例年のお彼岸の墓参を21日に行く予定を立てていました。そうしたところ、この日に岡山芸術創造劇場ハレノワ大劇場で、東京二期会などによるモーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』があることを知りました。岡山に行く日に岡山でオペラがある、ということなら、行かなければ必ず後悔する、それは絶対に行かねばなるまい、と思いました。それで当初の予定をいろいろ変更(まあたいしたことないんですが)して、行くことになったのでありました。
とは言え、それは当日の二週間前。気がつくのが遅かった。果たしてチケットが入手できるか。早速調べましたら、まだまだ残っていました。それも一番安い席のC席の4000円も。それで三階席のC席をゲットできました。ただ、あくまでお彼岸に行くのですから、墓参とかいろいろな行事もこなさなければならない。それも開演は2時なので、それまでにしなければならない。ということで、当日朝6時に起床して、7時にそそくさと神戸を出発したのでありました。
岡山には、その昔お城の近くに市民会館というホールがあり、私も幾度か行きました。近年(と言ってももう開館から30年だそうです)表町の上ノ町あたりに岡山シンフォニーホールができ、そして昨年このハレノワが開館(昔は映画館がたくさんあった千日前の言われていたあたりかな)。大中小の3つの劇場があり、そのあたり西宮の芸文センターのようです。大劇場も1753座席。2000人のシンフォニーホールに比べると少し小さめでありました。
それで、当日実家から市内に入る道はけっこう渋滞しており、駐車場も心配だったので、少し早めに行きました。しかし、表町周辺はそれほどの人ではかく、車も余裕で駐めれました。しかし、表町界隈の衰退も顕著ですねえ。天満屋さんも連休初日なのに、客は少なく、これで営業大丈夫?と思いますね。岡山駅前にはデカいイオンモールもできたし…。
そんなことと関係ないかも知れませんが、今回の公演、私は3階のC席。観客も贔屓目に見て4割程度。1階席などはどれくらいかわからないのですが、ホワイエも狭いですが、人は少なかったですね。やはり、政令指定都市とはいえ地方都市ですから、こんなもんか、と思いました。でも年齢層は、西宮芸文の高齢化に比べると、若い人は確実に多かったですね。
それで肝心の『コジ』ですが、やはりモーツァルトはいいなあ、とほんとに実感できた公演でした。まず演出ですが、これがなかなか難しい。第一幕終わったときには、ああこういうことかと思ったんですが、第二幕が進む中、どうも違うな、と。プログラムで演出のロラン・ベリーは「巨大な録音スタジオを舞台にすることにしたのです。完全に再現するというよりは、喚起されるイメージ、夢の中の場所のイメージ」「最初、『コジ』の舞台セッションといった感じで始まるのですが、徐々に、役者たちそれぞれが役柄そのものになっていきます。演者が役柄そのものに感じ、震え、苦しむのです」と。つまり、このオペラを録音している歌手がそれを演じているうちに、その役そのものになっていく、そんなイメージですかねえ。グリエルモとフェランドのアルバニア人の変装が、実にへんてこで、二人が似通ったメイクや服であることから、どうも夢のイメージを持ってしまいました。うーん、どうなんでしょうかねえ。
まず、クリスティアン・アルミンク指揮の広島交響楽団。下野竜也さんが音楽監督されていたオケですね。とても弦が美しい。またホルンやクラリネットもいい響きでありました。序曲が流れたとき、ああ、モーツァルトの音楽はいいなあ、と実感させてくれました。アルミンクさん、少し先を急ぐようなところも感じられましたが、全体的には歌手と巧く進めてましたね。 歌手では、まずはアルフォンゾの黒田博さん。この人が全体を引き締めていましたねえ。安定した巧さを感じました。次に、デスピーナの七澤結さん、この役が巧いとおもしろい。非常にチャーミングでフットワークも軽く、怪しげな医者や公証人もよかった。グリエルモの小林啓倫さんとフェランドの金山京介さん。アルバニア人になってからは似通った風貌になりましたが、しっかり個性と発揮され、金山さんの方が役では目出しますが、小林さんもよかったです。そして、姉妹ふたりですが、フィオルディリージの吉田珠代さんはもう少し声質が高ければいいのにと思いましたが、ふたつの有名なアリアも巧くまとめてました。ドラベッラの小泉詠子さんもMSとて他の役も聴いてみたいなと思う歌声でした。やはり、モーツァルトはよかったです。また聴きたいですね。この男女4人の愛を確認する、ふたつの二重唱の第23、29曲は、とてもよかったです。男声は優しさを、女声は情熱を感じました。
ところで、最後になりましたが、今回で1200回目の投稿になったそうです。立ち上げて18年と少しになりますが、まあ1つの区切りでなのかなあ、と思っています。
とは言え、それは当日の二週間前。気がつくのが遅かった。果たしてチケットが入手できるか。早速調べましたら、まだまだ残っていました。それも一番安い席のC席の4000円も。それで三階席のC席をゲットできました。ただ、あくまでお彼岸に行くのですから、墓参とかいろいろな行事もこなさなければならない。それも開演は2時なので、それまでにしなければならない。ということで、当日朝6時に起床して、7時にそそくさと神戸を出発したのでありました。
岡山には、その昔お城の近くに市民会館というホールがあり、私も幾度か行きました。近年(と言ってももう開館から30年だそうです)表町の上ノ町あたりに岡山シンフォニーホールができ、そして昨年このハレノワが開館(昔は映画館がたくさんあった千日前の言われていたあたりかな)。大中小の3つの劇場があり、そのあたり西宮の芸文センターのようです。大劇場も1753座席。2000人のシンフォニーホールに比べると少し小さめでありました。
それで、当日実家から市内に入る道はけっこう渋滞しており、駐車場も心配だったので、少し早めに行きました。しかし、表町周辺はそれほどの人ではかく、車も余裕で駐めれました。しかし、表町界隈の衰退も顕著ですねえ。天満屋さんも連休初日なのに、客は少なく、これで営業大丈夫?と思いますね。岡山駅前にはデカいイオンモールもできたし…。
そんなことと関係ないかも知れませんが、今回の公演、私は3階のC席。観客も贔屓目に見て4割程度。1階席などはどれくらいかわからないのですが、ホワイエも狭いですが、人は少なかったですね。やはり、政令指定都市とはいえ地方都市ですから、こんなもんか、と思いました。でも年齢層は、西宮芸文の高齢化に比べると、若い人は確実に多かったですね。
それで肝心の『コジ』ですが、やはりモーツァルトはいいなあ、とほんとに実感できた公演でした。まず演出ですが、これがなかなか難しい。第一幕終わったときには、ああこういうことかと思ったんですが、第二幕が進む中、どうも違うな、と。プログラムで演出のロラン・ベリーは「巨大な録音スタジオを舞台にすることにしたのです。完全に再現するというよりは、喚起されるイメージ、夢の中の場所のイメージ」「最初、『コジ』の舞台セッションといった感じで始まるのですが、徐々に、役者たちそれぞれが役柄そのものになっていきます。演者が役柄そのものに感じ、震え、苦しむのです」と。つまり、このオペラを録音している歌手がそれを演じているうちに、その役そのものになっていく、そんなイメージですかねえ。グリエルモとフェランドのアルバニア人の変装が、実にへんてこで、二人が似通ったメイクや服であることから、どうも夢のイメージを持ってしまいました。うーん、どうなんでしょうかねえ。
まず、クリスティアン・アルミンク指揮の広島交響楽団。下野竜也さんが音楽監督されていたオケですね。とても弦が美しい。またホルンやクラリネットもいい響きでありました。序曲が流れたとき、ああ、モーツァルトの音楽はいいなあ、と実感させてくれました。アルミンクさん、少し先を急ぐようなところも感じられましたが、全体的には歌手と巧く進めてましたね。 歌手では、まずはアルフォンゾの黒田博さん。この人が全体を引き締めていましたねえ。安定した巧さを感じました。次に、デスピーナの七澤結さん、この役が巧いとおもしろい。非常にチャーミングでフットワークも軽く、怪しげな医者や公証人もよかった。グリエルモの小林啓倫さんとフェランドの金山京介さん。アルバニア人になってからは似通った風貌になりましたが、しっかり個性と発揮され、金山さんの方が役では目出しますが、小林さんもよかったです。そして、姉妹ふたりですが、フィオルディリージの吉田珠代さんはもう少し声質が高ければいいのにと思いましたが、ふたつの有名なアリアも巧くまとめてました。ドラベッラの小泉詠子さんもMSとて他の役も聴いてみたいなと思う歌声でした。やはり、モーツァルトはよかったです。また聴きたいですね。この男女4人の愛を確認する、ふたつの二重唱の第23、29曲は、とてもよかったです。男声は優しさを、女声は情熱を感じました。
ところで、最後になりましたが、今回で1200回目の投稿になったそうです。立ち上げて18年と少しになりますが、まあ1つの区切りでなのかなあ、と思っています。
1200回のこと、重ねてありがとうございます。駄文を重ねて…、ということですね笑。
岡山の帰省の機会を捉えてのご鑑賞だったのですね。今年度のハレノワでのグランド・オペラの上演はこれだけで、開館初年度の熱気に比べて早くも寂しく感じます。表町も一時期に比べるとシャッター店舗は減りましたが衰退の流れは止まらないですね。
私としては天神町の当初の予定地に建てて欲しかったですが、いつの間にかその場所には山陽放送が建ちました。
来年度はシンフォニーホールが大規模改修に入る関係で、ハレノワ大ホールに2館分の需要が集中するため、オペラのような数日間占拠する特別なイベントはしばらく難しいかも知れません。