貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

芭蕉を変えた師匠達 ①荘子

2021-02-25 16:58:50 | 日記

芭蕉を変えた師匠達 ①荘子

令和3年2月25日(木)

閃々(ひらひら)と 

 挙(あぐ)るあふぎや 

     くものみね

  本間主(しゆ)馬(め)という役者の舞台を

観に行った途中に、高い雲の峰を見た

という意。

 さて、彼の家に入って、

演能を観ていると、扇が上になって、

舞が行われると扇の先に白い峰が

見えたような見事な演じ方であった。

 太夫の芸を絶賛している句。

 元禄七年の句で、 『笈日記』に、

「本間氏主馬が亭にまねかれしに

太夫が家名を称して吟草二句」

と前書きして、この句と併記する。

 本間氏主馬とは、大津の能太夫。

 俳号は丹野。

 太夫が手に扇を高くかざして舞う。

ひらひらと高く翻るその扇は、

舞台の軒端に聳える雲の峰に達する

ほど、高く高く上ってゆくように見える。

 太夫の芸を称えて、同時の扇の如く、

雲の上まで家名を挙げよと祝った。

 そして、二句め。

いなづまや 

  かほのところが 

       薄の穂


つづく。