、継母から付き合いを反対されている。
シンデレラが彼らにこっそり協力することで、ガブリエルは彼女に対して優しい態度を取る様になる。

下の義姉シャーロットの本役はAnn Haradaさん。メガヒヨは『Seussical』や『Avenue Q』を観ていて彼女のファン。再見するのをとても楽しみにしていたのだけど、この回は残念ながらお休みだった。
代役にはLaura Irionさん。この方もなかなか小憎らしいキャラを演じてくれた。

仙女役の女優さん、やたら保存状態の良い歌声だな~とインターミッションの時にキャスト表を見て納得。あのVictoria Clark様だった。以前Sister Actではメガヒヨが観た日の直前に修道院長役を降板されちゃってたから、今回拝めて嬉しかったな。

王子役もこれまた代役で、Sam Lipさん。悪くはないのだけど、数日前にNickくん観ちゃってるから霞んで見えてしまった。
というか、メガヒヨは王子と名がつく役者を見てはNickくんと比較してしまう習性がついちゃってるからな~。
先日のInto the Woodsやシンデレラの映画を見ても、何でNickくんじゃないんだろうと考えちゃったりして。
(ミザリー症状も末期だってば)

シンデレラ作品は数多けれど、この作品のラストはシンデレラとマダムは和解をするパターンだった。
「Madame, I'll forgive you.」というセリフはこのミュージカルと先日の映画と共通しているのだけど、だいぶニュアンスが違った。
映画では「忘れたい。関わり合いたくない。恨み続ける価値もない。」という決別の意味合いが込められていたけど、ここでは完全に和解。
王子が「シンデレラ? なんて美しい名前なんだ。」と言えば、「そうざましょ。アタクシがつけましたのよ~。」とのたまうマダムの厚顔ぶり。思わず、「いいのか?」と突っ込みたくなったり。

ただこの作品に求められているのは娯楽と考えるとあまり殺伐としているのも何だから、こういうのもアリなのかと思った。
人生について考えさせられる作品なんて他にいくつもあるのだから、この舞台に関しては大らかな気持ちで夢を見るのもいいかも。

衣装も綺麗だったし、歌舞伎にヒントを得たと思われる早変わりに会場はどっと沸いていた。
魔法がかかる描写だけでなく、解けていく様子もスピード感満載で目が釘付けになってしまった。
仕掛けだけでなく、お伴のキツネやタヌキ役などのアンサンブルのレベルが高かったのも作品に大きく貢献していたと思う。

ちなみに…メガヒヨが観に行った時期のアメリカでは学校が夏休みに入っており、劇場中小学生くらいの女の子たちで溢れていた。
それはそれでいいのだけど、後ろに座ったお嬢ちゃんは落着きがなく、しょっちゅう座席を蹴りまくっていた。
夏休み期間のマチネのリスクといっちゃそうなんだけどね
マチネに子供向き作品はちょっと考えた方がいいな~と思うのであった。