‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

~時は立ちどまらなくとも~エマ・カークビー、リュートソングコンサート。

2013-10-19 09:56:40 | Music
10月16日
「ザ・フェニックスホール」にて、ジョン・ダウランド生誕450年記念で、エマ・カークビーのソロと、後半は波多野睦美さんとのイタリア初期バロックの二重唱コンサートがありました。
リュート伴奏とリュート・ソロはお馴染みのつのだたかしさん。



おそらく60代後半かと思われる初老を迎えているエマさんは、Ⅰ部のダウランドはほぼ座って歌われました。
「あの人が泣くのを見た」「流れよ わが涙」「暗闇に私はすみたい」など、暗~い歌が多いダウランドですが、そういうものがダウランドらしさで、英語がストレートに解らないと、おそらく眠りに誘われていまいそうな(実際眠っている人もいました)曲が続きました。かつての美声は少し陰りをみせてはいますが、ひどい揺れもなく、演技力と粋なディミニューションで、ダウランドの世界を静かな情熱で表現されていました。

最後の「Time stands still・時は立ちどまり」は、急にに立ち上がって歌われました。本当に美しい歌です。解説によるとエリザベス女王が亡くなった年に作られた、女王に讃える歌だそうです。
肖像画の中に永遠に刻まれた、美しい絵姿を見ているような歌ですが、エマさんの美しい歌声は沢山のCD録音に残されています。
よく絵画の中に、新鮮な美しい花や人物と同時に、枯れた花や頭蓋骨などが描かれていたりしますが、美しさは永遠に続くものではないという教訓なのだそうです。
老いは必ず来るものですが、老いてこそ分かる物事がいかに多いことか…。年齢を重ねてもこう歌えばいいのよ、と教えてくれているような気がしました。
時は立ちどまらなくとも、年齢なりの歌い方で、しかもずっとチャーミングなエマさんは、永遠の目標です

Ⅱ部は今全盛期であろう波多野睦美さんが登場して、モンテヴェルディ、デインデイアなどの二重唱。
リュートはⅠ部と同じ小型のルネッサンス・リュートでしたが、小出智子さんによると、つのださんのリュートは10弦で、低音を出せるので、バロックの伴奏も可能なのだそうです。
そんなに練習が出来るわけでも無いと思われますが、出来る人同士の重唱は、とても気持ち良さそうでした。お二人とも癖のない明るい声なので、清楚で楽しい二重唱でした。ポピュラーな曲ではありましたが、イタリアものは俄然明るい、声ものびのび出る感じでした。

モンテヴェルディの「サンタ・マリア」、12月のアンサンブル・シュシュの定演で歌いますので、聴けて良かった~!
最後のサンチェスの楽しいチャッコーナの二重唱「Lagrimosa belta・哀れな美女よ」、意識してプログラムを組まれたのか、こちらは美は永遠には続かない、若い頃はもてはやされても、いつかは年をとるのだから、男をもっと大事にしろ…という内容です(^-^;。イタリアの歌って、大抵男性が失恋してる歌が多いのですが、それは若くて美しい女性に対してなのですね。テレビにイタリアに嫁いだ日本人妻の特集をやってて、そういうわりには超亭主関白な男性が多いみたいで、不思議に思っていました。でも普通にいけば、当然男性の方が先に弱ってくるので、現実は年老いたら妻を立てている方が断然得である( ^^) _旦~~。

 サイン会にて。


熟女ばかりで


コンサート前にリーガロイヤルで簡単な食事を。「リモネ」のご飯カフェ・プレートは、中之島名物の川に浮かぶ巨大アヒルの「ラバーダック・オムレツ」
頭はカボチャでしたが、どこから食べたらいいのか…可愛すぎる

    
ケチャップをかけたら、血まみれみたい( ;∀;)。リモネの中庭と、ラウンジから観える滝。
世界一流の二重唱が聴けて、ちょっと贅沢な女子会という感じになりました(*^-^*)。








コメント
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