今年も終わりですねえ。29日にマリーンズ・ファン友人二人と飲み会を三宮でしました。今年の反省と来季の展望を熱く論じ合ったのでした。しかし、三宮の街は暮れの慌ただしい雰囲気がありましたね。三宮のタワーさんにも行きましたが、クラシック売場は半分くらいに縮小されてました。そして、ジュンク堂で、先頃から刊行されている岩波講座の『日本歴史』の第1巻を買って帰りました。音楽ばかり聴いていないと、本も読まなければいけません。
ということで、今回は、今年最後の更新になります。振り返って見ますと、一年間で51回の更新。まあ週一回のペースでした。まあ少なくなりましたが、こんなもんでしょうねえ。そして、内容的には、多い順で、1モーツァルト(9)、2シューベルト(8)、3ベートーヴェン(7)、4バッハ(5)、5ブラームス(4)、というベスト5でありました。あとは、ブルックナー、ハイドン、チャイコフスキー、ワーグナー(2)、マーラー、ヘンデル、ショパン、プッチーニ(1)、という結果になりました。まあ、こんなもんですか。相も変わらぬ状況でありました(笑)。
こんな今年の回顧はさておき、今回はブラームス。弦楽六重奏曲第2番ト長調作品36です。いうまでもなく、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが各2つずつの構成で演奏されるもの。弦楽四重奏に比べると、低音部が増強されているので、曲自体にも安定感と深みが増していますね。演奏も、通常の弦楽四重奏団にふたりの弦楽器奏者が加わるというものが多いです。それで、今回はアマデウス四重奏団に、セシル・アロノヴィッツ(Va)、ウィリアム・プリース(Vc)が加わる演奏。1968年3月にベルリンでの録音です。
1865年に作曲されますが、1862年からウィーンに定住するようになったブラームスが32才のころのものです。このジャンルの曲は、1860年に完成させた第1番とこの二曲があります。一般によく言われるのは、第1番はクララ・シューマンへの、第2番はアガーテ・フォン・ジーボルトへの、それぞれの恋愛が背景にあると言われています。この曲の第1楽章の第二主題終結部に「A-G-A-H-E」と音型があり、これはアガーテの名を音型にしたもの、という考えがあります。
まあ、そんなことはさておき、確かに恋愛感情は置いといても、ロマンチックな旋律が目立つ曲ではありますね。それをまず第1Vnのブレイニンが温かく演奏してくれます。全体的に鋭角的な表情もなく、極めて優しい演奏に仕上がっております。そこには弦楽四重奏に比べ分厚くなった音の分で、そう感じるかもしれませんが、弦の美しい音色に、ブラームスのこの曲に込めた気持ちが表現されているようですね。
第1楽章、最初にヴァイオリンで奏でられる第1主題は、実にブラームスらしいもので、憂いと憧憬に満ちたもの。これをブレイニンがたいそう気持ちのこもった美しく聴かせてくれます。続くチェロによる第2主題も実にいいです。この第1楽章は約14分。六つの楽器のバランスもよく、高揚感や熱い気持ちが繰り返されるように展開されますが、弦楽器の美しさを存分に感じさせてくれるのです。第2楽章スケルツオ。ト短調でこれもブラームスの短調らしさが滲み出ています。ピチカートを背景としたヴァイオリンの憂いあふれる主題が切々と歌われます。このあと中間部では快活な曲になりますが、ここらの対比もよく、少々大人しめかも知れませんが、これくらいがちょうどいいです。第3楽章ホ短調の変奏曲。これもブラームスらしい旋律が展開され、私は好きです。ブレイニンのヴァイオリンが切々と歌い、それに他の弦楽器が追随して、声高ではないですが、熱い気持ちが感じられます。そして、第4楽章。やはり低音の充実がもたらす安定感がこの曲のよさでしょうか。ヴァイオリンの背後での低音部の充実や、チェロによる主題もいいです。この分厚い弦の合奏が非常に最後までまとまって優しく響いております。
今日は大晦日。一年で最も好きな一日かもしれません。これから明石の魚の棚に息子と行って、大晦日気分を味わいたいと思います。今年度も、こんなブログにおつきあいいだたき、ありがようございました。来年もよろしくお願いします。
(DG UCCG-5086 The Best 1000 2006年)
ということで、今回は、今年最後の更新になります。振り返って見ますと、一年間で51回の更新。まあ週一回のペースでした。まあ少なくなりましたが、こんなもんでしょうねえ。そして、内容的には、多い順で、1モーツァルト(9)、2シューベルト(8)、3ベートーヴェン(7)、4バッハ(5)、5ブラームス(4)、というベスト5でありました。あとは、ブルックナー、ハイドン、チャイコフスキー、ワーグナー(2)、マーラー、ヘンデル、ショパン、プッチーニ(1)、という結果になりました。まあ、こんなもんですか。相も変わらぬ状況でありました(笑)。
こんな今年の回顧はさておき、今回はブラームス。弦楽六重奏曲第2番ト長調作品36です。いうまでもなく、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが各2つずつの構成で演奏されるもの。弦楽四重奏に比べると、低音部が増強されているので、曲自体にも安定感と深みが増していますね。演奏も、通常の弦楽四重奏団にふたりの弦楽器奏者が加わるというものが多いです。それで、今回はアマデウス四重奏団に、セシル・アロノヴィッツ(Va)、ウィリアム・プリース(Vc)が加わる演奏。1968年3月にベルリンでの録音です。
1865年に作曲されますが、1862年からウィーンに定住するようになったブラームスが32才のころのものです。このジャンルの曲は、1860年に完成させた第1番とこの二曲があります。一般によく言われるのは、第1番はクララ・シューマンへの、第2番はアガーテ・フォン・ジーボルトへの、それぞれの恋愛が背景にあると言われています。この曲の第1楽章の第二主題終結部に「A-G-A-H-E」と音型があり、これはアガーテの名を音型にしたもの、という考えがあります。
まあ、そんなことはさておき、確かに恋愛感情は置いといても、ロマンチックな旋律が目立つ曲ではありますね。それをまず第1Vnのブレイニンが温かく演奏してくれます。全体的に鋭角的な表情もなく、極めて優しい演奏に仕上がっております。そこには弦楽四重奏に比べ分厚くなった音の分で、そう感じるかもしれませんが、弦の美しい音色に、ブラームスのこの曲に込めた気持ちが表現されているようですね。
第1楽章、最初にヴァイオリンで奏でられる第1主題は、実にブラームスらしいもので、憂いと憧憬に満ちたもの。これをブレイニンがたいそう気持ちのこもった美しく聴かせてくれます。続くチェロによる第2主題も実にいいです。この第1楽章は約14分。六つの楽器のバランスもよく、高揚感や熱い気持ちが繰り返されるように展開されますが、弦楽器の美しさを存分に感じさせてくれるのです。第2楽章スケルツオ。ト短調でこれもブラームスの短調らしさが滲み出ています。ピチカートを背景としたヴァイオリンの憂いあふれる主題が切々と歌われます。このあと中間部では快活な曲になりますが、ここらの対比もよく、少々大人しめかも知れませんが、これくらいがちょうどいいです。第3楽章ホ短調の変奏曲。これもブラームスらしい旋律が展開され、私は好きです。ブレイニンのヴァイオリンが切々と歌い、それに他の弦楽器が追随して、声高ではないですが、熱い気持ちが感じられます。そして、第4楽章。やはり低音の充実がもたらす安定感がこの曲のよさでしょうか。ヴァイオリンの背後での低音部の充実や、チェロによる主題もいいです。この分厚い弦の合奏が非常に最後までまとまって優しく響いております。
今日は大晦日。一年で最も好きな一日かもしれません。これから明石の魚の棚に息子と行って、大晦日気分を味わいたいと思います。今年度も、こんなブログにおつきあいいだたき、ありがようございました。来年もよろしくお願いします。
(DG UCCG-5086 The Best 1000 2006年)
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