‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

ポール・ルイス、凄まじく崇高な"Beethoven Last 3 Sonatas"の演奏!

2015-12-17 01:25:50 | More Mark Padmore
12月15日
名古屋電気文化会館・ザ・コンサート・ホールにて、ポール・ルイスのソロ演奏会、「ベートーヴェン後期三大ピアノ・ソナタ」を聴きました。
緊急手術で延期になり、Padmore Friends ピアニストの今年最後の来日でした。
昨年、マーク・パドモアとのシューベルト三大歌曲のピアノで、初めて聴いたのですが、ピアノ・ソロの演奏は初めて聴きました。おまけにベートーヴェン・ラスト3は大好きなのですが、生演奏を聴くのも、私は初めてでした。ピアノをあまりよく弾けない私には解りませんが、この3つのソナタを、一気に弾きこなすピアニストも、世界的にそういないと思うのです。
曲については、上田智美さんが、プログラム・ノートで明確に語っておられますので、それを掲載させていただきます。



ベートーヴェンの後期のピアノ・ソナタは、もちろん耳は全く聴こえない中での作曲です。全部のソナタの完成度が高いのですが、特に後期のものは、各楽章が切れ目なく続いていくものなど、ベートーヴェンのファンタジーの世界を、強く感じるものが多いです。
長大な29番「ハンマークラヴィア」の後の、30番、31番は苦難を抱えながらも、美しい理想郷で、天国へ上って行くという印象です。
そしてラストの32番は、激しく厳しいモチーフが怖さを感じる、ベートーヴェンらしい、物凄いインパクトで始まり、宇宙でビッグバンが起こり、でもそれが収まり、楽しい踊りのような曲想へ、そして星々が煌めく夜空へ、魂が浮かんでいるような、神様が造った大宇宙を感じさせます

ポール・ルイスの演奏は、ベートーヴェンの精神の力強さ、崇高な祈り、音楽が人々に与える勇気、全てを表現し、全身全霊を込めて、凄まじくも美しい人生の物語りを、高らかに奏でているような演奏でした。
昨年、母や友人と一緒に聴きに行って、すっかりポールの人柄にも魅せられたので、聴きに行くことになったのですが、やはり年配の女性ばかりなので、体調は大丈夫だろうかという心配も、大いにしていたのです。なのでその迫力の音の表現を聴いて、心臓がドキドキしてしまったようです。
「マタイ受難曲」の合唱を練習している母は、イエスPassion・情熱と重なってしまったようで、ポールが大変神々しく見えたそうです

今の季節だと、一目見て誰しも感動するのが、美しい紅葉だったりするように、一聞で聴いて感動するのが、ベートーヴェンの音楽です。
小さな子供達が今、「仮面ライダーゴースト」で、ベートーヴェンが「運命」に乗って登場することから、その音楽に夢中になってるようです(^-^;。
やはりベートーヴェンの音楽は、人の心に直球で入ってくるようですね






~紅葉の錦、神のまにまに~

ベートーヴェンは、森を散歩するのが好きだったそうですね。自然の美や、宇宙に神の仕業を感じるのは、時代も国も超えて、同じなのかな~と私は思い、
あまりにも美しかった「徳川園」ラスト紅葉の写真を、添えたいと思いました。

サイン会では、気さくで笑顔の可愛いポールです




私、笹山晶子とポール・ルイス。日本に来て、素晴しい演奏をまた聴かせてくださいね(*^-^*)。


最新CDは、ムソルグスキー「展覧会の絵」と、シューマン「幻想曲 Po.17」。HMC 902096
赤い紅葉色のジャケットですね
コメント
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