6月になって、けっこう暑い毎日です。どうも、5月・6月という月は、忙しいですねえ。7月になると、余裕が出てくるのですが、私の業界では、このあたりが一番辛いところ。それを示すかのように、このブログの更新も、毎年この時期は、他月に比べて滞りがちです。まあそんなもんかな、って思います。菅新政権も誕生したことでし、頑張ろうと思っていると、職場の引っ越しがありまして、あたふたしている今日この頃です。
最近、マーラーをよく聴くのです。マーラーの音楽がけっこう心にしみ込んでくるんですねえ。これって、けっこう危ない兆候かなとか思ったり…。きっとあまり精神的に健全ではないのかなって思ったりもします。そう思うと、それなりに思い当たるフシも…。仕事のプレッシャーが身に降りかかっているのかなー…。
まあ、そんなうだうだ言わないと、マーラーです。少し前にバーンスタインのマーラーを取り上げました。今回はその第二弾。マーラーの交響曲第5番嬰ハ短調。レナード・バーンスタイン指揮のVPO。1987年9月、フランクフルトにおける録音です。1980年代にVPOなどの三つのオケと録音したマーラーの交響曲のひとつです。かなり評判のいい演奏であります。
しかし、この曲、よくわからないですね。まあだいたいマーラーの交響曲ってのそんなのが当たり前なんです。いったい何を表現したいのか、よくわかりません。第1・第2楽章と第4・5楽章の様子の違いってのは、一体何なんでしょうか。しかし、曲は、聴いてて楽しめるものだし、聴きごたえもあり、心に訴えかけるものなんです。好きか嫌いかといえば、断然好きなんです。しかし、曲の明暗の展開はどう考えてもわからないものです。
バーンスタインの演奏、これがまたねちっこいもの。テンポは少しゆったりめで、これほど掘り下げた演奏があろうかというものです。その旋律の表現は、心の琴線に土足ではいってくるように大胆で、とことん旋律を歌い上げています。金菅は咆哮の限りを尽くし、弦はすすり泣くような、これもまたそこらかしこでは聴けない表現なのであります。また、VPOの演奏も特筆すべきものです。このVPOしか出し得ないような音色がいたるところで聴かれます。バーンスタインの演奏も、VPOなればこそのものでしょう。
第1楽章。二つの中間部を持つ。まず澄んだトランペットによる主題が出されたあと、ゆったりめのテンポで葬送行進曲のモチーフが弦で繰り返される。この弦からしてこの演奏の特徴の極み。暗く粘着質の表現。これ以降、陰鬱な雰囲気が支配的。この暗さは尋常ではありませんねえ。低弦の音が心に突き刺さる。最初の中間部では。金管が激しい。陰鬱な感情がどんどん深まって行く。最後、葬送行進曲がおどろおどろしくティンパニで出された後、次の中間部に入るが、その最初の弦による主題の暗いこと。これは救いようがない暗さですね。それ以降も最後の弦のピチカートでの終わりの一音も深い音です。第2楽章、低弦に続きヴァイオリンでの第1主題、そして、チェロによる第二主題、これがまた陰鬱。バーンスタインの思い入れもたっぷり。展開部では、チェロによる陰鬱なメロディが心に突き刺さる。そして終わりの方に、金管によるテーマが朗々と流れる。この明るさがよくわかりません。明るさだけではないようですが…。第3楽章。一転してホルンによる明るい主題から始まる。しかし曲が進んでいくうちに空虚な明るさが強調される。中間部では、VPOの鮮やかな演奏が印象的です。この楽章は分岐点なんですかねえ。バーンスタインの鮮やかな演奏です。第4楽章アダージェット。弦とハープのみでの演奏。ここでも熱帯夜のようなねっとりしたまとわりつくような弦が美しいメロディを奏でます。バーンスタインと体質があらわれるようです。何度聴いても美しい。そして第5楽章。前半の暗さから一転して、牧歌的な明るさに満ちた楽章。VPOの美音に裏打ちされたスキのない充実感いっぱいの演奏ですね。さすがのバーンスタインです。
この交響曲は、通して聴くと、けっこうな充実感を感じるんですねえ。最初とはうらはらに、最後は、幸福な気分になります。これもマーラーの特徴でしょうか。
(DG 423 608-2 1988年 輸入盤)
最近、マーラーをよく聴くのです。マーラーの音楽がけっこう心にしみ込んでくるんですねえ。これって、けっこう危ない兆候かなとか思ったり…。きっとあまり精神的に健全ではないのかなって思ったりもします。そう思うと、それなりに思い当たるフシも…。仕事のプレッシャーが身に降りかかっているのかなー…。
まあ、そんなうだうだ言わないと、マーラーです。少し前にバーンスタインのマーラーを取り上げました。今回はその第二弾。マーラーの交響曲第5番嬰ハ短調。レナード・バーンスタイン指揮のVPO。1987年9月、フランクフルトにおける録音です。1980年代にVPOなどの三つのオケと録音したマーラーの交響曲のひとつです。かなり評判のいい演奏であります。
しかし、この曲、よくわからないですね。まあだいたいマーラーの交響曲ってのそんなのが当たり前なんです。いったい何を表現したいのか、よくわかりません。第1・第2楽章と第4・5楽章の様子の違いってのは、一体何なんでしょうか。しかし、曲は、聴いてて楽しめるものだし、聴きごたえもあり、心に訴えかけるものなんです。好きか嫌いかといえば、断然好きなんです。しかし、曲の明暗の展開はどう考えてもわからないものです。
バーンスタインの演奏、これがまたねちっこいもの。テンポは少しゆったりめで、これほど掘り下げた演奏があろうかというものです。その旋律の表現は、心の琴線に土足ではいってくるように大胆で、とことん旋律を歌い上げています。金菅は咆哮の限りを尽くし、弦はすすり泣くような、これもまたそこらかしこでは聴けない表現なのであります。また、VPOの演奏も特筆すべきものです。このVPOしか出し得ないような音色がいたるところで聴かれます。バーンスタインの演奏も、VPOなればこそのものでしょう。
第1楽章。二つの中間部を持つ。まず澄んだトランペットによる主題が出されたあと、ゆったりめのテンポで葬送行進曲のモチーフが弦で繰り返される。この弦からしてこの演奏の特徴の極み。暗く粘着質の表現。これ以降、陰鬱な雰囲気が支配的。この暗さは尋常ではありませんねえ。低弦の音が心に突き刺さる。最初の中間部では。金管が激しい。陰鬱な感情がどんどん深まって行く。最後、葬送行進曲がおどろおどろしくティンパニで出された後、次の中間部に入るが、その最初の弦による主題の暗いこと。これは救いようがない暗さですね。それ以降も最後の弦のピチカートでの終わりの一音も深い音です。第2楽章、低弦に続きヴァイオリンでの第1主題、そして、チェロによる第二主題、これがまた陰鬱。バーンスタインの思い入れもたっぷり。展開部では、チェロによる陰鬱なメロディが心に突き刺さる。そして終わりの方に、金管によるテーマが朗々と流れる。この明るさがよくわかりません。明るさだけではないようですが…。第3楽章。一転してホルンによる明るい主題から始まる。しかし曲が進んでいくうちに空虚な明るさが強調される。中間部では、VPOの鮮やかな演奏が印象的です。この楽章は分岐点なんですかねえ。バーンスタインの鮮やかな演奏です。第4楽章アダージェット。弦とハープのみでの演奏。ここでも熱帯夜のようなねっとりしたまとわりつくような弦が美しいメロディを奏でます。バーンスタインと体質があらわれるようです。何度聴いても美しい。そして第5楽章。前半の暗さから一転して、牧歌的な明るさに満ちた楽章。VPOの美音に裏打ちされたスキのない充実感いっぱいの演奏ですね。さすがのバーンスタインです。
この交響曲は、通して聴くと、けっこうな充実感を感じるんですねえ。最初とはうらはらに、最後は、幸福な気分になります。これもマーラーの特徴でしょうか。
(DG 423 608-2 1988年 輸入盤)
この演奏、立派なのは理解できるんですが、わたしには受け付けませんでした…。
え?マーラーがよく聞こえるのは不健康な証拠なんですか…?最近、マーラーが急に心に染みるようになって、いろいろ聴きあさっています…。