芭蕉を変えた師匠達 ①荘子
令和3年2月7日(日)
更に、芭蕉が荘子から影響を受けた
俳句。
蓑虫の
音を聞きに来よ
艸の庵
「芭蕉庵に一人住まいし、
秋風に右に左に揺れながら
じっと黙っている。
一度我が庵に来てみると、
荘子の云う自得自足の様子が
よく見える。
全く無能で馬鹿な蓑虫だが、
その微かな鳴き声を聴こうとして
待っているのも一興である。」
これが、芭蕉が友人に送った手紙
の内容。
これに応じて、二人の友人が訪れる。
市中に住む友人は、荘子の独特の
思想を理解できず、退屈して、
早々に退出するという。
蓑虫は荘子のいう「無用の用」。
有用な樹木は切られてしまうが、
無用な樹木は誰もそれらを切って
細工しようとしないので、
無事に残って大木に育つという。
荘子の有名な説話「山木篇」に
出てくる無用の大木である。
即座に 屋久島の縄文杉が浮上。
17年前に体感した屋久島の縄文杉は、
形が悪く伐採されず、残った物。
後世になって、屋久島観光の
目玉になっている。
さて、伊賀の芭蕉庵は、
蓑虫庵として残っていることを
強調して・・・・・・・・。
つづく。