何かと慌ただしかった本年。
特に秋は忙しかったので、ブログの更新もままならなかった。
書きかけのまま保留してあった、映画や舞台のレビューがいくつかある。
せめて舞台のものだけでもUPしたい。
てなわけで今更だけど、10月の観劇記をごらんいただきたい。
劇団四季『アイーダ』
10月25日四季劇場「海」にて
言わずとしれた名作オペラが、エルトン・ジョンの音楽によって
まったく新しいミュージカルとして生まれ変わったこの作品。
古代エジプトを舞台として、二人の王女と若き将軍の三角関係が繰り広げられる。
オペラとは異なり、女性同士の友情も描かれている。
【キャスト】
アイーダ 濱田めぐみ
ラダメス 金田俊秀
アムネリス 五東由衣
メレブ 中島徹
ゾーザー 飯野おさみ
9月は安蘭けいさん主演の『アイーダ』を観たけれど、今回は劇団四季の『アイーダ』。
ブロードウェイで2000年に初演された作品の翻訳上演である。
メガヒヨは2000年のオリジナル・ブロードウェイキャスト版も、大阪での日本初上演版も観ている。
BWではアイーダ役のヘザー・ヘドレーさんの歌を聴いてダーダー泣きし、楽屋口で出待ちしてサインと握手をしていただいたっけ。
大阪では日本語なのでストーリーの細かい部分を改めて知り、これまた感動したものだった。
そんな大好きな作品。
やっと東京初演ということで張り切ってチケットを取った。
めでたく最前列が取れたので、わくわくしながら幕が開くのを待った。
本日のアイーダ役は日本オリジナルキャストの濱田めぐみさん。
メガヒヨが四季の会に入っているのは、はっきり言ってこの方だけのため。
数々のブロードウェイミュージカルの日本代理店として、本場のクオリティを出来る限りキープして披露して下さる。
四季のあの母音法で発音しながら、あれだけの感情表現や歌唱力を保っていることには本当に敬服する限り。
まぁ「ローブのダンス」のラストにおいてオリジナル版の音から下げている箇所はあるけれど、それについてしつこく言うのは野暮というもの。
あれを日本人が連日やったらノドが破壊されるって
濱田さんは歌もいいけど、立ち姿、ふるまいも良かった。
戦士によって連行されるところは、侍女役の女優さんとは全く違う雰囲気を出しているし、剣のさばき方は本当にお見事!
アイーダは何度でもこの方で観たいと思った。
ラダメス役は初めて拝見する金田俊秀さん。
顔立ちが整っていて背も高い。
冒頭の「勝利めざして」も声量豊かに歌い上げる。
「これは当たりキャスト

」と思った瞬間、セリフでの声を聞いて席からズリ落ちかけた。
「日本語が母国語でない方なのね…

」
歌だと訛りに気がつかないけれど、セリフだとどうしても分かってしまう。
しかも母音法での発声だと、ちょっとした発音の違いが露骨に表れる。
もちろんそんなにひどいものでは無かったけど、一瞬芝居に水を差されちゃったかな?
出来ればセリフはしゃべらずに、ずっと歌い続けていただきたかった。
アムネリスには五東由衣さん。
メガヒヨはこの女優さんも好き。
以前『李香蘭』を観にいって、主役より愛蓮役のこの方のほうがはるかに歌が上手かったことを思い出す。
でも正直、この役にはベテランすぎるかなぁ。
ブロードウェイのオリジナル・キャストのシェリー・レネ・スコットさんのイメージが鮮烈なんだけど、アムネリスは妹属性が強く求められてると思う。
甘えっ子でわがままでプライドが高くて、でもどこか素直なところがあるこのキャラクター。
ラストには「あのお嬢ちゃんがよくぞここまで成長して…」と、観客を感慨にひたらせる役割を担っている。
五東さんは声も可愛いしスタイルもキープしているのだけど、アムネリスを演じるには落ち着きすぎているかも。
キャストの当たり外れが激しい四季において、彼女に当たったのはラッキーなんだけど、どうせなら他の作品で観たかったな。
色々語ってしまったけど、作品的には日本発のアイーダよりこちらの方が好み。
やっぱり音楽と演出が洗練されているからね。
そんなお気に入り作品でも、主役のアイーダ女優で出来は左右されてしまうのが実情。
実は1月にもこの作品を観に行く予定なので、それまで濱田さんが続投していることを心から願い続けている。
ところでトップの写真はブロードウェイ版のプログラムとCD。
ヘザー・ヘドレーさんを筆頭とするオリジナル・ブロードウェイキャスト版の歌声は感涙モノ。
もう一枚のCDはミュージカル開幕一年前に発売されたコンセプト・アルバム。
スティングやティナ・ターナー、ジャネット・ジャクソンなどの大物の名前が連なっている。
歌われているのはミュージカル・ナンバーをアレンジしたもの。
ロック、バラードなどバラエティ豊かで聴いてて本当に楽しい。
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