雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

分からないからやって。

2011-07-25 20:01:10 | works
明日の幹部会で幹部に説明する資料を、月曜日のワタクシにしては珍しいぐらい真剣に作っておりました。この時期ぐらいは真面目にやっておかないと罰が当たりそうな気もするので、超過勤務はしないものの、1日中数字のチェックと資料作成に追われておりました。ワタクシの前の席に4月から初めてこういう仕事をすることになった先輩女性が座っているのですが、資料を作っている形跡が全くない。その先輩の数字を合わせた総括表も作らなければならないので、恐る恐る「数字は固まりましたか?」と聞いてみました。そしたら「担当の人が全部やってくれるっていうから、私は何も分からないの」とニコニコとおっしゃるのです。はぁぁ?と思いましたが、ご本人には全く悪びれた様子はなく、何というか、こちらが必死で資料を作っているのが馬鹿らしく思えてくるような笑顔でした。

本社の担当も彼女を通すと話が分からなくなるからと、最近は、直接、各部署の担当者と話をしているのは知っていましたが、予算要求資料を作らない計理屋なんて、うちの業界では聞いたことがありません。日常、仕事に対して不真面目極まりない態度のワタクシですら、予算・決算時期だけは老体にムチ打ってでも何とか頑張るのです。分からなければ各部署に聞きに行ったり、自分で昔の資料を調べて何とかしようと思うわけです。好むと好まざるとにかかわらず、この仕事をしている以上は当たり前だと思ってきました。それが、分からないから各部署の担当が全部やってくれて、それを半ば当たり前だと思っている人が目の前にいるのです。極力表情を消して、信じられんという素振りを見せないように努めましたが、それがまかり通るんだと思って、何だか心がとても荒んでしまいました。

ワタクシの席には、今日もひっきりなしに問い合わせや資料の差し替えなどで、各部署の担当の方々が来ては結構な時間話し込んでいるのです。「分からないからやって」といえば、皆さまは全部やってくれるのでしょうか。自分は一体何をしてるんだろうと思いながら、何とか明日の資料を作って帰ってきました。彼女のようにおっとりとしてニコニコ笑っていれば、嵐がよけて通っていくのかもしれないと思うと、鬼のような形相で眉間にしわを寄せてPCを睨んでいる自分が、本当に悲しくなった1日でした。