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宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

第19回宮崎映画祭観覧記(その3) スカッとする痛快な娯楽作『カリフォルニア・ドールズ』

2013-08-27 23:03:09 | 映画のお噂
昨日は鑑賞をお休みした宮崎映画祭。きょう仕事が終わったあと鑑賞したのは『カリフォルニア・ドールズ』でした。
『何がジェーンに起ったか?』(1962年)、『特攻大作戦』(1967年)、『ロンゲスト・ヤード』(1974年)などの作品で知られる、反骨の姿勢を貫き続けた娯楽映画の巨匠、ロバート・アルドリッチ(もしくはオルドリッチ)監督の、最後の作品となったスポーツ活劇映画であります。作中に使われている音楽の権利問題から、現在に至るまでDVDやブルーレイ化されていないというお宝映画でもあります。

『カリフォルニア・ドールズ』(1981年、アメリカ)
監督=ロバート・アルドリッチ 出演=ピーター・フォーク、ヴィッキー・フレデリック、ローレン・ランドン、バート・ヤング

女子プロレスで「カリフォルニア・ドールズ」という名前のタッグを組んでいるアイリスとモリー。そのマネージャー兼トレーナーで、ちょっと傲慢なところのあるハリー。
場末の試合でファイトマネーをケチられたり、恥も外聞もない文字通りの泥仕合をさせられたり•••。不遇な境遇にもがき、時に反目しながらも、3人は成功を夢見ながら過酷な巡業を重ねていく。
そんな3人に、賞金1万ドルの北米チームタッグ選手権に出場するチャンスが訪れる。対戦相手は、因縁の仇敵でもある強豪のタッグ「トレドの虎」。かくて、二組による制限時間30分の激闘へのゴングが鳴らされる•••。

いやはや、実に面白い映画でありました。特に、後半の「トレドの虎」との対戦シーンの痛快な展開には、けっこう燃えるものがあり、わたくしは手に汗を握りながら観ておりました。
『刑事コロンボ』でおなじみのピーター・フォークが演じた、いまいち冴えない(けども妙なところで頭が回る)ハリーがなかなかいい味でした。また、『ロッキー』シリーズでエイドリアンの兄を演じていたバート・ヤングが、本作では実に嫌ったらしい悪徳興行師を演じていて、これもまたいい感じでした。
しかしなんといっても、「カリフォルニア・ドールズ」を身体を張って熱演した、ヴィッキー・フレデリックとローレン・ランドンの2人が見事でした。なんでも、プロレス場面もトレーニングを受けてスタントなしで演じ切ったそうな。2人と対戦する日本人レスラーの1人がミミ萩原さんというのも見ものであります。
プロレスが題材ゆえ、ちょっと痛そうな場面もあったりしますが、観ればスカッとすること間違いなしの痛快娯楽編でした。


映画単体のパンフレットはなかったのですが、その代わりに物販コーナーで買ったのが、この『ロバート・オルドリッチ読本 1』(遠山純生編著、boid)。監督の歩みや代表作の解説、インタビューの再録などに加え、『カリフォルニア・ドールズ』と『合衆国最後の日』(1977年)についての詳細な解説やエピソード、出演者の紹介が載っております。表紙の写真も、それこそ『~ドールズ』のものであります。

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