7月になったと思ったら、もう中旬。急に熱くなってきました。今週には台風絡みの梅雨末期の豪雨が心配されるところであります。しかし、先週はお休みがなかったので、今週はヘトヘトになりながらの毎日。木曜日くらい休んだろか、と思ったのですが…。仕事も貯まってますので、頑張りました。でも、このお陰で今週末は実に嬉しい。やはり毎日働いているから、お休みが嬉しいのですね。働かざるもの、休むべからず、であります。
そんなこんなで、しんどいときはモーツアルト。辛いときやしんどいときは、モーツアルトが癒してくれるのであります。今回のモーツアルトは、オイゲン・ヨッフムの演奏による交響曲。しかし、ヨッフムのモーツアルト。果たしてどれくらいの録音が残されているのでしょうか。実は、最近までヨッフムのモーツアルトってほとんど印象がなかったんです。ボストン響とのジュピターとACOとの36・38番と晩年の来日ライブの33番くらいですかね。最近、晩年にバンベルク響との35・38・39・40・41番の録音を知りました。晩年になってのこれらの前にはあまり録音がないのは、なぜかわかりません。ベートーヴェンについては3回、ブルックナー、ブラームスも2回の全曲録音をしているのにね。モーツアルトは苦手?そんなことはないですよねえ。そんなわけで、ヨッフム指揮バンベルク交響楽団でモーツアルトの交響曲第38番ニ長調K.504『プラハ』であります。1984年10月18~23日、バンベルクでの録音です。
でも、このバンベルクはドイツのバイエルン州にある人口7万人の都市です。戦争での被害もほとんどなく歴史的な建造物がかなり残っている街です。兵庫県で言うと三木市と同じくらいの規模でしょうか。そんな街に、こんな立派なオケがあるということは、やはりヨーロッパ文化の底力でしょうかねえ。ほとほと感心させられますね。カイルベルト、ヨッフム、ホルスト・シュタインが首席指揮者や芸術顧問としており、彼らに鍛えられたのでしょうねえ。
それでこのモーツアルトですが、この38番は素晴らしい演奏であります。特に、バンベルク響の音色が実に見事。ヨッフムの演奏では、私は常々弦の演奏の美しさ、またまとまりの素晴らしさを感じるのです。ここでも弦楽器の良さが光ります。そして、それぞれの局面での表情が自然であるのですが、非常に豊かなんですね。加えて、演奏全体に慈愛に満ちた優しさをしみじみと感じます。やはりこれば、モーツアルトの理想的な演奏ではないかと切に思います。ヨッフム最晩年の名演ですね。若いころにはない澄み切ったような心情を感じてしまいます。
私はこのプラハ、たいそう好きな曲です。第1楽章、まず序奏のアダージョ。ゆったりとした歩みで、実に堂々と進む。そこには既にオケの美しく統制のとれた響きが散りばめながら、荘厳な雰囲気が醸し出されている。そして主部に入ると。フィガロの結婚に類似するかのような二つの主題が歌われ、愉悦感も匂わせながら、また喜びにあふれた表情も豊かに進む。加えて、曲の構えは重厚さに満ち、それがこの演奏の素晴らしさのひとつに違いない。第2楽章アンダンテ。ゆったりとしたテンポで、それぞれの楽器がモーツアルトらしい優しい音楽を、極上の美しさで奏でる。表情は頻繁に変わり、その深い心情がうまく表現され、それがこの楽章の鮮やかな印象をもたらしています。ただト長調ですが、全体的には悲しさやはかなさが全体を支配し、そんな表現がたいそううまい演奏であります。そして第3楽章プレスト。テンポよく弦と管が絡みながら進む。ここでも、弦の整った響きと管の暖かみのある音色がとてもいいです。時折見せる暗い影もモーツアルトらしく、全体的には様々な色が交錯しながらも、喜びを歌い上げています。ヨッフムの透き通った美しさと豊かな表情に満ちた演奏。ほんとにいいです。
しかし、次ぎの三連休までには梅雨は明けるのでしょうかね。早く本格的な夏になりませんかねえ。夏が待ち遠しいですねえ。
(RCA BVCC-38186 2002年)
そんなこんなで、しんどいときはモーツアルト。辛いときやしんどいときは、モーツアルトが癒してくれるのであります。今回のモーツアルトは、オイゲン・ヨッフムの演奏による交響曲。しかし、ヨッフムのモーツアルト。果たしてどれくらいの録音が残されているのでしょうか。実は、最近までヨッフムのモーツアルトってほとんど印象がなかったんです。ボストン響とのジュピターとACOとの36・38番と晩年の来日ライブの33番くらいですかね。最近、晩年にバンベルク響との35・38・39・40・41番の録音を知りました。晩年になってのこれらの前にはあまり録音がないのは、なぜかわかりません。ベートーヴェンについては3回、ブルックナー、ブラームスも2回の全曲録音をしているのにね。モーツアルトは苦手?そんなことはないですよねえ。そんなわけで、ヨッフム指揮バンベルク交響楽団でモーツアルトの交響曲第38番ニ長調K.504『プラハ』であります。1984年10月18~23日、バンベルクでの録音です。
でも、このバンベルクはドイツのバイエルン州にある人口7万人の都市です。戦争での被害もほとんどなく歴史的な建造物がかなり残っている街です。兵庫県で言うと三木市と同じくらいの規模でしょうか。そんな街に、こんな立派なオケがあるということは、やはりヨーロッパ文化の底力でしょうかねえ。ほとほと感心させられますね。カイルベルト、ヨッフム、ホルスト・シュタインが首席指揮者や芸術顧問としており、彼らに鍛えられたのでしょうねえ。
それでこのモーツアルトですが、この38番は素晴らしい演奏であります。特に、バンベルク響の音色が実に見事。ヨッフムの演奏では、私は常々弦の演奏の美しさ、またまとまりの素晴らしさを感じるのです。ここでも弦楽器の良さが光ります。そして、それぞれの局面での表情が自然であるのですが、非常に豊かなんですね。加えて、演奏全体に慈愛に満ちた優しさをしみじみと感じます。やはりこれば、モーツアルトの理想的な演奏ではないかと切に思います。ヨッフム最晩年の名演ですね。若いころにはない澄み切ったような心情を感じてしまいます。
私はこのプラハ、たいそう好きな曲です。第1楽章、まず序奏のアダージョ。ゆったりとした歩みで、実に堂々と進む。そこには既にオケの美しく統制のとれた響きが散りばめながら、荘厳な雰囲気が醸し出されている。そして主部に入ると。フィガロの結婚に類似するかのような二つの主題が歌われ、愉悦感も匂わせながら、また喜びにあふれた表情も豊かに進む。加えて、曲の構えは重厚さに満ち、それがこの演奏の素晴らしさのひとつに違いない。第2楽章アンダンテ。ゆったりとしたテンポで、それぞれの楽器がモーツアルトらしい優しい音楽を、極上の美しさで奏でる。表情は頻繁に変わり、その深い心情がうまく表現され、それがこの楽章の鮮やかな印象をもたらしています。ただト長調ですが、全体的には悲しさやはかなさが全体を支配し、そんな表現がたいそううまい演奏であります。そして第3楽章プレスト。テンポよく弦と管が絡みながら進む。ここでも、弦の整った響きと管の暖かみのある音色がとてもいいです。時折見せる暗い影もモーツアルトらしく、全体的には様々な色が交錯しながらも、喜びを歌い上げています。ヨッフムの透き通った美しさと豊かな表情に満ちた演奏。ほんとにいいです。
しかし、次ぎの三連休までには梅雨は明けるのでしょうかね。早く本格的な夏になりませんかねえ。夏が待ち遠しいですねえ。
(RCA BVCC-38186 2002年)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC36%E7%95%AA%E3%80%8C%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%84%E3%80%8D-%E7%AC%AC33%E7%95%AA-%E3%83%A8%E3%83%83%E3%83%95%E3%83%A0-%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%82%B2%E3%83%B3/dp/B000066NZO/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1436739479&sr=8-1&keywords=BVCC-38187
すいません、上記のはACOとのでした、早とちり失礼しました。
下記のものがバンベルクとの演奏です。
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33番とのカップリングのものは廃盤のせいか高めですが、
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プラハとのカップリングのは安いですね。でもプラハは既にお持ちですよね。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC36%E7%95%AA-%E7%AC%AC38%E7%95%AA-%E3%83%A8%E3%83%83%E3%83%95%E3%83%A0-%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%82%B2%E3%83%B3-x/dp/B000AU1LYY/ref=pd_sim_sbs_15_2?ie=UTF8&refRID=17MYJSR28Z4ASEK3B3BC
ヨッフムとバンベルク響ですが、実は35番と38番と同じRCAへの晩年の録音で、33番、36番も入れています。
以前これら4曲すべてが入った2枚組の輸入盤が出ていましたが、現在は廃盤のようです。
http://www.hmv.co.jp/en/artist_%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88%EF%BC%881756-1791%EF%BC%89_000000000018888/item_Sym-33-35-36-38-Jochum-Bamberg-so_727506
リンツは大好きな曲で、実際、ハフナーよりも名曲だと思うのですが、以前持っていた国内盤ではリンツだけカットされていました。そのため、リンツだけのために上記のCDを買ったわけです。日本の販売元の担当者が音楽を理解していない人間だったでしょうね。
ヨッフムのリンツ、期待通りの名演奏ですので、何とか入手されることをおすすめします。(リンツについてはクーベリックがバイエルン放送響と入れた演奏、それにこのヨッフム盤が素晴らしいと思います)
バンベルク響は、20年ほど前、シュタインさんが率いて、群馬の片田舎まで来てくれて、ブラームスの2番やワーグナーの序曲などを演奏してくれました。ドイツ音楽をたっぷり味わいました。
佳い演奏、佳いCDの紹介、ありがとうございます。