ロシアのウクライナ侵攻から百日。国際的孤立、経済制裁、多くの戦死者と巨額の戦費など、どう考えてもロシアの見返りは少ないに、何故こんな暴挙を、と常に思っていました。これについては、「プーチン氏の大きな誤りは、ウクライナ国民の多くも、ロシアから離れたくないはずだと考えたことにある。ロシア軍は解放者として歓迎されると、本気で信じていたのではないだろうか」(朝日新聞6月7日)。やはり、民主政治は重要です。独裁長期政権はよくないねえ。
まあ、ということで、今回はヘンデルの歌劇。ヘンデルは、周知のとおり1712年イギリスに移住して以来、1920~30年代は、イタリア・オペラを多く作曲・上演。それが飽きられると、1740年以降は、英語歌詞のオラトリオの創作に専念します。まさに劇場人・国際人としての生涯。歌劇とオラトリオ、たくさんの作品を残していますねえ。しかし、ほとんど上演されなくなっていたようですが、近年盛んに再演もされるようになってましたねえ。
そんな中で先日、梅田の中古やさんでヘンデルの歌劇、安かった3作品を買いました。その中のひとつが今回取り上げる『アルチーナ』でありました。3枚組で780円でした。値段に釣られて買いました(笑)。演奏は、ウィリアム・クリスティ指揮 レザール・フロリサンです。歌手は、ルネ・フレミング(S,アルチーナ), スーザン・グレアム(MS,ルジェーロ) , ナタリー・デセイ(S), キャスリーン・クールマン(MS,ブラダラダマンテ), ロラン・ナウリ(B), ティモシー・ロビンソン(T), フワニータ・ラスカッロ。1999年6月、パリのオペラ座でのライブ録音です。この歌劇は、1735年にコヴェントガーデンで初演。飽きられはじめていた中で、合唱やバレエを取り込んで人気回復を図り、ヘンデルの歌劇最後の成功作となったものです。いわゆる魔法オペラのひとつです。
とはいっても、この歌劇の物語は、はっきり言ってどうでもいい。魔法使いの女大将に虜にされた恋人を救うために、変装して宮殿に出かけて、登場人物たちとややこしい愛憎が絡み合う中、なんとか解放できました~という、内容ですかね。よくあるお話ですねえ。登場人物は7人。その中で、アルチーナ、ブラダラダマンテ、ルジェーロの三人のアリアが多いのですが、ソプラノ、メゾ、カストラートの役になっているんですが、すべて女声です。けっこうレチタティーヴォを挟みますが、女声のアリアが連続していく場合があるんです。それが誰なんか班別しにくいのが、少々悲しい。レチタティーヴォとアリアの繰り返しで進んでいくので、構成は簡単なんですがね。
そんな中で、ひたすらヘンデルの音楽に浸る、ってとこでしょうねえ。30にちかい数のアリアが歌われていますが、どれもヘンデルの魅力たっぷりであります。まず、ルジェーロの「緑の野、心地良い森」(2幕)は、ゆったりとしたテンポで、ヘンデルの美しい旋律がたっぷりと歌われます。グレアムの実に優しげな歌がとてもいいです。また、「いとしい女の面影を見て」(2幕)も、グレアムの穏やかな歌が心に染み込みますね。ルジェーロは、、カストラートの役で、テノールで歌われることもあるのですが、全体のバランスからはここに男声が入った方がいいかな、と思いますが、グレアムのようなメゾソプラノによるのも女声好きの私からすればいいですね、モルガナの「また私を喜ばせに来て」(1幕)も有名なアリアですが、デセイのコロラトゥーラ・ソプラノの美音が響き渡っていますね。そして、アルチーナのアリアです。「私の心の人」(1幕)「ああ、私の心よ! お前は侮られた!」「蒼ざめた霊たち」(2幕)「私には涙しか残されていない」(3幕)など、アルチーナの苦悩や祈りがブレミングによって非常に深く歌われていますね。やはりこの人の歌唱は、気持ちの籠もったものであり、心が動かされるものであります。いいですねえ。そしてオケもよく歌唱を支えています。
プロ野球交流戦も終わりました。マリーンズ、なんとか2つ貯金ができました。通算でも借金は4になりました。少し調子が出て来ましたかね。オールスターまでには、貯金ができたらと思っています。
(ERATO WPCS-105312000年)
まあ、ということで、今回はヘンデルの歌劇。ヘンデルは、周知のとおり1712年イギリスに移住して以来、1920~30年代は、イタリア・オペラを多く作曲・上演。それが飽きられると、1740年以降は、英語歌詞のオラトリオの創作に専念します。まさに劇場人・国際人としての生涯。歌劇とオラトリオ、たくさんの作品を残していますねえ。しかし、ほとんど上演されなくなっていたようですが、近年盛んに再演もされるようになってましたねえ。
そんな中で先日、梅田の中古やさんでヘンデルの歌劇、安かった3作品を買いました。その中のひとつが今回取り上げる『アルチーナ』でありました。3枚組で780円でした。値段に釣られて買いました(笑)。演奏は、ウィリアム・クリスティ指揮 レザール・フロリサンです。歌手は、ルネ・フレミング(S,アルチーナ), スーザン・グレアム(MS,ルジェーロ) , ナタリー・デセイ(S), キャスリーン・クールマン(MS,ブラダラダマンテ), ロラン・ナウリ(B), ティモシー・ロビンソン(T), フワニータ・ラスカッロ。1999年6月、パリのオペラ座でのライブ録音です。この歌劇は、1735年にコヴェントガーデンで初演。飽きられはじめていた中で、合唱やバレエを取り込んで人気回復を図り、ヘンデルの歌劇最後の成功作となったものです。いわゆる魔法オペラのひとつです。
とはいっても、この歌劇の物語は、はっきり言ってどうでもいい。魔法使いの女大将に虜にされた恋人を救うために、変装して宮殿に出かけて、登場人物たちとややこしい愛憎が絡み合う中、なんとか解放できました~という、内容ですかね。よくあるお話ですねえ。登場人物は7人。その中で、アルチーナ、ブラダラダマンテ、ルジェーロの三人のアリアが多いのですが、ソプラノ、メゾ、カストラートの役になっているんですが、すべて女声です。けっこうレチタティーヴォを挟みますが、女声のアリアが連続していく場合があるんです。それが誰なんか班別しにくいのが、少々悲しい。レチタティーヴォとアリアの繰り返しで進んでいくので、構成は簡単なんですがね。
そんな中で、ひたすらヘンデルの音楽に浸る、ってとこでしょうねえ。30にちかい数のアリアが歌われていますが、どれもヘンデルの魅力たっぷりであります。まず、ルジェーロの「緑の野、心地良い森」(2幕)は、ゆったりとしたテンポで、ヘンデルの美しい旋律がたっぷりと歌われます。グレアムの実に優しげな歌がとてもいいです。また、「いとしい女の面影を見て」(2幕)も、グレアムの穏やかな歌が心に染み込みますね。ルジェーロは、、カストラートの役で、テノールで歌われることもあるのですが、全体のバランスからはここに男声が入った方がいいかな、と思いますが、グレアムのようなメゾソプラノによるのも女声好きの私からすればいいですね、モルガナの「また私を喜ばせに来て」(1幕)も有名なアリアですが、デセイのコロラトゥーラ・ソプラノの美音が響き渡っていますね。そして、アルチーナのアリアです。「私の心の人」(1幕)「ああ、私の心よ! お前は侮られた!」「蒼ざめた霊たち」(2幕)「私には涙しか残されていない」(3幕)など、アルチーナの苦悩や祈りがブレミングによって非常に深く歌われていますね。やはりこの人の歌唱は、気持ちの籠もったものであり、心が動かされるものであります。いいですねえ。そしてオケもよく歌唱を支えています。
プロ野球交流戦も終わりました。マリーンズ、なんとか2つ貯金ができました。通算でも借金は4になりました。少し調子が出て来ましたかね。オールスターまでには、貯金ができたらと思っています。
(ERATO WPCS-105312000年)
残念なことに、「アルチーナ組曲」のバレエシーンはカットされていました。