新年度になりました。うちの娘と息子は、ふたりとも職場を転勤することになりました。どちらもけっこう大変なところへ転勤します。息子の方は自らの希望なのでまあいいか、と思うのですが、娘の方はそれを聞きつけた私の知人なども「娘さん、大変ですねえ」と心配してくれるようなことなんです。親父としても、まあ若い時の苦労は貴重だと思ってはいますが、それなりに心配です。もっと気になるのは職場が海沿いのところで、大地震がおこれば津波が直撃しそうなのであります。うーん、こっちの方が心配だったりして…。
ということで、今回は初めて取り上げる作曲家。大バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハであります。一昔前は、バッハのばちものとかの印象しかなかったのですが、近年評価は上がり、「もしかすると、モーツァルトやベートーヴェンの音楽は、彼の模倣ではないか」(林田直樹『クラシック新定番100人100曲』)とも言われ、CDもバッハのお子様の中では最もたくさん出ています。実際に、生前は大バッハよりも評価が高かったとも言われています。ベルリンやハンブルグのバッハと言われたり、テレマンを崇拝して、テレマンが楽長をしていた楽団の後任の楽長となったなどと言われています。シンフォニアと協奏曲と鍵盤楽器の作品が多いですねえ。
今回は、deutsche harmonia mundiからのCPEバッハ・エディションの10枚組を買いまして、その中からの一枚。トーマス・ヘンゲルブロック指揮フライブルク・バロック・オーケストラの演奏。曲はハンブルグ・シンフォニーと言われるシンフォニアWq.182から3番ハ長調、4番イ長調、5番ロ短調、そしてチェンバロ協奏曲ハ短調Wq.43-4とオーボエ協奏曲変ホ長調Wq.165。以上の5曲が収められています。独奏はアンドレアス・シュタイアー(cm)ハンス=ペーター・ヴェスターマン(ob)。1990年の録音です。
総じてバロック音楽は、聴きやすいのですが、印象に残らない、そんなイメージがあります。このCPEバッハの演奏は、そんな一面があるのも確かなんですが、聴き込んでいくとそうでもないですかね。シンフォニアの第3番第3楽章、チェンバロ協奏曲第3楽章などは、一度聴いただけで記憶に残るものですね。そして他も奥が深いです。このフライブルクBO、写真などで見ると、25名前後の集団です。古楽器特有の響きではありますが、このオケは素晴らしいです。規模も少ないこともあって、小回りがきき、強弱、硬柔、温冷織り交ぜながらの演奏は、実に清新で鮮やかであり、心地いいものです。
3曲のシンフォニアもそれぞれ特徴のある曲です。どの演奏も表現の振幅が大きく、表情が豊かであります。第3番は、第1楽章冒頭から鮮烈な曲の展開で、印象深い。そして第2楽章で陰鬱な表情で終始したのちに、第3楽章では明朗で清新な曲が展開されます。少人数でしょうが、音楽は奥が深いですねえ。オーボエ協奏曲は、ヴェスターマンのオーボエは派手さはないですが、堅実な響きと落ち着いた趣ある音色がいいです。第2楽章はこの9分と少しで、このCDの中で最も長い楽章ですが、ゆったりとしたラルゴの流れに、悲しげなオーボエが溶け込むようで、聴いていて、心が洗われるようです。そして、三曲目のシンフォニアは短調の曲です。古楽器の演奏って、短調の曲にはよくあいますよねえ。ヘンゲルブロックは、こんなマイナーな曲の表情をたいそう深く掘り下げるように演奏しているので、それは聴く方に痛切なイメージを与えてくれます。
CPEバッハについて、それほど知らないので、しっかり勉強したいと思います。CDもBOXものが多いですが、これはこれでおトクではありますし、うれしいことであります。
(DHM 88843021622 2014 輸入盤)
ということで、今回は初めて取り上げる作曲家。大バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハであります。一昔前は、バッハのばちものとかの印象しかなかったのですが、近年評価は上がり、「もしかすると、モーツァルトやベートーヴェンの音楽は、彼の模倣ではないか」(林田直樹『クラシック新定番100人100曲』)とも言われ、CDもバッハのお子様の中では最もたくさん出ています。実際に、生前は大バッハよりも評価が高かったとも言われています。ベルリンやハンブルグのバッハと言われたり、テレマンを崇拝して、テレマンが楽長をしていた楽団の後任の楽長となったなどと言われています。シンフォニアと協奏曲と鍵盤楽器の作品が多いですねえ。
今回は、deutsche harmonia mundiからのCPEバッハ・エディションの10枚組を買いまして、その中からの一枚。トーマス・ヘンゲルブロック指揮フライブルク・バロック・オーケストラの演奏。曲はハンブルグ・シンフォニーと言われるシンフォニアWq.182から3番ハ長調、4番イ長調、5番ロ短調、そしてチェンバロ協奏曲ハ短調Wq.43-4とオーボエ協奏曲変ホ長調Wq.165。以上の5曲が収められています。独奏はアンドレアス・シュタイアー(cm)ハンス=ペーター・ヴェスターマン(ob)。1990年の録音です。
総じてバロック音楽は、聴きやすいのですが、印象に残らない、そんなイメージがあります。このCPEバッハの演奏は、そんな一面があるのも確かなんですが、聴き込んでいくとそうでもないですかね。シンフォニアの第3番第3楽章、チェンバロ協奏曲第3楽章などは、一度聴いただけで記憶に残るものですね。そして他も奥が深いです。このフライブルクBO、写真などで見ると、25名前後の集団です。古楽器特有の響きではありますが、このオケは素晴らしいです。規模も少ないこともあって、小回りがきき、強弱、硬柔、温冷織り交ぜながらの演奏は、実に清新で鮮やかであり、心地いいものです。
3曲のシンフォニアもそれぞれ特徴のある曲です。どの演奏も表現の振幅が大きく、表情が豊かであります。第3番は、第1楽章冒頭から鮮烈な曲の展開で、印象深い。そして第2楽章で陰鬱な表情で終始したのちに、第3楽章では明朗で清新な曲が展開されます。少人数でしょうが、音楽は奥が深いですねえ。オーボエ協奏曲は、ヴェスターマンのオーボエは派手さはないですが、堅実な響きと落ち着いた趣ある音色がいいです。第2楽章はこの9分と少しで、このCDの中で最も長い楽章ですが、ゆったりとしたラルゴの流れに、悲しげなオーボエが溶け込むようで、聴いていて、心が洗われるようです。そして、三曲目のシンフォニアは短調の曲です。古楽器の演奏って、短調の曲にはよくあいますよねえ。ヘンゲルブロックは、こんなマイナーな曲の表情をたいそう深く掘り下げるように演奏しているので、それは聴く方に痛切なイメージを与えてくれます。
CPEバッハについて、それほど知らないので、しっかり勉強したいと思います。CDもBOXものが多いですが、これはこれでおトクではありますし、うれしいことであります。
(DHM 88843021622 2014 輸入盤)
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