こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

テレマンの『管弦楽組曲』です。

2022年02月06日 23時33分03秒 | テレマン
なんだか北京で五輪が始まりました。ついこの前東京でやってたのに、半年後には冬季五輪。オミ株が大変な時期にねえ。夏の大会も北京では開かれたので、同じ場所で冬季も開催できるんですね、と思っていたら、人工雪にお世話になるとか。これは天然雪と違って硬いのでケガをしやすいそうですね。一昨日開会式をNHKが放送してましたが、地上波で総合とEテレで同時に放送しなくてもいいだろう、と思ってしまいました。たくさん金メダルをとって欲しいですねえ。

まあ五輪は置いといて、今回もテレマン。序曲(管弦楽組曲)です。テレマンの数多い曲の中でも、管弦楽組曲はいったいどれだけあるのか、よくわかりません。テレマンは、自伝で1705年からの二年間で約二百曲もの管弦楽組曲を作ったと言っています。プロムニッツ伯エルトマンの楽長だった時代で、エルトマンがフランス帰りで、この形式を好んだためと言われています。リュリやカンブラの序曲をテレマンに与え、それに倣った音楽を作曲することを求めたんですね。  

そもそも、テレマンの曲にはマルティン・ルーンケによるテレマン作品主題目録番号TWVが付けられており、管弦楽による序曲は、TWV55と分類されています。TWV55:C6なら、Cは調性で大文字は長調(小文字なら短調)、6は作品番号となり、この曲は序曲ハ長調で6番目の曲となります。 パトリック・ペイエによる全集と銘打った8枚組(Brillant)がありますが、これには33曲が収められています。前々回取り上げた『水上の音楽』も、この範疇に入るものですが、この全集には入っていません。パイエの全集には、D23,B11,F16,G10などの番号の曲が見えますから、これだけでも60曲があることがわかります。現存するこのジャンルの曲は134曲と言われています。 

今回の管弦楽組曲のCDは、ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏によるものです。1992年2月ロンドンでの録音。このCDに収められている序曲は、TWV55:C6、D19、B10の三曲。C6とB10は、三本のオーボエとファゴットが、D19では2本のホルンがそれぞれ独立したパートを担っています。

それでこの曲ですが、なかなか私にとっては手強い。最初は、たいそう聴きやすい曲だね、と思うのですが、それからがなかなか。それぞれの曲がなかなか頭に入ってこない。その苦難の時間をそれなりに耐えたあとに、曲のよさが実感できるのですね。以前に述べたヘンデルよりも大変。曲が似通っていること、短いことが原因でしょうか。でも、いったんわかると、聴くのも実に楽しくなりますねえ。

ピノックの演奏なんですが、ほんとに生真面目で非常に折り目正しい。隅々まできちんと行き届いた演奏は、時には堅苦しさを感じたりするときもありますが、強い求心力で着実に進めていく音楽は実に素晴らしい。弦楽器の締まった音色に、管楽器の伸びやかな響きなどともに、私的にはこんな演奏が好きですっし、総じてピノックのファンでもあります。もっと、録音して欲しいです。

三曲の中、どれもいいのですが、オーボエ三本とファゴットが加わるハ長調と変ロ長調がいいでしょうかね。特に、変ロ長調には、AirとPlainteで聴ける木管四重奏が心に染み込みます。伸びやかでしっとりとした木管の音色が響きます。ハ長調でも第3曲と第5曲、ゆったりとオーボエと弦が優しく語りかけます。ピノックの密度の高い演奏が聴けます。その他、ふたつのMenuetも好きです。チェンバロが支えてますが、これはピノックによる演奏でした。ニ長調も狩猟ホルンが加わります。第1曲からその響きが登場しますが、第5曲とともに堂々としたスケールの大きさが印象深い。どの曲でもピノックの表現力で、それぞれ味わい深い表情がみえてきます。実に素晴らしい。

と言っているところで、ジャンプノーマルヒルの小林陵侑選手の金メダルです。昨日は女子では髙梨沙羅さんが4位と残念だっただけに、よかったですね。おめでとうございます。ラージヒルでも頑張って下さい。
(Archiv POCA-1058 1993年)

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