井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

スクーターで巡る東北の名山たち(鳥海山)!

2018-10-09 07:39:08 | その他の本州の山
 7月21日から25日にかけて東北の名山三座、鳥海山、月山、早池峰を登ってきました。
今回は、21日に苫小牧からフェリーを使い、22日朝に秋田港に入港し、そこから日本海に沿って南下して鳥海山の中腹にある鉾立山荘に1泊、翌日22日に鳥海山、23日に月山、24日に早池峰を登り、その夜に八戸からのフェリーで北海道に戻るという結構ハードな日程でした。

 実は2年ほど前にも原チャリで東北の名山巡りをしています。
この時は、苫小牧から八戸に渡り八甲田山、岩木山、八幡平、岩手山を登り、早池峰に向かウ予定でした。
しかし、早池峰に向かっている途中で原チャリが故障してしまい原チャリを処分して帰ってくるというトラブルがありました。

 今回はホンダのリード(110cc)という中古のスクーターを手に入れたので、このスクーターを使っての山旅になります。
    
     このスクーターの魅力は座席下の収容能力です。
     ヘルメットが2個入る収容力ですのでキャンプ用品も十分に収容できます。

 7月21日の夕方、苫小牧から秋田行のフェリーに乗り込み、翌朝秋田に到着。
ここから日本海に沿って南下します。
途中、象潟にある蚶満寺によります。
「象潟」とは、かつては松島同様無数の小島が浮かぶ入り江でした。
昔は、「九十九島、八十八潟」、あるいは「東の松島、西の象潟」と呼ばれたようです。
それが、文化元年(1804年)の大地震(象潟地震)で干潟に変わったのです。
 
その象潟にある蚶満寺は、奥の細道で有名な松尾芭蕉も訪れたことがあるお寺なのです。
鳥海山のふもとにあるので、今回はぜひ寄ってみたかったところです。

    
     国道を左に曲がると駐車場があります。

駐車場にスクーターを止めて左に曲がり歩いて行くと松尾芭蕉の銅像がありました。
    

    
     この田んぼだったところが昔は海だったのです。
     そして松が生えている所が海に浮かぶ小島でした。

    
     松林の先に山門が見えてきます。
    
     山門は、なかなか立派な造りです。

    
     本堂です。
    
     鐘撞堂です。

    
     タブの木です。

    
     六地蔵が祀られています。

 手入れの行き届いた風情のあるお寺でした。
裏手には昔海だった名残の舟を舫う石などがあり、ここがかっては海だったことを忍ばせてくれます。
    
 念願だった蚶満寺を参拝できたので鳥海山の中腹にある鉾立山荘へ向かいます。
鉾立山荘は鳥海山の中腹にあり、素泊まりの小屋になっています。
今回はこの鉾立山荘で神戸の山女たちと待ち合わせです。

 急な道路をあえぎながら登ります。
排気量の少ないスクーターには酷な道です。
へアピンカーブを何度も曲がり、喘ぐようにして走り鉾立に到着です。

 鉾立には立派な駐車場が何か所もあり、たくさんの登山客で溢れています。
その一角に鉾立山荘がありました。
    
     なかなか立派な建物です。

 この辺りは雲の中で涼しく、ホッとしました。
無事に同行者とも合流して明日の登山を待ちます。


 7月22日

 朝起きて外を見ますが、相変わらずの曇り空です。
というより、鳥海山の中腹から上に雲が張り付きその雲が動かないのです。
昨夜、天気を見るために外に出ましたが、下界のにかほ市の街の明かりが良く見えていました。

 4:50分、出発です。
鉾立山荘のすぐ近くに象潟口の登山口があります。
    

 雲の中で涼しく、整備された登山道を登ります。
鳥海山は高山植物も多いと聞いているので楽しみです。

    
     さっそく現れた鳥海アザミです。

 6:25分、御浜(おはま)小屋に到着です。
    

    
 
    
     小屋の裏手右下に鳥海湖が見えるはずですが雲に隠されて何も見えません。

 この辺りから高山植物のお花が目を楽しませてくれます。

    

    

    

    

    

    

    

    

 今年は、コバイケイソウの当たり年のようで大きな群落が花をつけています。

 7:05分、七五三掛(しめかけ)の分岐まで来ました。
    

    

 ここから先は、風が強いので外輪山コースを取らずに千蛇谷コースへ進みます。
千蛇谷コースには雪渓があるので神戸の山女は嫌がっていましたが、視界の無い風の強い外輪山コースは避けるのが賢明な判断です。
その心配した雪渓はそれほど残っておらずホッとしたのですが、その先の急坂もなかなかのものでした。

 8:30分、大物忌(おおものいみ)神社に着きました。
    

    
    ここで少し休憩します。
 
この社の入口にある大岩に鳥海フスマの花が咲いていました。
    

 少し休憩して元気が出たので山頂へ向かいます。
山頂は神社の前を少し戻り右手に向かいます。
すると目の前は岩が折り重なった小山となっています。
この岩を登らなければなりません。

    

    

    

 9:15分、新山の到着です。
ここが鳥海山の山頂になります。
    

 辺り一面のガスで何も見えません。
記念写真を写すと寒いのですぐに下山します。

 下山は気楽に花を楽しみながら下ります。
    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

 13:15分、象潟口の登山口へ戻ってきました。
    

 やれやれ、ガスで景色を楽しめない山となってしまいましたが、たくさんの高山植物に癒された山旅でした。
思ったより早く下山できましたので神戸の山女たちとはここで別れ、私は次の月山に登るために羽黒山のキャンプ場を目指してスクーターで走ります。






上ホロ避難小屋に泊まり、十勝岳から富良野岳を縦走 その2

2018-10-03 10:12:06 | 十勝岳山系の山
 昨夜はガスガスの空で星空を見ることはできませんでした。
小屋に泊まったのは私たち2人でした。
しかし、外で歩く足音が聞こえましたのでテント泊をしている人がいるようでした。
私たち2人だけの静かな小屋でしたので、ぐっすり寝ることができました。

 7月18日

 朝4時に目覚まし時計の音で目を覚まし、朝食を取り出発の準備をします。
朝食はインスタントラーメンです。

 5:40分、出発です。
    
    小屋の外は相変わらずガスガスで視界がありません。

 まずは、上ホロカメットク岳の山頂を目指します。
朝一の行動には少し辛い急な登りが待っています。
でも、高山植物の可憐な花が迎えてくれます。
    

    

    

 岩の登山道を登ります。
    
 
 その登りを20分でこなすと、そこが上ホロの山頂です。
    

 ここからいったん下ります。
降り終えたところが三峰山と下山路との分岐になります。

 その分岐点のすぐ横がかみふらの岳です。
    
 このかみふらの岳の名称ですが、地元の上富良野町が町名を冠した山の名前を残したくて国土地理院に申請しました。その結果、めでたく地形図にその名前が記入されるようになったとの逸話があります。
地元にとっては大事なピークです。

 ここからは、富良野岳目指して稜線歩きが続きます。
右手から吹き上がる風が強く、体の熱を奪います。
視界もないので自然に足が早くなります。

    

 7:00分、三峰山に着きました。
    

 ここまで順調に歩けてます。
この辺りから富良野岳にかけてお花畑が次々に現れます。
そんなお花を楽しみながら歩きます。
    

    

    

    

    
     雲の中での歩きが楽しくなってきます。

    

    

    

    

    

 お花畑を見ながら下り、少し登るとそこは富良野岳と三峰山の分岐でした。
8:10分、分岐に着きました。
    
ここにザックを置いて水と食料だけをナップサックに詰めて富良野岳の山頂を目指します。
ここからしばらくは階段登りとなります。

 急な階段をあえぎながら登っていくと上空が明るくなってきます。
すると富良野岳の山頂方向の雲が切れてきます。
    
     富良野岳の山頂が見えましたので雲に隠れる前と、急いで写した写真です。

    
     しかし、後ろを振り返り歩いてきた十勝岳方面を見ると相変わらず雲に隠れています。
   
 ここから、天国の様な登山道となりました。
上空は雲が切れて太陽が顔を出してくれ温かくなります。
足元には高山植物のいろんな色の花が癒してくれます。

    

    

    

    

    

 8:50分、富良野岳の山頂です。
    
    すっかりいい天気になりましたので少しゆっくり休みます。
 昨日の十勝岳山頂手前から富良野岳の下まで、ズーッと雲の中でした。
久し振りの太陽光ですので、ゆっくり身体に浴びたくなりました。
いつまでも休んでいたいのですが、バスの時間もあるので降ります。
 
 あとは凌雲閣の登山口まで降り吹上温泉行きのバスで戻るだけです。

    
     上ホロのピークが薄っすらと見えます。

    
     安政火口が見えるところまで降ってきました。

 12:20分、凌雲閣の登山口まで降ってきました。
ここから吹き上げ温泉まではバスで戻ります。
1時間ほど時間がありますので、凌雲閣の玄関前にあるベンチで休ませてもらいました。

 今回の縦走は、天気の恵まれませんでしたが、それでも雨には当たらなかったのです。
最後の富良野岳で晴れましたので、上々の縦走だったといえます。
これで自信を付けた山女は、次のトムラウシ山に挑みます。

上ホロ避難小屋に泊まり、十勝岳から富良野岳を縦走 その1

2018-10-02 09:59:11 | 十勝岳山系の山
 定山渓天狗岳に登った秀岳荘スタッフの山女と小屋泊り1泊山行として上ホロカメットク避難小屋に泊まり十勝岳から富良野岳を縦走することにしました。
彼女は北海道内にある百名山を登りたいとの希望を持っています。
すでに旭岳と利尻岳を登っており、今年になって羊蹄山を登りました。
そこで、十勝岳を登り小屋泊まりの山行を考えたときに美瑛岳か富良野岳のどちらかまで縦走するプランを考えました。
富良野岳への縦走でしたら上ホロカメットク避難小屋に1泊、美瑛岳への縦走なら美瑛富士避難小屋があります。
両方のプランを比較したときに高山植物の豊富な山である富良野岳を選択しました。

 7月17日

 札幌を朝6時に立ちます。
天気予報では十勝岳方面は曇り時々晴れと悪くはありません。
吹上温泉白銀荘に着くと晴れてはいるのですが、十勝岳の山頂など高いところは雲の中です。

 8:40分、白銀荘を出発します。
    
     上空は青空が広がりいい天気です。

 テン場になっている芝生を歩き左側へ進みます。
    
    
 ここから望岳台との分岐目指して歩きます。

    
     小さな沢を1本越えます。

 その先にあるのが九条武子の碑です。
    
    このルートを夏に歩くのは初めてなので、この石碑を見るのも初めてです。

 夏の日差しが容赦なく照りつけてきます。
汗だくになって歩いていると望岳台との分岐が見えてきます。
9:40分、望岳台との分岐に到着です。
    

    
    山の方を見るとやはり上の方は雲の中です。

 30分ほど登っていくと十勝岳の避難小屋が見えてきます。
    
    この避難小屋には、噴火に備えヘルメットなどが用意されています。
 
 10:15分、避難小屋を通り過ぎ、どんどん登ります。
傾斜の増す斜面をジグザグに登ります。
足元がザラザラした火山性の小石ですので足を取られ歩きにくいです。
    

    
     山女さんは、ゆっくりした足取りですが確実に登ってきます。
時々待ってあまり離れないようにします。

    

    
     グランド火口からの噴気が見えるでしょうか?

    
     一瞬ですが雲の合間に山頂が見えました。

 スリバチ火口まで登ってくると少し傾斜が緩くなります。
    

    
     火口には残雪がありました。

 登山ルートは、ここから右手に少しずつ曲がり、最後は山頂に続く急斜面となっています。
このあたりから雲の中に突入です。
視界が無くなってきますし、登山道が砂礫地帯の中にありますので踏み外さないように注意しながら登ります。
すると、左手の方から「そちらが、登山道ですか?」と単独の男性から声がかかります。
その男性が私たちの方へ歩いてきます。
そしてホッとしたようで、「この上にある標識の差す方向へ歩いたが、登山道ではないようなので登山道を探していた。」といいます。
ガスで視界のない中、迷ったと思ったら登山道であるとの確信が得られる地点まで引き返さなければなりません。
こんな視界のない中で適当に歩くと道迷い遭難を起こしてしまします。

 火口に迷い込まないように張られたロープ沿いに登ります。
そうするとその先に標識がありました。
確かに下山しようとして上から見ると望岳台を指す方向が登山道より右手を差しているのです。
ここは、この標識の差す方向ではなく、左手の河口に迷い込まないためのロープに沿って降るのが正しいルートです。
私たちが登っていると単独の登山者が降ってきますので標識のことを話して正しいルートを教えてあげました。
砂礫地の登山道は、どこを見てもルートに見えてしまうので視界のないときは本当に注意深くルートを見極める必要があります。

 13:25分、やっと十勝岳山頂に到着です。
    

    
    彼女にとって4座目の百名山(道内)になります。

 山頂は風が強いので岩陰に入って休みます。
ここまでくれば上ホロ避難小屋までもう一息です。

 休憩の後、あまり体が冷えないうちに上ホロ小屋へ向かいます。
砂礫地のガラガラの登山道を一気に降ります。
両側が切れ落ちた細い尾根を過ぎ、小さなアップダウンを越えていくと、右手に何やら大きな影が見えてきます。
15:10分、この影は大砲岩でした。
    
     この岩は三段山への分岐になりますが、三段山への登山道は廃道になっています。

 この辺りから左手の斜面に高山植物のお花が見えてきます。
    

    
     イワヒゲの群落です。

 14:25分、上ホロ避難小屋に到着しました。
小屋の裏にトイレがあり、その奥がテン場になっています。
小屋に入る前に水を汲みに行きます。
水場は小屋前を100mほど下った所にあります。
上ホロの西斜面にある雪渓の水を利用します。

 小屋の中はかなり傷んでいます。
雨漏りがするのか、壁の合板が剥がれてきています。
窓が小さく暗いので、私たちは2階を使うことにします。
2階の方が1階より少し明るいのです。

 お茶を沸かし、あとはゆっくり休憩して明日に備えます。

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  この夏も十勝岳において単独登山者が遭難死しています。
 遭難者が発見された場所から考えると道迷い遭難と思われます。
 十勝岳は、天気がいいと難しい山ではありませんが、雨や曇りで視界の無い
 時には十分に注意して登る必要があります。

  特に本州から来ている百名山狙いの人たちは十分に注意が必要です。
 北海道の山は本州の山のように登山標識が完備されていません。
 場所によってはピンクテープがチョコンとあるだけの場所もあります。
 地図だけでなく、携帯のGPSアプリなども活用して現在位置の確認を
 怠らないようにしてください。