大雨の被害が出る三連休、島岡美延です。
電車で本を読む人、少なくなりました。新聞広告を見て読みたい、と思っていたら妹が貸してくれた本。1994年生まれの気鋭の文芸評論家、三宅香帆著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)、彼女は「本を読むために会社を辞めた」とか。
子どもの頃からの大の本好き、「スマホばかり見てしまう」自分に愕然とする。その答えを探すため、日本人の〈読書史〉を紐解く――。明治、大正、戦前に読まれた本、1970年代は「司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン」、1980年代は「サラダ記念日」や雑誌BIG tomorrow、1990年代は「脳内革命」など自己啓発書がはやり新自由主義社会へ。2000年代は「13歳のハローワーク」、労働で自己実現・・・。労働史の分析にも納得、ベストセラーってやはり社会を映す鏡。
「全身全霊」「燃え尽きるまで」をやめて「働きながら本を読める社会」を作ろう、と。男性中心の社会のままじゃ、ムリ。