クラブ報告
2017年8月6日(日) 天候 曇り 参加者 22名
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2.5万図 乗鞍岳 1等三角点
CL 長谷川さん
7月21日に発生した超寿命迷走台風5号。父島を旋回して奄美島へ行き、そこで向きを本土方向に変え、現在九州に上陸。こんな状況での山行は決行するかどうかCLを悩ませる。
「梅雨明け10日間は登山日和」はもう過去の話。天候不順な日々が続く。今回の山行は決行されたが山頂での雨だけは避けたいとの思いで出発。
22人を乗せたマイクロバスは乗鞍スカイラインに入るや否や、もう息切れかと思うほどゆっくりと苦しそうに登る。登れなかったら誰に降りてもらうかでバス内は盛り上がった。その横をロードバイクの自転車で登る者がいた。高度1900mあたりで、なんとママチャリで登る人を発見。「その根性に敬服!」の声が出た。
途中、上空がガスに覆われていたものの、高度2702mの畳平に到着すると天候は良好で、青空も見える。気温15℃。駐車場の石垣を見上げると石の隙間にイワギキョウがけなげに咲いていた。Hさんの号令のもと、ストレッチを行ってから2つの班に分かれて出発。
高度順応を兼ねてまずは畳平バスターミナル下のお花畑周回コースを散策した。ハクサンイチゲ、ウサギギク、キンポウゲ、ヨツバシオガマ、クロユリなどの群落が見られ、皆思い思いのアングルで写真を撮った。私はクロユリの群落に感激。
不消ヶ池には雪渓が残っており、雪渓下の水面のコバルトブルーが美しい。富士見岳南側の登り口の砂礫斜面にはコマクサの群落が見られた。高山植物の女王と言われるが、ピンクの色や形が美しく風格がある。魔利支天岳に建つコロナ観測所や肩の小屋西側の宇宙線観測所につながる広い道路を登って行くと、眼下には位ヶ原の大雪渓でサマースキーを楽しむスキーヤーが多く見られた。
畳平をスタートしてから1時間ほどして肩の小屋に到着。10分の休憩。アサヒスーパードライ缶ビールが350円で売られていた。下界と大差ない値だ。車で運べるからなのか。
肩の小屋からの登山道はザレ場ガレ場となる。他の登山者も多く、数珠つなぎで一歩ずつゆっくりと登って行く。砂礫の斜面を見るとここにもコマクサが生えている。後ろを振り返ると下方に肩の小屋、魔利支天岳に建つ2つの球のドームを備えたコロナ観測所、赤い屋根の宇宙線観測所が見えた。
朝日岳と蚕玉岳(こだまだけ)の間の鞍部に到着すると、青々とした権現池が現れた。ここまで来れば頂上小屋や剣ヶ峰が目前で、頂上まであと一息だ。剣ヶ峰直下の登り道は頂上小屋経由で東側を通る。鞍部から20分ほどで剣ヶ峰3026mに立った。皆で三角点をタッチし乗鞍本宮をお参り後、全員集合の記念撮影。西側下り道をおり、頂上小屋裏の平地で昼食とした。
計画通り12:00下山開始し、富士見岳経由で13:40畳平に無事着いた。富士見岳南側の登り斜面にはコマクサの他にチシマギキョウも見られた。イワギキョウとの違いもこの地で知ることができた。
14:00 畳平をマイクロバスが出発するやいなや5分後、高度2500mあたりでAさんが斜面を駆け上るツキノワグマを発見!「すごい!よく見つけたね。」とひとしきり盛り上がった。ひるがのSAを過ぎて事故による渋滞があり、高鷲ICから大和ICまで下道R156を走ったので40分ほど予定より遅れて17:40関市役所に到着。
今回は迷走台風で大気が不安定だったが、頂上では青空も見えた。穂高連峰などの眺望を望めなかったのは仕方ないが、乗鞍岳は人それぞれ色々な楽しみ方ができる山だ。高山植物観察、登山、サイクリング、サマースキー、宇宙観測などなど。今回はマイクロバス貸切りのおかげで、2500円の格安乗鞍山行。来年も是非やって欲しいとの声が多かった。CLさんをはじめ、皆さん、楽しい山旅ありがとうございました。
出会った花
コイワカガミ、コメバツガザクラ、チングルマ、ハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、イワギキョウ、チシマギキョウ、ウサギギク、クロユリ、コマクサ、シナノオトギリソウ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマ、イワツメクサ、ミヤマアキノキリンソウ
(記録担当 多賀さんの報告より)
(写真提供 福田さん 渡辺Aさん)