木曜日ソワレ、この観劇旅行のラストを飾るのはディズニーの最新作、「THE LITTLE MERMAID」。
元ネタのアニメを、友人とリアルタイムで観に行ったのを思い出す。
アンデルセンの童話とストーリーが違ったけれど、
綺麗な音楽にあふれたこの作品をとっても気に入ったっけ。
B'way版のチケットが発売されると同時に、すぐに定価で購入した。
250ドルのプレミアム席もあったけど、その分払うのなら妹のチケットも買ってあげようと思って
110ドルのオーケストラ席にしておいた。
位置は微妙で、センターだけどO列。
LUNT-FONTANNE劇場はこじんまりとしているので、観づらくはないのだけど、
自分の後ろとサイドに、ほとんど人がいない事にびっくりした。
前にいる人達はまさか、みんなプレミアムチケットを買ったの??
恨めしそうにE列あたりの家族連れを眺める。
おそらくだけど、全員がプレミアムチケットを購入した訳ではなく、
公演直前のプレミアム席放出かと思われる。
今後は余程の話題作でもない限り、発売直後に定価で買わないことを、固く心に誓うのであった。
劇場の席に座り、妹と二人、開幕を待つ。
メガヒヨシスターズの前には、現地サラリーマン風の40代位の男性3人組が座っていた。
男性のみのグループで観に来る方々を、日本のミュージカルの劇場では滅多に見る事は無い。
しかもディズニー作品!!
B'wayは、ファンの層も厚いなぁと感心した。
場内が暗転して、オーヴァチュアの後に開幕。
エリック王子の航海のシーンから始まる。
この王子が高貴な雰囲気で、絵に描いたようなディズニープリンス!!
演じるのはSEAN PALMER。
その後一転、海の宮殿のシーンになる。
NORM LEWISのトリトン王も期待を裏切らない、威厳ある王様!!
アニメのイメージそのままで、たくましい体つき。
元ジャベール役者なだけあって、歌も心地いいバリトン。
映画ではSAMUEL E. WRIGHTが演じていたカニのセバスチャン。
舞台では、タイプが違う役者のTITUSS BURGESSが演じる。
なんかコロコロしてて、とっても似顔絵を描きやすい顔立ちの役者さん。
声のキーがかなり高い。
「UNDER THE SEA」は、映画と舞台のどちらも甲乙つけがたいかも!!
開幕から、かなーりじらしてアリエルちゃんの登場。
冒頭でもちょこっと歌があったけど、ファンの子供は待ち切れないと思う。
このSIERRA BOGGESSは、かなり「姫バロメーター」の数値が高い女優さん。
なんというか、守ってあげたくなるオーラが満ち満ちているのである。
体も細いし、声も可愛い。老若男女問わず、保護本能を刺激されるタイプだと思う。
第二幕で、歌が歌えない代わりに必死で踊ろうとするシーンなどは、
メガヒヨは女官のカルロッタに感情移入しちゃった。あの通りに庇ってあげたくなるよね。
そんなSIERRAは、プレイビルの写真を見ると、割りと普通のお嬢さん。
舞台で化けるタイプなのね。余計ファンになりそう!!
アリエルの登場の後はカモメのスカットルの歌。
この歌が必要以上に長い(笑)
早くアースラ様を出せというに。
満を持して、SHERIE RENE SCOTT様演じるアースラ様の登場。
この方がこの作品に出ると聞いたときには、アリエル役かと思っていた。
そんな今迄のキュートなイメージを覆して、この度は悪役の海の魔女に成り切っていた。
でも思ったより出番が少なくて、勿体無かったかも。
アニメみたいに、エリック王子をたぶらかして欲しかった。
もちろん舞台だと、メイクや衣装の切り替えが大変そうだけどね。
そして観劇当日に気が付いたのだけど、シェフ・ルイ役であの名優、
JOHN TREACY EGANが出ている!!
数年前、メガヒヨはこの方のプロデューサーズの代役マックス役にほれ込んでしまった。
その時のロジャー役は、この本役であるEGANの、さらに代役のジミーちゃんだったので、
まさしく『大当たり!! 奇跡の玉突き代役キャスティング』だった。
しかし事前にCDのリーフレットを見ていたにも関わらず、シェフ・ルイが彼とは気づかなかった。
アニメキャラに似せる為にここまでやるかっという位の特殊メイク振りだったからね。
「LES POISSONS」でのノドの鳴らしっぷりは最高だった。
さてさて。役者さんについては惜しみなく誉めちぎり。
問題は演出!!
こんなに実力のある役者さんを使っているのにも関わらず、
舞台全体の印象は、残念ながら「テーマパークのアトラクション並」に感じた。
演出で感心したのは、アリエルのしっぽのみ!!
あとはディズニーランドの昼のパレードみたいな装置(しかもあからさまな使いまわし)、
無駄に長く2回もあるカモメ軍団の歌、
全体的なパッとしない振り付けなど、B'wayの舞台のレベルまで至ってないものが目についた。
大体、「KISS THE GIRL」のシーンで、カエルのパペットを持って歌っているだけの役者は何なのだ。
演出家には、体を張ってカエルを演じさせろと言いたい!!
正直、これでは定価のチケットが高く感じてしまったかも。
最高の役者さん達には申し訳ないけど。
この劇場の前作はあの豪華な「BEAUTY AND BEAST」だったのだから、
制作側にはもうちょっと頑張って欲しかった。
ところで、この作品は小さい女の子がメイン・ターゲットということで、
お土産コーナーも商品が充実していた。
MARY POPPINSでも見かけたチャーム・ブレスレット。
ここでも買おうかなと思ったら、50ドルもした。
子供のおもちゃには高すぎるかも…。
あと、アリエルがアースラの所を訪れたときに持っていた貝殻の形のバッグ。
アニメではそんなものは持っていなかったので、もしかして商品化のためにわざわざ持ったの?と、
舞台小道具まで忍び寄るディズニーの商魂を疑ってしまった。