昨日で日航機墜落事故から38年、島岡美延です。1985年は戦後40年。時代はバブルへ突入――。私も昭和から平成、令和と生きてきたなあと思いながら、2冊の本を続けて読みました。
先月のEテレ『100分de名著』の題材、林芙美子著『放浪記』。約100年前、飢えや絶望に苦しみながらもあっけらかんとした明るさ、したたかさで生き抜く若い芙美子の自伝的小説。女性たちはこんなふうに生きられたらと思ったのか。それにしてもたくましくて、確かに今読んでも面白い。文壇の男たちにはかなり嫌われていたらしいけど。
そして宮﨑駿監督の新作の中にちらりと登場する本、吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』。日中戦争が始まった1937年出版の小説。中学2年生のコペル君に叔父さんが語りかける。道徳・倫理を少年少女に教える性格が強い作品なので、叔父さんは「男らしく」を説き、コペル君も「役にたつ人間になりたい」と日々考えている。
自分が知らない時代の小説に触れて、色々考える、夏。
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