暑すぎる海の日、どうか気をつけて、島岡美延です。助けにいく人が亡くなる水の事故があとをたちません。
これは自らの訴えを命懸けで行った文豪の想い。映画『ナチスに仕掛けたチェスゲーム(21日公開)』をご紹介します。1934年、オーストリアを離れたシュテファン・ツヴァイクは、1942年にアメリカで妻と共に睡眠薬過剰摂取で死亡。『チェスの話』という最後の小説が原作、主演のオリヴァー・マスッチが心身が壊れていく人間を体現。
ウィーンで公証人をしていたバルトークは、ドイツがオーストリアを併合した時、ナチスに連行され、彼が管理する貴族の莫大な資産の預金番号を教えるよう迫られ拒否。ホテルに監禁され、監視の目を潜り抜け盗んだのは1冊のチェスのルールブック、全ての手を暗記するまで読み込み――。
物語は豪華客船でアメリカに向かう彼がチェスの大会で世界王者と一騎打ちする場面とナチスに監禁された日々を行き来します。人生が続く限り、人を傷つけ続けるのが、戦争、拷問。