コロナも一段落なんですかねえ。もうほとんど平常に戻りつつあります。となるとマスクなしの生活がいつ来るか。振り返ってみると、ここ3年ぐらいは常にマスク。これ以降知り合った方々の素顔は見たことがない。マスクをとったら、こんなお顔なのね、となりますよね。それっていたく興味深いことでありますし、一方では恥ずかしかったり…。マスク好きの日本人は、マスクがイスラムのヒジャブのようになったりするかもしれないですねえ。なんだかおもしろいです。
まあ、そんなことを思いつつ、今回もヘンデルであります。ヘンデルを聴き始めたころ、ヘンデルもバッハと同じくらいの器楽曲があるんだ、と思っていました。しかし、ヘンデルの器楽曲ってそれほどはない(まあこれは多い少ないは主観の問題ですが)んですかね。というのも、今回取り上げるのが、ヘンデルのトリオ・ソナタ集をききつつ、そんなことを思いました。トレヴァー・ピノックとイングリッシュ・コンサートのメンバーによる演奏によるヘンデルのトリオ・ソナタ集。リザ・ベズノシウク(fl)、サイモン・スタンデイジ、ミカエラ・コンベルティ(Vn)、アンソニー・プリース(Vc)、トレヴァー・ピノック(Cem)、1985年1月、ロンドンのアビーロードスタジオでの録音です。
そもそもトリオ・ソナタとは、バロックの時代に人気のあった形式です。2つの旋律楽器と1つの通奏低音で3声となるのでこのトリオソナタの呼称がありますが、通奏低音が複数である場合もあるので、必ずしも3人で演奏されるとは限りません。ヘンデルは、作品2の6曲のトリオ・ソナタ(HWV386a-394の11曲)と、作品5に7曲(HWV397-402)のトリオソナタがあります.その他にも、HWV380-385の6つのトリオ・ソナタがありますが、これは疑作とも言われています。また、HWV403,405にもトリオ・ソナタがあります。作品5については、以前にアカデミーアンサンブルの演奏で取り上げたことがあります。
このCDには6曲が収められています。④作品2-1のロ短調、⑥2-3の変ロ長調、⑤5-2のニ長調、①5-4のト長調。それに番号無しの③ト短調の5曲と、②作品1-3のイ長調のヴァイオリンソナタがなぜが収められています。トリオ・ソナタ選集となってますね。通奏低音は、チェロとチェンバロ、そして④はフルートとヴァイオリン、①③④⑤は、ヴァイオリンが2つ、②はヴァイオリン1つであります。
このCDに収められた曲は、ヘンデルらしい旋律美にあふれていますねえ。まるで、彼の歌劇などのアリアのようであります。ほんとうに、聴けば聴くほど、そのよさがどんどんわかるような曲であります。そしてそんな音楽をピノックらが、実にそのよさを引き出してくれているのです。まず、スタンデイジのヴァイオリンがとてもよい。最初の音を聴いた途端その素晴らしさを実感します。音色が実に美しく、響きも鮮烈なのであり、生気に満ち満ちております。そして、通奏低音も非常にしっかりしており、それによって演奏がたいへん奥行きが出来て、いわば立体的な印象をもつのでした。それによって演奏の枠組みが大きく、表情も豊かなところが本当にいいですねえ。加えて、古楽器の響きも清新であります。
いい曲が多いのですが、まずは①のパッサカリアとメヌエット。前者はこのCDの中でも最も充実した内容。5分半の曲で非常に奥が深い。後者は、メヌエットの優しい旋律が響く。②は短いアダージョの深い憂い。③ではラルゴのでの2本のヴァイオリンの交差がとてもいい。④はフルート。ここでもラルゴの深さが心にい染み込みます、⑤はミュゼット。変化に富んだ曲想がいいです。そして⑥のアンダンテとアレグロⅡが印象に残ります。全体的にゆったりとしたテンポの曲がいいですが、それ以外の躍動感もありです。この6曲は、ピノックらの選曲でしょうが、なかなかよく考えられたものですねえ。
気がつくと、もう6月下旬。夏に近づいてきましたね。そして、梅雨の後半。今年も豪雨があるのか、心配です。何事もなく夏になって欲しいものであります。
(ARCHIV 415 497-2 1985年 輸入盤)
まあ、そんなことを思いつつ、今回もヘンデルであります。ヘンデルを聴き始めたころ、ヘンデルもバッハと同じくらいの器楽曲があるんだ、と思っていました。しかし、ヘンデルの器楽曲ってそれほどはない(まあこれは多い少ないは主観の問題ですが)んですかね。というのも、今回取り上げるのが、ヘンデルのトリオ・ソナタ集をききつつ、そんなことを思いました。トレヴァー・ピノックとイングリッシュ・コンサートのメンバーによる演奏によるヘンデルのトリオ・ソナタ集。リザ・ベズノシウク(fl)、サイモン・スタンデイジ、ミカエラ・コンベルティ(Vn)、アンソニー・プリース(Vc)、トレヴァー・ピノック(Cem)、1985年1月、ロンドンのアビーロードスタジオでの録音です。
そもそもトリオ・ソナタとは、バロックの時代に人気のあった形式です。2つの旋律楽器と1つの通奏低音で3声となるのでこのトリオソナタの呼称がありますが、通奏低音が複数である場合もあるので、必ずしも3人で演奏されるとは限りません。ヘンデルは、作品2の6曲のトリオ・ソナタ(HWV386a-394の11曲)と、作品5に7曲(HWV397-402)のトリオソナタがあります.その他にも、HWV380-385の6つのトリオ・ソナタがありますが、これは疑作とも言われています。また、HWV403,405にもトリオ・ソナタがあります。作品5については、以前にアカデミーアンサンブルの演奏で取り上げたことがあります。
このCDには6曲が収められています。④作品2-1のロ短調、⑥2-3の変ロ長調、⑤5-2のニ長調、①5-4のト長調。それに番号無しの③ト短調の5曲と、②作品1-3のイ長調のヴァイオリンソナタがなぜが収められています。トリオ・ソナタ選集となってますね。通奏低音は、チェロとチェンバロ、そして④はフルートとヴァイオリン、①③④⑤は、ヴァイオリンが2つ、②はヴァイオリン1つであります。
このCDに収められた曲は、ヘンデルらしい旋律美にあふれていますねえ。まるで、彼の歌劇などのアリアのようであります。ほんとうに、聴けば聴くほど、そのよさがどんどんわかるような曲であります。そしてそんな音楽をピノックらが、実にそのよさを引き出してくれているのです。まず、スタンデイジのヴァイオリンがとてもよい。最初の音を聴いた途端その素晴らしさを実感します。音色が実に美しく、響きも鮮烈なのであり、生気に満ち満ちております。そして、通奏低音も非常にしっかりしており、それによって演奏がたいへん奥行きが出来て、いわば立体的な印象をもつのでした。それによって演奏の枠組みが大きく、表情も豊かなところが本当にいいですねえ。加えて、古楽器の響きも清新であります。
いい曲が多いのですが、まずは①のパッサカリアとメヌエット。前者はこのCDの中でも最も充実した内容。5分半の曲で非常に奥が深い。後者は、メヌエットの優しい旋律が響く。②は短いアダージョの深い憂い。③ではラルゴのでの2本のヴァイオリンの交差がとてもいい。④はフルート。ここでもラルゴの深さが心にい染み込みます、⑤はミュゼット。変化に富んだ曲想がいいです。そして⑥のアンダンテとアレグロⅡが印象に残ります。全体的にゆったりとしたテンポの曲がいいですが、それ以外の躍動感もありです。この6曲は、ピノックらの選曲でしょうが、なかなかよく考えられたものですねえ。
気がつくと、もう6月下旬。夏に近づいてきましたね。そして、梅雨の後半。今年も豪雨があるのか、心配です。何事もなく夏になって欲しいものであります。
(ARCHIV 415 497-2 1985年 輸入盤)
10月の新国立劇場のヘンデル「ジュリオチェーザレ」のチケットを申込みました!新幹線代がチケット代と同じくらいします。関東在住の人がうらやましいです。