芭蕉を変えた師匠たち ①
令和3年2月4日(木)
世にゝほへ
梅花(ばいくわ)一枝(いっし)も
みそさゞい
梅とともに世に匂ってほしい。
梅花一枝に巣を作る鷦鷯(みそさざい)
のような、一枝軒主人の徳の高さよ、
の意。
貞享二年作。
荘子は、
「鷦鷯は小さな鳥、深い林に巣を作るが、
一枝で十分な場所取りができる。」
と言っている。
この鳥の行為は、村の名医玄随子が
知足按分のこ湯地でつつましやかな
生活をしていたのと酷似している。
荘子のような生活をと芭蕉。
「芭蕉庵の閑居にいても、旅に出ても、
富貴を厭い、欧文の閑居に俳句の
優れた世界を見いだす芭蕉を
知れば知るほど、その独特の世界を
持つ魂の広さと深さを感嘆する。」
と我が師(?)加賀乙彦さんは絶賛する。
更に、芭蕉が荘子から影響を受けた
俳句。
蓑虫の
音を聞きに来よ
艸の庵
つづく。