クラブ山行報告
2021年7月17日(土)~19日(月)(2泊3日) 天候 晴れ
参加者 Aコース9名 Bコース8名 合計17名
CL 多賀さん
感想・雑記
(1日目 ABコース共)
ABコース共 17日 関出発、広河原山荘にて前泊の為、出発は遅い。駒ケ岳SAにて昼食休憩。手作りのおにぎりや、コンビニ弁当を食す人、レストラン利用の人。芦安の駐車場到着。バス乗車券売り場には一度に複数人の検温が可能な「サーマルカメラ」が設置されており検温、いったい何名位まで計れるのだろう。一見するとTV。コロナ禍で一番進化したのは検温機器ではないか。15:00発のバスを待つ。この時点で「バス200人、タクシー100人、300人が登って行ったよ」とは売り場の係の人の話。バスに揺られること約一時間、広河原バス停に到着。来年オープン予定の3階建て新広河原山荘建築工事が行われていた。
今宵の宿はつり橋を渡った向こうである。部屋は一人ずつパーティションで仕切られ、2畳未満のスペースがある。敷布団にはビニール袋が被せられ、持参した寝袋で休む。
大きな窓は換気の為、開けられたまま、と感染予防対策はしっかりしてある。
山荘のご主人の話では昨年は営業せず、以前なら60名、今年は40名で満室、スタッフの人数を減らし、何とか経営している、とのことだった。夕食は18:00~。食事には赤ワインがグラス一杯ついていた。どちらも美味。リーダー差し入れのアルコール類を飲む人も。窓を開けたまま寝たが寒くない、標高1520m、寝袋の性能か地球温暖化の影響か。
(1日目 ABコース記録担当 安藤さんの報告より)
(2日目 Aコース)
Aコース 18日 前日は広河原山荘にて、ABコース共に前泊。夕食前後にワインの振舞いがあり、和やかに過ごした。準備して下さった方に感謝。
4:00起床、4:30朝食、山小屋らしからぬきちんとした朝食に感動。5:30 山壮前で丁寧なストレッチ後、6:00 Bコース先頭で出発。
しばらくは川の横の樹林帯を元気に登っていく。大樺沢の清流に掛かる橋を何度か渡り返し、左手に雪渓が見える所まで来ると展望が開け、涼しい風が吹き、気持ちがいい。8:35 ABコース共に、雪渓での休憩。
8:50 雪渓左岸を進む。日陰を選びながらも進むも、ほとんど直射日光を浴びる急登が続く。振り返ると鳳凰三山や、北岳東側のバットレスが圧巻。
二泊分のザックの重さに、信じられない程の汗をかき、へとへとになりながらも、はしごにたどり着いた。多数のはしごは初挑戦だが、思ったより楽しく登れた。日曜日という事もあり、はしごを譲りながら登るので、予想外に時間が掛かったが、八本歯のコルにたどり着いた時は感動した。休憩地点のトラバース道分岐直前は浮石が混在する岩の斜面で、先陣に追いつくのがやっとであった。
全員が揃ったところで、このまま北岳山頂を目指すかどうか、CLが全員の意見を聞く。トラバース道を歩いて北岳山荘に行き、明日、間ノ岳、北岳山頂を目指す事になる。
お花畑を楽しみながら北岳山荘に到着。山荘到着後、外でビールを飲み、疲れを癒していると、パラパラと雨が降ってきて、いい選択だったと思った。明日の4時出発に備え、早めに就寝。
(2日目 Aコース 記録担当 宮本さんの報告より)
(3日目 Aコース)
19日 敷布団にビニールが貼ってあり、寝袋での就寝は音がするし、トイレの近くだったのでガタガタドアの音、2:50起床、皆さんもゴソゴソしています。昨晩朝弁をもらったので、要らないものは小屋にまとめて置いて行きます。かなり軽くなった感じです。
全員が集まりストレッチ後、満天の星空とは言えませんが、ライトを付けて、間ノ岳へ向かいます。遠くを見れば、ライトが動いています。何人かは登りかけています。
こんな良い天気、何処で日の出になるか?薄黒い富士山を左手に見て登って行きます。山小屋の案内では日の出は4:43頃となっています。茜色に回りが染まっても、雲が邪魔をしています。中白峰(3055m)辺りで休憩を取りながら、撮影タイム、あっと言う間の日の出、手を合わせ今日の無事を祈りました。甲斐駒ガ岳、仙丈ガ岳、鳳凰三山もずっと見えます。ジグザグに登って行く登山道には、沢山の花々が今日も楽しませてくれそうです。登山道のハイマツの中から雷鳥現れないかな、でも鳴き声は残念ながら聞こえません。時折、岩ヒバリが岩から岩へ飛んでいます。
大きな山容の間ノ岳が段々間近かに、大勢の人影も見えます。頑丈なコンクリートを固めた上に棒が立っています。残雪時の目印でしょうか?岩稜の稜線を何度か登り返し、間ノ岳に着きました。写真を撮り、富士山を眺めて朝弁を食べました。その後少し丘に上がり、富士山を背にハイポーズ。
さあ、山荘に戻りましょう。頭がピンクのヤハズハハコ、タカネスミレ(黄色)、数えきれない花々との遭遇を楽しみつつ山荘へ、朝の荷物を全部ザックに詰めて、北岳へ急ぎます。
多くの人とすれ違いますが、相変わらず異国の方は多いです。小休止を繰り返し、ハシゴを登ります。遠くに、段々畑みたいに棒が幾重か見え、あそこまで頑張ろうと、でもまだ先は長かった。岩場を登りここかと思ったら、だまされた。でも遠くに看板が見えた時は嬉しかった。
やっと北岳頂上に着きました。お互いに写真を撮り、北岳肩ノ小屋へと下山です。夏山もピークとなりヘリが荷揚げとか、ゴミを持ち帰りで何往復かしています、それを楽しみながら、花も楽しみながら肩ノ小屋へ着きました。数人がラーメンとカレーライスを食べて、大樺沢二俣分岐へと下山します。テント泊の大きなザックの方々とすれ違います。かなりきつい登りです。私達は石車に乗って転倒しない様に慎重に下山です。今年はバイケ草が当たり年か、沢山咲いています。ニホンカモシカの被害に合うためネットの中で守られています。
遠くには雪渓が見えます。あの横を通るのだろうか?雪渓に着いた。雪を掘ってもらいタオルに包み首に巻きました。ヒンヤリ気持ちが良いです。高山植物もマルバダケブキ、フウロへと変わって行きます。時折5段くらいの階段がありますが、飽きてきます。長い長い下りで、仮設トイレのある分岐に着きました。雪渓の水で顔を洗ったりして、さあまた頑張りましょう。
11の橋を渡り、渡渉5回ですが、水が増水しています。中にザブザブ入りながら、右手に水路が見えた時は嬉しかったし、広河原山荘の屋根が見えた時は三日間の終止符の時を迎えた喜びがありました。一日目に預けた荷物をもらい、登山バス停まで行きました。5人は途中から先発したので4人が来るのを待ち、臨時便のバスに間に合い、駐車場に着き、解散しました。私達5人は夕食を食べて、関市役所に無事着きました。
7月初旬には雨が多くCLさんは悩まれたと思います。色々なご苦労があった事感謝します。最後にCLさんは11月の鎌ケ岳に今回の事を反省しながら、良い点を取り入れると言われました。乞うご期待です。又SLさんや他の役の方もありがとうございました。クラブの仲間の団結に乾杯。
(3日目 Aコース 記録担当 渡辺Aさんの報告より)
(2~3日目 Bコース)
Bコース 18日 朝食、ストレッチを済ませ、予定よりも10分早く出発。徒渉数回を繰り返し、大樺沢二俣分岐到着。小休止の後、右俣コースに向かう。Aコース組とは此処でお別れ。
SLの「ここから急登が始まる」に緊張感を覚えるが、しかし「天空のお花畑を行く」とはこの事か。あふれるばかりの数多くの可憐な花々が迎えてくれた。立ち止まっては写真撮影の繰り返し。小太郎尾根分岐につく頃には甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳などがはっきりと確認出来るように。肩の小屋到着。
急ぎ昼食を済ませ、不要なものを預け、山頂に向かう。ついに北岳山頂に立つ。残念、ガスってきた。展望は望めない。明日があるさ、しかし翌日に再チャレンジしたのはリーダー二人のみ。
肩の小屋も昨年は営業せず、以前は100~150名宿泊させていた。今年は60名が上限、本日は50名、こちらも営業しつつ新築工事を進めている。ブームなの? 肩の小屋名物「肩ロース定食」をいただき就寝時間までを思い思いに過ごす。富士山にかかる雲を憂い、ブロッケン現象に歓喜し・・・。外はさすがに防寒着が必要だったが部屋の中は思いの外暖かく寝苦しさを感じる程。広河原と同じように感染予防対策がしてあるが、窓が小さくスペースもそれ程ではない。圧迫感と少しの不安を抱きつつ眠った。
19日 4:45富士山とご来光のコラボ。此処まで登った者にだけ与えられるご褒美の絶景。朝食を済ませ下山開始、小太郎分岐から白根御池小屋までが「草すべり」、名前の由来は「高山植物が生い茂り、草で滑る程だったから」らしいが今は見る影もない。
ガレ場の続く登山道で足を取られる者はいた。花もあまり多くはなかった。前日に出会った花たちの印象が強すぎたのかもしれない。また多くの登山者とすれ違ったが、どの顔も急登を物語っていた。我々は下った。白根御池小屋で小休止したのち無事、広河原山荘まで戻った。預けてあった荷物を受け取り昼食タイム。14:00発のバスで駐車場まで戻り解散した。
キタダケソウは6月中旬~7月初旬に咲く花、会えないかと思っていたが肩の小屋の周辺に4株、我々を待っていたかのように咲いていた。素人目にはハクサンイチゲとの見分けが難しいが、葉がパセリのようで花びらに切り込みが入っているのが特徴。もちろん美しかった。リーダーはじめ諸役の皆さんお疲れ様でした。ありがとうございました。
(2~3日目 Bコース 記録担当 安藤さんの報告より)
出合った花
アカモノ、アオノツガザクラ、イワベンケイ、イワツメグサ、イワウメ、ウスユキ草、オンタデ、クルマユリ、グンナイフウロ、コイワカガミ、シナノキンバイ、タカネヤハズハハコ、タカネナデシコ、タカネスミレ、チョウノスケ草、ツマトリ草、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、ハハコヨモギ、ベニバナミネズオウ、マルバダケブキ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマカラマツ、ミヤママンネングサ、ミヤマバイケ草、ミヤマオダマキ、ヨツバシオガマなど
(記録担当 花 渡辺Aさんより)
コースタイム
ABコース共 17日 関10:00==駒ケ岳SA11:40~12:25==芦安駐車場14:05~15:00==広河原バス停16:05==広河原山荘16:10(前泊)
Aコース 18日 広河原山荘6:00・・・白根御池小屋分岐6:30・・・二俣分岐、休憩8:30~8:50雪渓左岸を歩く・・・八本歯のコル12:00・・・トラバース道分岐12:45~13:15(昼食)・・・(トラバース道を歩いて)北岳山荘着14:10
19日 北岳山荘3:50・・・日の出4:48・・・中白峰山4:52・・・間ノ岳(朝食)6:05~6:40・・・北岳山荘8:33~8:50・・・北岳10:18~10:30・・・肩の小屋(昼食)11:20~12:15・・・大樺沢二俣分岐14:05~14:15・・・広河原山荘16:11・・・南アルプス登山バス16:42==芦安駐車場17:40==関21:45
Bコース 18日 広河原山荘5:50・・・二俣分岐8:25~8:40・・・小太郎尾根分岐11:30・・・肩の小屋12:10~12:45・・・北岳13:35~13:50・・・肩の小屋14:25
19日 肩の小屋6:50・・・小太郎分岐7:20・・・白根御池小屋9:00~9:20・・・二俣分岐9:50・・・山荘12:10~13:30・・・バス停13:35~14:00==芦安駐車場15:20解散
(写真提供 北岳Aコース 古谷さん/松岡さん)
(写真提供 北岳Bコース 松岡さん)
(写真提供 北岳 花 古谷さん / 監修 渡辺Aさん)