先週末、ほんとに久しぶりにプロ野球を見に行きました。ほっともっと神戸でバファロ-ズとマリーンズの対戦。結果は5-3でマリーンズが待ちました。めでたしなんですが、この日は、バファローズは、阪急ブレーブスのユニホームでのゲーム(なんとなく近鉄と阪急がごっちゃの気分ですね)。ブレーブスの福本・加藤・山田さんが始球式とか、まあ懐かしい趣向でありました。というのも、学生のころ、西宮球場に阪急・ロッテ戦をよく見に行ったんですね。今と違って球場は閑古鳥が鳴いていましたよ。三塁側のベンチの上の方で見ていました。当時サードは有藤が守ってました。そんなときをブレーブスのユニフォームを見て懐かしく思い出しました。
さてさて、GWに岡山に行ったときに彼の地の中古やさんで、見つけたCDです。マーラーの交響曲第4番ト長調。ベルナルト・ハイティンク指揮ACO。ソプラノはロバータ・アレクサンダー。1983年10月、アムステルダムのコンセルトヘボウでの録音です。このCD、タワーレコードから復刻されたものです。7番との2枚組。しかし、ハイティンクのマーラーというのは、いったいどれくらいあるんでしょうか。1960年代にACOと録音した全集、1980年代にBPOとの1~7番。そして最近シカゴ響とのライブ…。たくさんあります。4番だけでも、1982年と2006年のライブもあり、このCDの演奏も含めて合計6種類。現代の屈指のマーラー指揮者であります。
しかし、ハイティンクさん、いまや巨匠であります。齢80を超えるということで円熟味を増したということなんでしょうね。若い頃の演奏をそれほど聴いたことがあるわけでもないのですが、聴く度に納得させてくれるものであることが間違いありません。かつての印象といえば、没個性的とでもいうのでしょうか。他に個性的な指揮者が多すぎたこともあるのでしょうが、聴いても、妙に物足りなさを感じたものです。しかし、今やそういった印象よりも、表現には深いしわが刻み込まれ、コクのある味わい深い演奏が展開されているのであります。もしかすると、現代の指揮者の多くには、昔のような個性あふれる表情を見ることができなくなったのかもしれませんねえ。
そんなわけで、このマーラーの4番であります。まず、ACOが醸し出す音色が実に美しい。特に、弦楽器はやわらかで、楽器本来の美しさがうまく表現されています。木管もチャーミングでこれまたやわらかな美しさに満ちています。まさに素材の美しさを十二分に表現した演奏です。加えて、ハイティンクの人柄にもよるのかも知れませんが、優しい。音楽の表情が実に優しい。第1楽章から、尖ったり、ひねてみたり、そんなところは微塵もない。そして、4番という曲故かも知れませんが、いわゆるマーラーの音楽のえぐさとも無縁で、非常に気持ちよく、全曲を聴くことができ、素直であるがゆえに曲が抵抗なく入ってくるのです。これはたいそう心地よい。第2楽章にしても、マーラーの音楽の深層には入らなくてよいのです。ACOの巧さにうとりしてしまう。特にヴァイオリンの音色が印象深いのであります。そして、第3楽章になると、曲自体の美しさが、過度な表現ではなく淡々とした演奏の中に、実にきれいな音楽が繰り広げられます。各楽器の美しさがブレンドされ、この楽章は惚れ惚れしますよ、そして、第4楽章。こんなハイティンクの指揮では、アレクサンダーのソプラノへの伴奏もうまいのです。もしかすると、この楽章のソプラノとの絡みが一番よかったのかもしれません。以上のような演奏であるからこそ、1970年代なら個性がないとか、何が言いたいのかわからん、とかの声が聞こえてきたのかもしれませんねえ。
このCDは、タワーさんでしか入手できないというのが、少々不便であるんですが、タワーさんが発売してくれたからこそ、今こうして聴くことができるんですねえ。ありがたいことであります。
(TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE COLLECTION PROC-1075 2010年)
さてさて、GWに岡山に行ったときに彼の地の中古やさんで、見つけたCDです。マーラーの交響曲第4番ト長調。ベルナルト・ハイティンク指揮ACO。ソプラノはロバータ・アレクサンダー。1983年10月、アムステルダムのコンセルトヘボウでの録音です。このCD、タワーレコードから復刻されたものです。7番との2枚組。しかし、ハイティンクのマーラーというのは、いったいどれくらいあるんでしょうか。1960年代にACOと録音した全集、1980年代にBPOとの1~7番。そして最近シカゴ響とのライブ…。たくさんあります。4番だけでも、1982年と2006年のライブもあり、このCDの演奏も含めて合計6種類。現代の屈指のマーラー指揮者であります。
しかし、ハイティンクさん、いまや巨匠であります。齢80を超えるということで円熟味を増したということなんでしょうね。若い頃の演奏をそれほど聴いたことがあるわけでもないのですが、聴く度に納得させてくれるものであることが間違いありません。かつての印象といえば、没個性的とでもいうのでしょうか。他に個性的な指揮者が多すぎたこともあるのでしょうが、聴いても、妙に物足りなさを感じたものです。しかし、今やそういった印象よりも、表現には深いしわが刻み込まれ、コクのある味わい深い演奏が展開されているのであります。もしかすると、現代の指揮者の多くには、昔のような個性あふれる表情を見ることができなくなったのかもしれませんねえ。
そんなわけで、このマーラーの4番であります。まず、ACOが醸し出す音色が実に美しい。特に、弦楽器はやわらかで、楽器本来の美しさがうまく表現されています。木管もチャーミングでこれまたやわらかな美しさに満ちています。まさに素材の美しさを十二分に表現した演奏です。加えて、ハイティンクの人柄にもよるのかも知れませんが、優しい。音楽の表情が実に優しい。第1楽章から、尖ったり、ひねてみたり、そんなところは微塵もない。そして、4番という曲故かも知れませんが、いわゆるマーラーの音楽のえぐさとも無縁で、非常に気持ちよく、全曲を聴くことができ、素直であるがゆえに曲が抵抗なく入ってくるのです。これはたいそう心地よい。第2楽章にしても、マーラーの音楽の深層には入らなくてよいのです。ACOの巧さにうとりしてしまう。特にヴァイオリンの音色が印象深いのであります。そして、第3楽章になると、曲自体の美しさが、過度な表現ではなく淡々とした演奏の中に、実にきれいな音楽が繰り広げられます。各楽器の美しさがブレンドされ、この楽章は惚れ惚れしますよ、そして、第4楽章。こんなハイティンクの指揮では、アレクサンダーのソプラノへの伴奏もうまいのです。もしかすると、この楽章のソプラノとの絡みが一番よかったのかもしれません。以上のような演奏であるからこそ、1970年代なら個性がないとか、何が言いたいのかわからん、とかの声が聞こえてきたのかもしれませんねえ。
このCDは、タワーさんでしか入手できないというのが、少々不便であるんですが、タワーさんが発売してくれたからこそ、今こうして聴くことができるんですねえ。ありがたいことであります。
(TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE COLLECTION PROC-1075 2010年)
ハイティンクがコンセルトヘボウ管とデジタルで再録音したマーラーの4番は、本当に素晴らしい演奏でした。名演と思います。しばらく廃盤だったようですが、復活して良かったです。タワー・レコード、良い仕事してますね(^^)v。7番もカップリングとのこと、これも掛け値なしの名演奏と思っています。
フィリップスの素晴らしい録音もあいまって、愛聴盤です。復活を祝いたいと思います。
(7番は某オークションで随分高額な取引が成立しているのを見て、ビックリしたことがあります。やはり普通に入手できるのがエエですね)
ハイティンクは存命中に、一度でいいからマーラーを生で聴きたいと思っているのですが、もはや押しも押されぬ大巨匠ということで、チケット代が高すぎて手が出せなくなりました(笑)