井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

上ホロから富良野岳へ!

2012-06-16 19:55:28 | 十勝岳山系の山
 6月11日から12日の2日間を使って十勝岳山系の上ホロカメットク山から富良野岳を歩いてきました。

 この計画は、東大雪にある石狩岳から音更岳を歩くのとどちらにしようか大分迷いました。
最終的には明るい日差しの中の稜線歩きがしたいので上ホロから富良野岳を歩くことにしました。
富良野岳の山頂を踏むのは数十年ぶりのことです。
そして、この稜線を歩くのは初めてなのです。

 6月11日は昼から札幌を発ち、ノンビリと下道を走り十勝岳温泉の駐車場には16時過ぎに着きました。
駐車場には数台の車しか止まっていません。
テントを張る場所を探すと駐車場の一番奥にまだ大きな雪の塊があり、その溶けた水が駐車場全体を流れています。
一番端の方が濡れていないのでそこへ駐車してとなりにテントを張ります。
   
   これで今日の作業は終了です。

 あとは食事をして寝るだけです。
時間を余してしまうのでたまにはお酒でも飲もうかと思い、カン酎ハイを買ってきました。
これを飲んだのが大きな間違いでした。

 この駐車場は標高が高いので寒いです。
お酒で体を温めようと思いさっそく飲んで寝袋に入っていました。
身体がポカポカしていい気持ちになったのは良かったのですが、ドンドン呼吸が苦しくなります。
心臓の鼓動がものすごく早くなってきました。
最後は脂汗が体から吹き出し拭っても拭っても汗が出てきます。

 どうやら、たまに飲んだお酒でしたので急性アルコール中毒になったようです。
これには参りました。
カン酎ハイ350mlを1個飲んだくらいでこの有様です。
明日はどうなるのだろうと暗い気持ちでいましたが、1時間ほどするとやっと呼吸が落ち着いてきました。

 まあ、明日のことは明日考えることにして、取り敢えず一晩過ごしてからと目を瞑って寝ていました。


 6月12日(火)

 余りよく寝られなかったのですが、薄明るくなると鳥の声がしてきます。
この鳥の声を聞きたくてテントで寝ているようなものです。
取り敢えず朝食を食べますが、食欲はあります。
昨夜飲んだカン酎ハイもそれほどの量ではないので大丈夫でしょう。
テントの入り口から顔を出して外を見ますが霧のようです。

 4:50分、テントも畳んで準備ができたのでいよいよ出発です。
   
    登山口の様子です。霧(雲の中?)で登山道が霞んでいます。

 少し歩くと空が晴れてきます。
上空を見ると薄い雲のようですので晴れるかもしれません。

 登山道の横にある岩の上にピョンピョンと動くものがいます。
よく見るとシマリスでした。
   
    直ぐ横の岩の上で止まったのであわてて写真を撮りました。

 安政の火口に近づいてくるとドンドン雲が切れてきます。
   
    化け物岩でしょうか?

 晴れてきたのですっかりやる気が出てきました。
渡渉点を越えて尾根を回り込むと富良野岳が見えました。
   
    しばらく振りに見た富良野岳です。

 昨年、神戸のみいちゃんとこのコースを歩いた時には雲の中で富良野岳の姿を見ることができませんでした。
何十年振りに見た富良野岳です。

 上ホロと富良野岳の分岐に着きましたが、分岐はまだ雪の中でした。
   

 ここからしばらくの間、沢を埋める雪の上を歩きます。
   

 そして、いよいよ階段地獄の始まりです。
   
    一体、何段あるのでしょうか? 
延々と続くような気がしてきます。
でも、階段が終わると稜線は間近です。
   
    ドンドンと雲が流れて歩いてきた谷がすっかり見えるようになりました。
目の下は安政火口です。
白い煙が立ち上っています。

 ここまで来ると上富良野岳はもうすぐです。
   
    標識のある場所が上富良野岳です。
その右手の黒い岩が上ホロです。
そして一番奥に見える雲をまとった三角形の山が十勝岳です。

   
    この辺りにはキバナシャクナゲが咲いていました。
そして、ツガザクラも濃いピンクの花を付けだしています。
   

 6:25分、上富良野岳に到着です。
   
    十勝岳に掛かっていた雲も晴れました。

 ここから、上ホロを往復します。15分で上ホロの山頂です。
そこから戻って三峰山を目指します。
正面に見えるはずの富良野岳はまた雲に隠れてしまいました。

 上空は雲が晴れましたので強い日差しが当たります。
しかし、下は雲海です。
風が少し涼しいのでウインドブレーカーを着て歩きます。

 7:20分、三峰山に到着です。
   

 ここから見た十勝岳は圧巻でした。
一面の雲海に浮かんでいるのです。
まさに秀峰としての存在感は十分です。
   

 涼しい風が吹くと身体が冷えてきますので少し休んだだけでドンドン歩きます。
40分ほどで富良野岳山頂下の分岐点に着きます。
ここは、稜線歩きのコースと安政火口から三峰山の山腹をトラバースしてくるコースが合流する地点です。

 さあ、ここから富良野岳山頂を目指して急な階段を登ります。
辺り一面、いろいろな花が目を楽しませてくれます。
   
    エゾノハクサンイチゲです。
   
    エゾコザクラでしょうか。
    
    山頂斜面に咲くエゾノハクサンイチゲの大群落です。

 8:25分、富良野岳の山頂に到着です。
   

 何十年振りかの山頂です。
今日はここまで歩いてきて誰にも会っていません。
ここから見る一面の雲海も私しか見ているものがいません。
何という贅沢でしょうか。

 今日は本当に気持ちのいい稜線歩きが出来ました。
花の山富良野岳といわれていますが、すでにその片鱗を見せつつあります。
ありがとう、富良野岳!