女王陛下の劇場でボリショイバレエ公演中止、島岡美延です。昨日の私の妄想より素早い芸術界の動き。NYのウィーン・フィル公演は指揮者ゲルギエフ降板。
日本では「戦争で原油が、小麦が、」ばかり。人々が暮らす街が攻撃を受け、人命が奪われる現実に対して、他人事?
争いや災害が繰り返されても1300年守られた宝物。その未来のための「模造製作」。サントリー美術館の『御大典記念特別展 よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技』(~3月27日)を見てきました。
2019年東京国立博物館で開催された『正倉院の世界』展でも一部、再現模造の制作過程が紹介されていましたが、今回は展示品すべてが「再現された模造」。特に世界中で正倉院に1点のみ現存の「螺鈿紫檀五弦琵琶」の再現には、平成で8年かかったとか。明治~昭和の職人も天平の美と技に挑戦、実に見事!
模造製作のための撮影で発見も多いよう。最新技術は人類の宝のために使うべき。戦争の技術は人類を滅ぼすだけ。
ウクライナの話と重ねて、こじつけ気味に思い出したのが、なぜ正倉院の宝物は盗まれたりしなかったのかという話と、人口あたりのホテルの客室数で全国の県庁所在地で奈良が一番少ないのかという話です。
ひとくちで言うと、奈良の都が移転した後、人口は昭和になる頃までほとんど増えず、その一方で中心部は道も狭かったため、泥棒が仕事しにくかったとか。
その裏返しでホテル需要がなかったということで。
ウクライナもロシアに対して、しっかりと戦っている様子ですが、やはりキーを握るのは人の力になりそうな。
一人旅をよくしていた頃、「京都より奈良」だった私。いつも泊っていたホテルも今はなく・・・。確かに奈良は「大都市」にはなりませんでしたね。
サントリー美術館の展示、明治から平成の再現の技も見事ですが、そもそも1300年以上も前の技術、贅をつくし、永遠に輝けと思っていたのか、すごいですね、人間の極めようとする意欲。