こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

『セミラーミデ』を聴く

2012年01月03日 22時19分23秒 | その他の作曲家
あけましておめでとうございます。本年も自分のペースで更新していきたいと思いますので、よろしくご高覧のほどお願い申し上げます。

さて、今年の正月ですが、完璧な寝正月でありました。ほとんど外出はせず、唯一近くの神社に初詣に行ったくらいでした。酒もいつもなら毎日飲んでいるのですが、今年は一日休肝日を設けました。テレビも見ていましたが、おもしろくないですねえ。かといって、そんなに音楽も聴いていたわけでもなく、うーん、一体何をしていたのかなあ、っていう正月でありました。

それで、聴いていた音楽ですが、ロッシーニの歌劇『セミラーミデ』でありました。演奏は、リチャード・ボニング指揮ロンドン交響楽団。ジョーン・サザーランド、マリリン・ホーン、ヨゼフ・ルーレウなど。1966年の録音です。これを聴くことになったのは、年末に元町の中古やさんでスチューダーなどによる同曲のCDを買ったから。というのも、この買ったCDがどうも不評でした、それでかなり前に買ったこのCDを聴くことになったのです。ボニングの指揮もいいですし、なんといってもサザーランドのホーンのコンビはほんとにいいです。1962年にサザーランドは、このオペラの蘇演に成功し、レパートリーに定着させたことも忘れてはならないことでしょう。

とはいっても、このオペラ、なかなか聴きにくい。CDは輸入盤なんで解説や対訳も読めない。ネットなどで見ることはできるのですが、物語の進行にあわせて聴いていくのはかなりしんどい。音楽だけを聴いて行くのでもいいのですが、それでも曲名などがわかりません。このCDの解説も原語によるもので、なかなかわかりにくい。家にはビデオがあるのですが、VHSで、デッキが壊れているため見れません。こんな状況なので、なかなか辛いものがあります。加えてこの物語は、この時期のオペラによくある荒唐無稽というか、どうでもいいというか…。これも、実の息子と知らずに愛した男に誤って殺されるバビロニアの女王セミラーミデのお話なんですねえ。そして、音楽もけっこう深刻なお話にも関わらず、まあなんとも明るいというか、ノー天気な音楽に終始するんですね。それはそれで、聞き流す分には問題ないのですが…。

まず、有名な序曲(Sinfonia)ですが、ボニングの指揮は非常に丁寧で、かつ表情が豊かです。これは全体的にも言えることで、歌唱とたいそううまくマッチしておりまして、まことに満足させられる指揮であります。サザーランドとご夫婦でありますから、そのあたりの息はぴったしなんでしょうねえ。しかし、なんといっても、サザーランドであります。やはりベルカント・オペラに関しては、この人を置いて他にはいないでしょう。強靱なリリコ・スピントの声と華麗なコロラトゥーラの技巧、3点ホ音までの高音、そして暖かみのある声、とまあここまでよく備わったか、というようなソプラノなんですね。特に、第一幕第二場のセミラーミデの「麗しい光が」は、歌う内容はわからなくても、実に素晴らしい。これを聴くことでサザーランドの比類稀なる歌唱力を実感します。そして、これに並ぶのがホーンです。この人はサザーランドのメゾ版とでもいうのでしょうか。凄いテクニック、広い音域、力強い低音、こんな役はこの人を置いていないです。そして、この二人はよく競演しているので、サザーランドを聴くと、ホーンがいなければどうも物足りないというか、満足が得られません。ホーンの歌唱としては、第一幕第一場のアルサーチェの「やっとバビロニアに着いた」がまずあげられます。この人の声も一度聴いたら病みつきになりますね。ほんと。そして、このふたりの二重唱では第二幕第三場の「恐ろしい日であると同時に喜びの日」など、もうこのふたりでなければなんともなりません。これに対して、このふたり以外の歌手もアッスールのヨゼフ・ルローなど頑張っていますが、はっきり言って、その他の歌手などはどうでもよかったのであります。すんません。この二人の独壇場であります。

このようなオペラは、映像で見てもそれほどおもしろくはないのですが、まず見ることでお話も、登場人物も理解できるのです。早めにVHSデッキを買ってビデオを見よう、と思ったのでありました。
(DECCA 425 481-2 1989年 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (バルビ)
2012-01-05 01:17:12
明けましておめでとうございます。今年もブログ記事を楽しませてください。よろしくお願いします。

レコード棚を見てみると、デッカ盤のLPで、彼女が右手を挙げているボックスジャケットがありました。やっぱり、この盤と同じですね。

私はロッシーニのオペラは結構好きです。といっても歌詞は全くわかりません。ただ、音楽が楽しいので、歌詞を見ているよりも耳に入ってくる音楽が楽しいだけで佳いと思ってるんですね。

このLPは、仙台レコードライブラリーという、オリジナルLP屋さんで、その昔取り寄せたのでありました。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2012-01-05 21:51:30
バルビ 様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。ロッシーニ、ドニゼッティやベッリーニなどのオペラは、ほんとに曲と物語を一緒に理解しようとすると、苦労します。日本盤のCDを買えば、対訳もついているしいいのですが、ついつい安価に惹かれて輸入盤を買ってしまいます(笑)。まあ内容はともかく、音楽は楽しめるのでいいのですが…。でも、オペラのLPは価値がありますね。またご教示ください。
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