こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ついに、『英雄の生涯』

2007年07月08日 16時40分04秒 | R・シュトラウス
九州では大雨が降ってますが、近畿ではそれほどでもなく、琵琶湖はどんなもんでしょうか。梅雨前線がもう少し北上して、それなりの雨が神戸にも降って、梅雨明けになってもらいたいものです。
先日、三宮で中古CD漁りをしたときに、サー・サイモン・ラトルとBPOのR・シュトラウスの「英雄の生涯」を買いました。特に、これが欲しかったというわけでもなんでもなく、単なる衝動買いなんですがね。ラトルは、アバドの後継として、2002年にBPOの音楽監督になりました。BPOといえば、フルトヴェングラー、カラヤンと歴代の音楽監督からも、ドイツ音楽の正統的伝統を背負うオケであることには間違いありません。それにアバド、ラトルといわば外国人が続けて音楽監督となって、この伝統がどう変わっていくかは、最大の関心事であるわけです。50代になったばかりのラトルは、今後長年にわたってこのオケを背負うことになるわけですから、彼がどのような音楽を作るのかは注目しなければなりませんね。そんな興味もあって、このCDを買ってみました。
R・シュトラウスについては、どーでしょうか、オペラや歌曲はよく聴いてきましたね。しかし、彼の交響詩については、一応のCDは持ってますが、熱心には聴いてはいませんでした。ちょこっと聴く程度で、CDも「ドン・ファン」「ティル」「ドンキホーテ」「ツァラトゥストラ」「死と変容」そして「英雄の生涯」なども、カラヤンのDGの録音を一通り持っているくらいでした。それほど音楽も好きではなかったのです。何でかと言えば、たいそうはオケの演奏に加え、同じような旋律や雰囲気の音楽が、やたら出てくるんですね。それが嫌になるくらい耳につくんですね。それが嫌いではないんですけどね。だから、きちんと聴かないといけないなとは、よく思っていました。
「英雄の生涯」ですが、この曲の英雄とはR・シュトラウス自身を指すと言われていまずが、そんなとこも、なんじゃこれは!ってところでしょうね。音楽自体は至極聞きやすいもので、最初の雄弁な英雄のテーマが低弦とホルンで登場して以降、さまざまなテーマが出て来ますが、問題はそれが好ましいものかどうかということですね。今回ラトルには、それほどの印象を持ち得ませんでした。20年前に録音された同じBPOとカラヤンの演奏のほうが断然ひかれるものが強いのです。オケの表現力は、歴然とした差を感じますし、それが、指揮者の違いと言えばそれまでですが。終曲の「英雄の引退と完成」は、作曲家の個性が強く出たところと思いますが、この「ドン・キホーテ」の終曲のテーマの引用以降でのカラヤンはうまいです。年老いた英雄の諦念をこれほどうまく奏でるか、と思うわけで、そこにはラトルとの違いを強く感じます。
しかし、カラヤンのCDでは、この曲をいいとは思わなかったのに、何度もラトルの演奏を聴いて、この曲への興味を駆り立てられているのも事実なんですねえ。

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