メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY 2011秋その2-2 《THE BOOK OF MORMONあらすじ第一幕編》

2011年12月03日 | NEWYORK

さて。これからはあらすじを解説。
メガヒヨは辞書と格闘しながら脚本まで読み込んだから、この作品に関しては気合が入ってるよ!!
入りすぎちゃって、かなり語りすぎ。
これってメガヒヨみたいに現地でセリフの聞き取りが難しい人向けだな~。
もちろんネタバレもあるから気をつけてね。
(といいつつも合ってるかどうか不安。間違えていたら教えてね(笑))

The Book of Mormon: The Complete Book and Lyrics of the Broadway Musical
 
Newmarket Press

第一幕

劇場の緞帳は宇宙に広がる惑星の模様。新興宗教的な雰囲気に満たされている。

幕が上がり、プロローグではモルモン教の由来が解説される。
時は西暦326年。
「GOLDEN PLATE」に導かれるまま、アメリカ大陸のニューヨークとなる場所にたどりついたユダヤ人ニーファイ族のモルモンは、そこでイエス・キリストと出会う。
キリストからは一族の終焉が告知され、モルモンの息子モロナイは丘の上にその「GOLDEN PLATE」を埋めることとなる。
それから時は流れ19世紀。
ジョセフ・スミスによって掘り起こされたそれは、かつてないほどの急成長を遂げる宗教の誕生のきっかけとなるのであった。
全世界中に宣教師を送り出している、あの宗教に。

そして現在。
ソルトレイクシティのモルモン教研修センターでは、間もなく世界中に宣教師として2年間派遣される若者の最終訓練が取り行われていた。
布教のための訪問シミュレーションである。
みんな笑顔で礼儀正しく名を名乗り、「この本は人生を変えます。」と自信をもって歌いあげる。【♪HELLO】
特にその中でもエルダー・プライスは優等生だ。
もちろん劣等生もいる訳で、彼の名はエルダー・カニングハム。
「こんちは! 宗教変えてみませんか? ボクはジーザスが書いた無料の本を持ってます!」
…即、天の声によりダメだしが入る。

さて。エルダー達が不安に思いつつも心待ちにしている、派遣先の発表の時となった。
次々とペアの組合せ、行き先の国が告げられ、彼らは喜びと期待をこめて歌う。【♪TWO BY TWO】
中には派遣先の国に悪魔が取りついていると、勇みすぎている面々もいる。
我らがプライスはそわそわと落ち着かない。
彼はどこに行くのも神のご意思と建前しつつも、本心はアメリカ国内のオーランドに行きたがっているのだ。
しかしながら告げられた行き先はアフリカのウガンダ。しかも相方になったのはあのカニングハムだった。

出発の日、空港で彼ら二人はそれぞれの家族に見送られていた。
カニングハムの両親はかなり過保護な様子。心配そうに息子に助言する。
「プライス君は立派なモルモン教徒だから、お前はちゃんと付いて行きなさい。そして…自分のささいな問題を忘れるな。」
プライスは敏感にその「ささいな問題」の部分を聞き逃さなかった。何かと質問する。
「それは…うちのアーノルドは活発的な想像力を持っているんだ。」
「ボク、いっぱい嘘をつくってこと!!」
不安をのぞかすプライスと、「親友」が出来たと喜ぶカニングハム。
プライスの父親が雇ったライオンキング風の扮装をした役者に門出を祝われ、機上の人となった。

二人きりとなった彼ら。
「キミはスター・ウォーズ派? それともスター・トレック派?」とはしゃぐカニングハムを尻目に、プライスは新天地での使命感に燃えていた。
「世界をキミとボクで変えてみせる。偉業をなして、全人類を変えてみせる。(だけどほとんどボクが。)」
【♪YOU AND ME (BUT MOSTLY ME)】

ウガンダに到着するも、そこはライオンキングの世界とはかけ離れた貧しい街並み。
しかもいきなり怖い人たちに銃をつきつけられ、彼らは荷物を取りあげられてしまう。
そこに遅れてやって来た世話役のマファラ。
警察に行きたいと訴える二人に、車で二日かかるぞと告げ、こう語る。
「ここは北ウガンダ。どうしようもなく悪いことが起こっても、天を仰ぎこういうしかない。ハーサ ディーガ イーボワイ」
たちまち現地住民が集まり、充分な食べ物がないこと、住民の80%がエイズに罹っているなど自分たちの不幸をぶちまける大合唱となる。【♪HASA DIGA EEBOWAI】
カニングハムは調子よくその歌の輪に加わる。プライスは恐る恐るその言葉の意味をマファラに聞く。
「んっとな…EEBOWAIの意味は神様。そしてHASA DIGAはF××K YOU。」
「何だって!?」
プライスは即、カニングハムを阻止にかかる(笑)

そしてその後。二人はマファラの娘・ナバルンギに案内されて、モルモン教支部についた。
カニングハムは彼女の名前をどうしても正しく覚えられないようだ。

支部では先輩ミッショナリーが待ち構えていた。
歓迎される二人。
リーダーのマッキンリーによると、ここウガンダで3か月間布教活動をしてみたけれど、まだ一人も洗礼に至ってないとの話。
なるほど、壁にはゼロの数字が並んでいる。

ウガンダでの布教の厳しい現状と、空気を読めないカニングハムにドン引きするプライス。
「少し混乱しちゃって…」

「混乱」という言葉に反応する先輩たち。
マッキンリー達は「混乱しているのなら、電気のスイッチを押すみたいに頭の中を切り替えちゃいなよ。」とアドバイスをする。
それぞれ自分たちの抱えている問題を例に挙げて、この方法で解決出来たと自負する。
中にはモルモン教で禁止されている同性愛の傾向をもつ人物も!
【♪TURN IT OFF】

消灯時間の10時が近づいたので、二人は寝室に案内される。
マッキンリーは優等生プライスの噂を聞いていたので、ここの状況を好転させてくれると期待の言葉を掛ける。
しかし、洗礼者ゼロというショックから脱しきれないプライス。
一方、カニングハムは楽観的。
「既に大勢の洗礼者を出していたら、今更ボクとキミで結果を出しても大したことにならないじゃん。
これから大勢のアフリカ人を教会に連れてこようよ。」
【♪I AM HERE FOR YOU】

翌朝、村ではナバルンギがはしゃいでいた。
市場で古いタイプライターを見つけて、これで友達にメールが出来ると喜んでいるのだ。
父親のマファラは娘が「将軍」につかまるのを危惧し、二度と市場に行ってはいけないとたしなめる。

モルモン・ミッショナリーの二人は布教の打ち合わせ。
プライスが売り込み、カニングハムはサクラに徹するという段取りだ。

アフリカの人々は既にキリスト教の布教はされているとのこと。
だけど彼らはあんなものは全く役に立たないと訴える。
そこでプライスはキリスト教とモルモン教の違いを説明する。
「聖書には旧・新約二冊あるけれど、実は三冊目があるのを知ってますか?」。
ノリのいい音楽でモルモン教の成り立ちを歌い、通販番組のサクラのごとくカニングハムが合いの手を入れる。
バックにはイメージ映像として、19世紀の人々も登場する。」【♪ALL-AMERICAN PROPHET】
以下、歌の内容。(このシーンが第二幕での伏線となる。重要!!)

神の啓示を受けた純アメリカ産預言者ジョセフ・スミス。
示されるがままにニューヨークの丘の上を掘ると、三冊目の聖書である「GOLDEN PLATE」を発見した。
その場に現れた純アメリカ産天使・モロナイ。
彼は「頼まれてもそれを人に見せてはならない。紙に書き写したので十分だから。」と告げる。

早速、プレートの内容を紙に写したジョセフ・スミス。
三冊目の聖書として出版し、街の人々に配りまくった。
人々は、全て彼のでっち上げと決めつけ「嘘つき」とののしる。
そんな逆境でもジョセフは至って強気。
「私はいつでも神と対話出来る。西にある"約束された土地"に行けとお告げがあった。付いてくるのは自由だぞ。」
「約束された土地!?」
「楽園だ! 果実と平原が果てしなく広がる未開の地!」
人々は彼についていくことに決めた。

約束された土地に向かう一行。
道中人々は「GOLDEN PLATE」を見たがったが、ジョセフは決して見せなかった。
そんな内に怒りの群衆に彼は射撃されてしまう。
心半ばながら、友人ブリカム・ヤングに後を託して息を引き取る。

ジョセフ亡き後も一行は西へと進み、ついにユタ州のソルトレイク・シティにたどり着いた。
そこにモルモン教の一団は定住し、世代を重ね巨大集団として成立する。
その末にエルダー・プライスは誕生。
かつての開拓者たちのことを語るのがボクの仕事と締めくくる。

歌の終わりにはイメージ映像の19世紀の人々が飛び出し、プライスを讃えあげる。
「純アメリカ産預言者って聞いたことある?」
「ケビン・プライス!」
「次に神の声を伝えるのは?」
「ボクの親友!」
「彼は偉業をなす、ジョセフ・スミスの再来! 彼こそ純アメリカ産預言者!」
「今入信するとステーキナイフセットを差し上げます!!」

盛り上がるモルモン・ミッショナリーの二人とイメージ映像の人々。
しかしアフリカの人々はしらけ気味。
プライスは悪ノリしすぎたカニングハムを責める。
カニングハムは「つまらなかったから」と、実はモルモン書を読んでいないことを白状する。
呆気にとられるプライス。

そこに「将軍」の一団が闖入する。
悲鳴をあげるウガンダの人々。
「将軍」は女性割礼(ク××××を切り落とすこと)推進者で、人々から大変恐れられている。
ちなみに彼の名は「GENERAL BUTT FU×KING NAKED」という。とてもじゃないけど和訳できない

騒ぎの中、「将軍」は歯向かったアフリカ男性をいともたやすく銃殺する。
銃弾は顔を直撃し、被害者の血液・脳の破片がプライスに降りかかってしまう。
蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人々。

自宅に逃げ戻ったマファラ・ナバルンギ父娘。
自分の住む世界を悲観するナバルンギに対して、マファラはここで生きていくしか道はないと諭す。
彼女はこの悲惨さに対して、モルモン・ミッショナリーの二人が救いの答えをくれるのではないかと考えるようになる。
かつて母親がおとぎ話として語っていた楽園の正体が、実はソルトレイク・シティなのではないかと。
そこは滝が流れ落ち、ユニコーンが飛び、街中に赤十字が建ち並び食料配給してくれる場所…。【♪SAL TLAY KA SITI】

一方、モルモン教支部では先輩ミッショナリーが慌てふためいていた。
幹部から進捗状況のレポートを提出を迫られていたのだ。
とはいえいまだに洗礼件数はゼロ。
ごまかしの数字を出しちゃえば?という意見も出たが、全員が大反対。
モルモン教徒は一切嘘をつけない。
一人のミッショナリーは「子供の頃に嘘をついたら地獄行きの夢をみた。」と訴える。
別の一人も「ちょっとした事故でプレイボーイ誌を読んでしまったら、自分も同じく地獄行きの夢をみた。」と同意する。
彼らは罪の意識というものが極端に深い模様。

そこに血まみれのシャツで支部に戻ったプライスと、カニングハム。
プライスは相当なショックを受けており、もうウガンダから出て行きたがっていた。
支部から飛び出した彼。
カニングハムはプライスを追おうとしたが、先輩から夜9時以降の外出は規則第23条により禁止されていると忠告される。
しかし規則第72条ではパートナーを一人にしておいてはいけないともされている。
規則第23条と第72条の間で揺れまくる。
「すみません! 彼はボクは親友なんです!!」
規則第72条を優先し、カニングハムは外に駆けだした。

バス停でプライスに追いついたカニングハム。
異動を希望するのなら自分も、と申し出る。
しかしプライスは単身での異動を希望していた。「キミとボクじゃ上手くやっていけそうもないし…」
「そうだね。ボクたち二、三日前に親友になったばかりだし。」
「親友なんかじゃないよ! 研修センターで組まされただけだよ。」

カニングハムは大変深く傷ついた様子。
空気が読めない彼も、今度ばかりは現状をよく把握したようだ。
プライスの方は言い過ぎたと思いつつも、「大丈夫だから」と繰り返すカニングハムに別れを告げる。

プライスが去った後、カニングハムの前に現れたのはナバルンギだった。
彼女はプライスにもう一度布教のチャンスを上げようとしていたのだ。
彼はもう異動したと告げるカニングハムに、ナバルンギはこう提案する。
「それじゃあアナタは?」

半ば強引に布教の約束を取り付けられたカニングハム。
ひたすら自分に問いかける。【♪MAN UP】
「イエス・キリストは死に面したときにどうした?
逃亡しようとしたか? 泣き崩れようとしたか?
いや。時が来たとき、彼は男を上げたんだ。」
「今こそボクが男を上げる時。
ヒーローになってモンスターを倒す時!
闇との戦いで「父さんなんかじゃない!」と叫ぶ時!!」
なぜかこの場面ではSF映画の某有名悪役が特別出演(笑)

舞台の一方では、ナバルンギが人を集めていた。
「ソル トレイ カ シティは希望の楽園よ。
もしそこに行きたれば、あの白人の男の子達にに付いていきましょう。」
「あの白人デブの話を聞いてみるか。だけどハーサ ディーガ イーボワイ!」

またもう一方ではプライスが神への不満を訴え、オーランド行きをひたすら祈願していた。
「神様、何でこんなに悪いことばかり起こすんです?」
「ボクのことをおかしな奴なんて思ってないですよね!?」
「きっと明らかにミスっちゃっただけですよね?」
「神様がボクを必要としている場所に行きます。それはきっとオーランド!!!」

各々が思いを叫ぶ中、将軍の一団も不気味に顔を出して第一幕は締められるのであった。

第二幕に続く!



4 コメント

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わくわくする~ (うつぼ)
2011-12-04 12:52:26
これを予習していけば、私はものすごくこの作品を楽しめますね!
それにしても脚本まで買ったとは、さすがメガネヒヨコさん。

モルモン教、、というとアメリカから布教にやってきて芸能人になったオジサンたちを思い浮かべますが、
続きが楽しみです!
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面白いですよ~♪ (メガネヒヨコ)
2011-12-04 18:16:03
私は脚本を買ってすでに結末まで知っている状態だったのですが、それでも大笑いしちゃいました。
腹筋が鍛えられるミュージカルです。

あ、この解説ではMAGGOTについて書いてないです。
この単語は重要な場面で4回出てきますので、要注意です!
(試験みたいですね~(笑))
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Unknown (mai)
2022-04-08 11:12:30
今日ブロードウェイで見てきました!予習に記事を読ませて頂きました。
メガヒヨさんのポストがなかったらさっぱり話が分からなかったはずですが、なんとかついていきながら、雰囲気で笑えたりしたのでw、大大大感謝です!ありがとうございます(^○^)
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Unknown (megahiyo1414)
2022-08-22 23:43:28
mai様
コメントに気が付かなくてすみません!
お役に立てて嬉しいです😊
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