5月になりました。GW、真っ直中ですねえ。今年のGWは三連休が二回という内容ですが、その中、2日はお仕事。2日は岡山と大阪の家人の実家に、そして、2日は家でごろごろ、ということになりそうです。家でごろごろといっても、例年恒例の仕事をしなければならないので、まあなんとも慌ただしいのであります。29日にやっと赤いフィットが来ました。新車はいいですねえ。独特の新車の匂いがいいです。しかし、娘の車なので、あまり運転させてくれません。運転しても、新車なんで気を遣うことしきりであります。
ということで、今回もマーラーです。最近一番よく聴いているのではないかと思います。しかし、今回は交響曲ではなく、歌曲集。マーラーの歌曲は好きです。同時代のRシュトラウスと並び、よく聴きますね。『さすらう若人の歌』『子供の不思議な角笛』『亡き子をしのぶ歌』『リッケルトの5つの歌』など有名ですが、それらよりは前の曲。1880年から1889年にかけて作曲され、1892年に3巻に分けて出版された、『若き日の歌』です。14曲からなる連作歌曲集。単にもともとは「歌曲集」(Lieder und Ges�nge )と呼ばれているようです。となると、『若き日の歌』とはどこから派生した名称なんでしょうかね。
この曲のCDとしては、それほど知らないというか、このCDしか知りません。ジャネット・ベイカーのメゾソプラノと、ジェフリー・パーソンズのピアノによるものです。1983年2月24.25日の録音です。ベイカーのマーラーは、バルビローリとの歌曲集や、ハイティンクとの大地の歌などが知られています。特に、バルビローリとのリッケルト歌曲は、清楚な美しさで、大変気に入っているものです。それを聴いて以来、ベイカーの録音は好んで聴くようになりました。このCDでのベイカーの歌唱も、スタンダードとなるような規範的なものと思います。マーラーの歌曲は、交響曲以上に好きですねえ。ドイツ・リートというとなんとなく敷居が高いようですが、シューベルト、シューマンやブラームスなどのお歴々などと比べても、マーラーの歌曲はわかりやすいですし、親しみ安いと思っています。
さて、この『若き日の歌』ですが、14曲、時間的にも30分と少しのものです。まず、ジェフリー・パーソンズ、この人のピアノの伴奏っていつも思うのですが、巧いですね。非常に的確な表現と表情、そして、ピアノの音色も非常にきれいです。ピアノだけを聴いていてもけっこう楽しめます。一方、ベイカーですが、少々高音がきついところもありますが、歌は非常に丁寧で、いろんなところでの表情の豊かさ、また曲ごとの表現の適切性も実感できます。加えて、声質もたいそう暖かみと母性を感じさせるところ、これもいいです。ここに収められている歌曲は、後の作品に比べるなら、素朴でありややもすれば、深みに欠けるところもあったりしますが、それぞれの特徴をうまく表現していますね。ただし、後半以降は少々飽きてくるなってところもなきにしもあらず…。むしろ、これは曲の問題ですかねえ。「緑の森を楽しく歩いた」では、初夏の緑でしょうか、その中を歩く様子が写実的に描写され、この中でも最も好きな一曲です。「たくましい想像力」では、好奇心を駆り立てられる真理がいいです。「思い出」では、マイナー美しさと駆り立てれる不安感がよく表れています。「もう会えない」ではピアニッシモ的な静音での美しさがある一方での劇的な表情が巧いです。「いたずらな子をしかりつけるために」は、『角笛』に発展していくような素地が見られます。快活な表現がいいです。「外へ外へ」は最後の「Aus!Aus!」が誠に印象的です。全体的に、マーラーの若さがあふれ出るとでも言うのでしょうか。
最後に「さすらう若人の歌」が収められていますが、ピアノ伴奏もいいです。
マーラーの歌曲、もっとも早い時期のものですが、まさに『若き日』の慟哭でしょうか。後のマーラーの片鱗が見られるものもあります。CDのレーベルはハイペリオンでありますが、近年それほど聞きませんねえ。
(hyperion CDA66100 1986年)
ということで、今回もマーラーです。最近一番よく聴いているのではないかと思います。しかし、今回は交響曲ではなく、歌曲集。マーラーの歌曲は好きです。同時代のRシュトラウスと並び、よく聴きますね。『さすらう若人の歌』『子供の不思議な角笛』『亡き子をしのぶ歌』『リッケルトの5つの歌』など有名ですが、それらよりは前の曲。1880年から1889年にかけて作曲され、1892年に3巻に分けて出版された、『若き日の歌』です。14曲からなる連作歌曲集。単にもともとは「歌曲集」(Lieder und Ges�nge )と呼ばれているようです。となると、『若き日の歌』とはどこから派生した名称なんでしょうかね。
この曲のCDとしては、それほど知らないというか、このCDしか知りません。ジャネット・ベイカーのメゾソプラノと、ジェフリー・パーソンズのピアノによるものです。1983年2月24.25日の録音です。ベイカーのマーラーは、バルビローリとの歌曲集や、ハイティンクとの大地の歌などが知られています。特に、バルビローリとのリッケルト歌曲は、清楚な美しさで、大変気に入っているものです。それを聴いて以来、ベイカーの録音は好んで聴くようになりました。このCDでのベイカーの歌唱も、スタンダードとなるような規範的なものと思います。マーラーの歌曲は、交響曲以上に好きですねえ。ドイツ・リートというとなんとなく敷居が高いようですが、シューベルト、シューマンやブラームスなどのお歴々などと比べても、マーラーの歌曲はわかりやすいですし、親しみ安いと思っています。
さて、この『若き日の歌』ですが、14曲、時間的にも30分と少しのものです。まず、ジェフリー・パーソンズ、この人のピアノの伴奏っていつも思うのですが、巧いですね。非常に的確な表現と表情、そして、ピアノの音色も非常にきれいです。ピアノだけを聴いていてもけっこう楽しめます。一方、ベイカーですが、少々高音がきついところもありますが、歌は非常に丁寧で、いろんなところでの表情の豊かさ、また曲ごとの表現の適切性も実感できます。加えて、声質もたいそう暖かみと母性を感じさせるところ、これもいいです。ここに収められている歌曲は、後の作品に比べるなら、素朴でありややもすれば、深みに欠けるところもあったりしますが、それぞれの特徴をうまく表現していますね。ただし、後半以降は少々飽きてくるなってところもなきにしもあらず…。むしろ、これは曲の問題ですかねえ。「緑の森を楽しく歩いた」では、初夏の緑でしょうか、その中を歩く様子が写実的に描写され、この中でも最も好きな一曲です。「たくましい想像力」では、好奇心を駆り立てられる真理がいいです。「思い出」では、マイナー美しさと駆り立てれる不安感がよく表れています。「もう会えない」ではピアニッシモ的な静音での美しさがある一方での劇的な表情が巧いです。「いたずらな子をしかりつけるために」は、『角笛』に発展していくような素地が見られます。快活な表現がいいです。「外へ外へ」は最後の「Aus!Aus!」が誠に印象的です。全体的に、マーラーの若さがあふれ出るとでも言うのでしょうか。
最後に「さすらう若人の歌」が収められていますが、ピアノ伴奏もいいです。
マーラーの歌曲、もっとも早い時期のものですが、まさに『若き日』の慟哭でしょうか。後のマーラーの片鱗が見られるものもあります。CDのレーベルはハイペリオンでありますが、近年それほど聞きませんねえ。
(hyperion CDA66100 1986年)