一カ月前に、『WAR HORSE』を観に来たリンカーン・センター。
今回の目的はNew York City Balletの『George Balanchine's The Nutscracker』。
N.Y.の冬の名物詩ということで、一度観て見たかった。
ちなみにメガヒヨは二年前、レニングラード・バレエ版の来日公演を観ている。
Metroporitan Oprea Houseにはクリスマスツリー。
当日は12月29日。日本ではツリーは既に撤去されている頃なのだけれど、ニューヨークではまだまだクリスマスムードが残っている。
吹き抜けからホワイエを見下ろす。
メガヒヨの席は3rdRing、つまり3階席。3列目、ほぼ中央。
こちらの劇場は、オーケストラと1stRingがトッププライス150ドル。
2ndRingと3rdRingが110ドル。
他にも4thRingの席があるよ。
本当なら2ndRingの席を取りたかったけれど、チケットを取ったのが遅くそれはもう完売していた。
【あらすじ】
クリスマス・イブの夜。
少女マリーの家ではクリスマス・パーティーが行われていた。
そこに彼女の名付け親である、ドロッセルマイヤー技師がやって来た。
彼はいくつかの仕掛け人形を披露した後、マリーにくるみ割人形をプレゼントする。
しかしそれは弟のフリッツによって壊されてしまった。
マリーは人形を大事に介抱し、夜になってもリビングで添い寝をする。
夜が更けたころに起きたマリー。彼女の目にうつったのは、大きくなっていくクリスマス・ツリーだった。
しかしそれはツリーが大きくなったのではなく、マリーが人形ほどの大きさに小さくなってしまったということ。
そこをネズミの軍団が襲いかかる。
それに応戦したのは、フリッツのおもちゃの兵隊を率いるくるみ割り人形。
苦戦が続くが、マリーがスリッパをネズミの王様に投げつけたのが決め手になって、人形側は勝利する。
その時、くるみ割人形は王子様の姿に変身。
マリーに戦利品の王冠をプレゼントし、雪が舞う美しい森へと誘う。
くるみの船に乗り、到着したのはお菓子の国だった。
金平糖の精の歓迎を受け、ネズミとの戦いの勝利を祝う宴が開催される。
楽しい時間を過ごしたあと、マリーと王子は空飛ぶ橇で帰って行くのであった。
あらすじを書いてみたけれど、第二幕なんてたった三行で終わっちゃったよ
でも正直、見ごたえがあったのは第二幕の方。
金平糖の精(Teresa Reichlen)の踊り、花のワルツの朝露の精(Lauren King)、コーヒーの精(Megan LeCrone)の踊りは、さすが!と思った。
第一幕はお子様の出番が多すぎるかな。
子供といっても、本当に子供。マリーなんてまだ小学校低学年くらいだと思う。
最初は「可愛い~」と思うけれど、だんだん「これって有料発表会?」てな感じでもの足りなくなってきて。
やっぱり一万円くらい払って劇場に足を運ぶ訳だから、すごいジャンプとか回転や、完璧に息のあった群舞などを観たいものね。
それを考えると、大人のキャストのみのレニングラードの来日公演の方に軍配が上がるかな。
いやそれだけじゃないな。
コール・ド・バレエもあちらの方が鉄壁だったし。
あとドロッセルマイヤーが持ってくる仕掛け人形も、レニングラードの方が格段に"物体"らしく見えた。
まぁ振付にもよるから、ダンサーさんの力量だけの問題ではないと思うけれど。
NYCB版のくるみ割り人形の振付はGeorge Balanchineによるもの。
アメリカにおける"バレエの父"といわれる存在。NYCBの創設者でもあるよ。
でもマリー役くらいの子供の視点に立つと、このNYCB版の方が人気を得るかも知れない。
自分より少々お兄ちゃんくらいの年齢のプリンス。
観客である自分ももしかしてその舞台に立てるかも!と思うくらいの振付。
そして豪華なセットに、是非着てみたい子役の衣装。
自分にもし娘か姪でもいたら、この舞台は是非見せたいな。
メガヒヨ自身はもう二度目はいいかな~と思うけど(笑)。
次のくるみ割り人形は、日本国内のバレエ団で観てみるとするか。
以下、画像はNYCBとNY TIMESのサイトからそれぞれ拝借。
ネズミとの戦い。
くるみ割り人形役のJeremy Wongくんはこんなかぶりものをして踊りまくる。
さきほどは子役中心のシーンを「有料発表会」なんて称したけれど、彼は別格。
12歳くらいなのに、堂々と大人と渡り合っている。
これは怖いっっ!!
原作通り、七つの頭をもつネズミの王様を再現(笑)
ここまで忠実にやらずとも
このネズミとの戦争に勝った王子(くるみ割り人形)は、ネズミの王様から奪い取った王冠をマリーちゃんに進呈するのであった。
(本当に嬉しいか? そんなのもらって(笑))
一幕ラストの雪の精のダンス。
舞台はかなり雪を降らしていた。幻想的なシーン。
名シーン「花のワルツ」は、男女ペアを組むレニングラード版とは違い、女性ダンサーのみ。
ソロの朝露の精とコール・ド・バレエの花の精が、舞台を華やかに彩る。
ラストはお菓子の国の人たちに見送られて、宙づりの橇で帰っていく。
こういう演出って子供は喜ぶんだろうな。
NYCBのサイトから、あらすじと各シーンの写真が絵本形式で見られるよ。
様々なバージョンのくるみ割り人形と見比べてみるのも楽しいかも!!