井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

ヌビナイ右股を遡上しソエマツ岳からピリカヌプリの稜線を歩く・その3

2012-10-02 21:43:55 | 日高山系の山
 9月14日(金)

 昨夜は、念願のソエマツ岳からピリカヌプリの稜線歩きを終えた満足感でグッスリ寝られました。昨夜と同じ寝袋の中から星空を眺めながらの一夜でした。

 朝4時頃にSz氏が起きます。
今日は下山するだけですので起床時間は5時でいいかと話していたのですが、目が覚めたようです。
「コーヒーでも湧かすかな?」と言ってくれたのですが、私とOn氏が「もうすぐ明るくなるからそれからにしたら」と言って寝袋の中で惰眠をむさぼります。

 5時近くなると空が明るくなってきます。
私とOn氏も寝袋から出ましたが、昨日の疲れもあり目が覚めてきません。
それでも、Sz氏が作ってくれたコーヒーを飲んで朝食を食べる頃には頭も働いてきます。

 まずはパッキンをしなければなりません。
Sz氏とOn氏の荷物を外に出して私はテントの中を片づけます。
炊事用具などを持っているとどうしてもパッキングは最後になってしまいます。

   
    テントを畳み、2夜の宿となった場所に感謝です。
 このテントサイトは近くに水場があり焚き火が出来た最高の場所でした。

 6:10分、いよいよ下山です。
   
    最初はゴロゴロの岩を慎重に降ります。
 
 40分ほど降るといよいよ雪渓の上を渡らなければなりません。
雪渓に上がる場所は左岸の流木を使います。
そして、雪渓の上を降り、左岸の高巻きから雪渓の上に渡った場所の立木に付けたテープを探して
雪渓を降ります。
巻き道はハッキリしませんが、登ってきた道ですので何とか降ります。
   

 七つ釜の展望台となる辺りから沢を望むと雪渓に陽が当たって輝いています。
   

 ここで記念写真を写します。
   
    左がOn氏、右がSz氏です。
   
    私です。
 
 さらに20分ほど降ると左岸の高巻き地点です。
ここで、残されていた固定ザイルに私達が持ってきたサブザイルを足して固定ザイルを補強しました。
   
    補強作業中のOn氏とSz氏です。

 この固定ザイルの補強により左岸のトラバースはかなり安全度が増しました。
しかし、この固定ザイルの強度が何年持つか分かりません。
残置されているリングボルトと今回新たに取り付けたステンレスボルトを利用して自分達のザイルを使いトラバースすることをお勧めします。
残置されているものの安全度は自分で確認してください。

 このトラバースを終えて川床に降りるところも登る時には気が付きませんでしたが、降る時には嫌らしい場所です。
よく見ると白樺の木の幹にスリングが数本残っています。
皆さん考えることは同じようです。
私達もこの白樺の木を支点にしてザイルを出して下降しました。

 この下降地点で川床へ戻りました。
そのまま左岸を歩いていきます。
次のゴルジュも左岸に踏み分け道が付いているのでそのまま歩いて行きましたが、どうも様子が変です。
直ぐ先は岩壁になっているのです。
この岩壁を越えるのにかなり高いところまで登らなければなりません。
おかしいと思い引き返します。

 On氏が対岸に垂れ下がっているテープを見つけました。
ここで一度渡渉して右岸へ渡ります。
右岸に渡ると固定ザイルが崖に取り付けられています。
この崖を登りさあトラバースをと思ったのですが、踏み分け道がハッキリしません。
私達は地形を読みながら草付きの急斜面をトラバースします。

 やっと、高巻きを終えました。
これから先はそれほど危険な場所はありません。
天気が良くなって暑いので沢の中を歩いたり日陰の巻き道を歩いたりします。

巻き道は登る時には気が付かなかったのですが、中州などにはほとんど巻き道があるようです。
何度か休んで歩いているとクマの沢の二股に到着です。
ここまで来ると、直ぐ先が林道からの入渓地点です。

 右岸に林道にある待避所の標識を見つけたので笹を漕いで林道へ出ます。
ここから10分ほど歩くと駐車していた車が見えてきます。

 ちょうど12時、駐車している車に戻りました。
そこから、後ろを振り返るとソエマツ岳が見えています。
   
    一番奥のうっすらとした山陰がソエマツ岳です。

 これで私にとって冬からの宿題だったソエマツ岳からピリカヌプリの稜線歩きが終わりました。
それにしても、北海道有数の渓谷美を誇っているはずの七つ釜が流木と雪渓でズタズタにされていました。
この場所が、もとの景観を取り戻すのに何年かかるのでしょうか?
数年後に再訪して、ぜひとも綺麗な七つ釜を見てみたいものです。

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