井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

初めてのペケレベツ岳!

2014-02-08 13:37:44 | 日高山系の山
 今シーズンは、今まで行ったことのない山にも挑戦したいと思っていました。
そこで選んだのが日勝峠付近にあるペケレベツ岳(1,532m)です。

 「ペケレベツ」とは、アイヌ語で「明るい川」とか「水の清い川」というような意味のようです。
このアイヌ語が清水町と名付けられた由来となっているようです。
ネットの情報では、この山の東尾根が緩みのない斜面が続き最高のパウダーが楽しめるとありました。
これは行ってみないとわかりませんが、ワクワクさせられる情報です。


 そんなことで、2月5日(水曜日)に行ってきました。

 この日は、この冬一番の寒気団がスッポリト北海道を包んでいます。
札幌でもマイナス10度を超えるなど痛いくらいの寒さなのです。
高速道路でトマムを通った時にはマイナス18度を指していました。

 札幌から高速を飛ばして2時間ちょいで日勝峠の十勝川3合目に到着です。
ここには、駐車スペースがあり、しっかり除雪されていました。
   
   10台は駐車できるほどの広さがあります。

 天気は上々ですが、半端ない寒さで指がかじかんできます。
歩くたびにギュ!ギュ!と足音が鳴ります。

 8:50分、準備ができたので出発です。
   
 まずは、林道の跡を歩きます。
歩き出すとすぐに橋があり、その橋を渡ったところから右手に進み、正面に見えるペケレベツ岳を目指します。

 辺りは雪が少なく笹が顔を出しています。
でも、スキーで歩くには支障がありません。
林を抜けると一気に眺望が開けます。
   
    これから登るペケレベツ岳が目の前で待っています。

 正面に見える山頂から2本の沢に挟まれているのが東尾根です。
上部から半分は快適な斜面のようです。

 この笹原をどんどん上部に向かって歩きます。
左手に深い沢が見えてきます。
どうやら二股に到着したようです。
ここまで40分、順調に進んでいます。

 この沢を渡らなけでばなりません。
できるだけ上の方で渡ろうと考え沢を見ながら登ります。
ちょうどいい場所を見つけたのでスノーブリッジを渡り東尾根に取り付きます。

 さあ、ここからはドンドン登るだけです。
Sz氏が途中でラッセルを交代してドンドン登っていきます。
私のスピードでは追いつくことができません。

 松林の中を登っていくと岳樺が顔を出してきます。
この辺りから斜面の傾斜が一層きつくなります。
右隣の尾根が真っ白になってきます。
高度が上がっている証拠です。

 やっと、Sz氏に追いつきました。
ここから最後の部分を私がラッセルします。
山頂直下の尾根は傾斜が急なので右手に進路を取ります。
この辺りはクラストした雪の上にうっすらと積もった新雪がありエッジを利かせなければスキーが横に滑ってしまいます。
だましだましの登行が続きます。

 いったん、小さな尾根を回り込んでからジグを切るとやっと稜線に到着です。
一気に視界が開けます。
すぐ横には沙流岳が真っ白な三角形の山頂を見せてくれます。
トマムのスキー場も見えています。

 後続の2人を待ち、スキーをデポして山頂へ向かいます。

10:50分、登りだしてちょうど3時間で山頂に到着です。
   
    左がOn氏、右がSz氏です。

   
    南側に続く日高の主稜線です。
    遠くに芽室岳が見えています。

   
    左手の真っ白い山が沙流岳です。

   
    日勝ピークや熊見山の向こうにトマムスキー場が見えています。

   
    そして登ってきた東尾根の向こうは十勝平野が広がっています。

 さあ、スキーをデポした場所に戻って滑降の準備をします。

 ここからは、楽しい時間のはずでしたが、1本目を慎重に滑り終えたところで呼吸が苦しくなりました。
まるで、酸欠になった金魚みたいに呼吸が苦しいのです。
山に来ていてこんなことは初めてです。
どうやら軽い貧血のようです。

 寒さのため血管が収縮しているところで滑降したため筋肉に血液を取られ脳に回る血液が少なくなったのでしょうか?
腰をかがめて深呼吸をしていると少し楽になりました。

 幸いなことにこんな状態ですが、何とか滑り終えることができました。
    

 駐車場へ戻って時計を見るとちょうど4時間が経過していました。
登り3時間、下り1時間で最高のスキーが楽しめました。

 ペケレベツ岳の東尾根、緩むことのない傾斜が続くいい斜面を持った山でした。
ぜひ、一度行ってみてください。