労山講習会報告
2023年1月14日(土)~15日(日) 宿泊講習(1泊2日) 天候 14日曇りのち雨 15日曇りのち雨
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講師 森、宮田 事務局 佐藤 (敬称略)
参加者 6名 みのハイキングクラブ2名 多治見労山2名 山の会くらら1名 ふわく山の会1名
宿泊施設:鷲の家(長野県北安曇郡小谷村大字千国乙12840-1)
講習場所:(実技)初日 長野県栂池高原スキー場 栂の森駅周辺 二日目 スキー場第二駐車場
【初日(1/14土)】
8:00 鷲の家に現地集合
オリエンテーション 挨拶 荷物チェック ウエアー・ヘルメットに名前貼付
ビーコン装着・操作・電波チェック
9:00 栂池高原駅からゴンドラで栂の森駅へ 気温プラス5℃
9:30 駅の前の人の少ないところでワカン装着。ビーコン(センド⇔サーチ電源チェック)
10:00 講習地へ移動
移動中、雪崩の跡地の有無、地形の特徴(斜度、大きさ、樹木、地形の罠)、山の形状、積雪の不安定性、天候(風、気温、降雪など)を確認する。
講習地着
積雪観察のためピット作成
幅4~5ⅿ、深さ2ⅿ程度を掘り出し、積雪断面を観測する。
積雪はいくつもの層でできているので積雪層ごとにどのような雪質になっているかルーペで観測
(新雪、小しまり雪、しまり雪、霜ざらめ雪、ざらめ雪等)
積雪層断面の温度測定(表層から積雪の内部温度)
積雪の硬度の評価(ハンドハードネステスト)簡易硬度測定
(F:こぶし、4F:4本指、1F:1本指、P:鉛筆、K:ナイフ、I:氷板)
弱層テスト
ショベルコンプレッションテスト
30㎝四方の四角柱をショベルとスノーソーで切り出す。切り出した四角柱の上面にショベルをあてて叩く。
積雪層が潰れたりずれたりしないか観察する。
エクステンデッドコラム(広幅角柱)テスト
高さ70㎝ 幅90㎝ 奥行30㎝の四角柱を切り出し、四角柱の上面の右端にショベルをあてて叩く。
ビーコンの基礎操作練習
装着の仕方、電源確認(センド(遭難者)サーチ(捜索する側))
ビーコンを隠して探す練習
14:00 下山 ゴンドラにて下山
19:00 宿にて今日の反省会と 掘り出し後の医療的措置について 翌日の説明等
【二日目 (1/15)】
8:30 栂池高原スキー場第二駐車場近くの雑木林(ウッドチップロード)にて講習
・コンパニオンレスキュー
埋没者を早く助けるための判断と人の配置・行動指針。ビーコンの電波の特性(方向より示している距離)を意識して早く行動する練習
・エアポートアプローチ
ビーコンにて埋没者を探す練習(ビーコンを雪の中に隠して探してみる)
・プロービング
プローブ(ゾンデ棒)の基本的な出し方・持ち方・刺し方(斜面に直角・鉛直)
(埋没者の位置に突き刺す)
・ショべリング(掘り出し)
ショベルで埋没者を掘り起こす練習。ショベルの使い方、効率の良い掘方など
・シナリオトレーニング
シチュエーション 登山中メンバー1人が雪崩に流され、6名で役割分担してレスキューする想定
13:00 講習修了 現地解散
雑記感想
募集人数10名のところ、講師3名参加者6名。少ないのでびっくりしましたが、危険を避ける為には少ない方が良いとのこと。マンツーマンに近い状態で指導して頂けたので大変良かったです。講師3人方も大変親切でした。
天気予報が悪く心配していましたが、二日とも午前中は曇り午後雨で、何とか午前中は雨にぬれずに済みました。コロナ悪化の中でもあり予定より早く切り上げました。
参加申し込みをした時点では、私はビーコンもゾンデ棒も見たことがなく、ビーコンは地雷探知機みたいなもの、ゾンデ棒は釣り竿みたいなものくらいの認識でした。机上講習を受講した際は、講習内容がチンプンカンプンで心配でしたが、実地講習は机上講習の意味が分かり楽しかったです。特にビーコンで埋没者を探し出す練習が楽しかったです。隠したビーコンを自分のビーコンで探すのですが、ビーコンのサインは弧を描く(林檎型を描く)ので正面方向に埋没者がいても弧を描くように案内していきます。当たりを付けたところにゾンデ棒を突き刺して、のの字を描きながら25㎝間隔で突き刺して探し、刺した感触で埋没者の位置を特定する。簡単に思えてもなかなか発見できない。何度か繰り返すことで慣れていきました。少人数だったので再チャレンジが可能でした。とても楽しかったです。
講習前は忙しく毎日寝不足が続き、研修当日も3時出発で寝不足、ショベルで雪を掻きだす肉体労働でしたので講習会後の夕食会はご飯のおかわり、21時にはバタンキュ~で爆睡していました。
雪崩は偶然巻き込まれるのではなく、自分達が危険地帯に踏み込むことで刺激を与え発生する、自分が犯人になるのだということもわかりました。雪山行くときは意識して雪崩地形の確認しようと思います。傾斜が35度~45度で樹木がないところは危険!
初心者丸出しでも親切に教えて頂けましたが、もっと予習をすべきだったと大反省しております。
(講習会参加者 森Mさんの報告より)
雪崩講習会、机上ならびに実技講習会は雪崩とはなんぞやから始まり、道具を理解し使いこなし、自分の身を守り仲間も助ける。
最終日の最後に行なったシナリオトレーニングは、その集大成の様な内容で全ての役割を把握した上でさらに状況判断する、人命を救うにはどの判断がベターなのかを考えさせられました。
自分に足りてない知識、体力だけでなく冷静さ決断力も必要だと感じざるをえません。他の山岳会の方々との交流もできこれもまた良い経験ができました。大変貴重な経験させていただきました、今後の山行活動に少しでも活かしていければと思いました。
(講習会参加者 藤井さんの報告より)
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