令和3年12月6日(月)
松島の名文前半、師匠の今風訳。
「これこそ、昔から言い古されたことだが、
松島は日本一の景勝地で、
唐の洞庭湖や西湖に引けを取らない。
東南の入り江は三里あり、
これまた、浙江なみの景勝である。
あらゆる島の景色を集めたように、
天を指さし、並みに腹ばいしている。
二重に重なり、三重に畳まれ、
左に分かれ、右に連なる。
負んぶに抱っこで、
子や孫のようにもつれ合っている。
松の緑は濃く、
枝葉は風の間にたわめられて
自然のままなのに、
手の込んだ細工のようだ。
その出来栄え見事で、
美女のように惚れ惚れ見とれてしまう。
神代の昔、山の神の奇跡に
出合ったかのようだ。