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山遊び・海遊びやカメラ・写真、星、電子工作(真空管・スピーカー等)の記事を中心にブログに掲載しています
南竹 成己

雨の日の工作

2013年05月14日 | インポート
Dsc_0198
雨の日の工作

このアンプは、2008年に作った12AX7-6BQ5プッシュプルアンプの改修(リフレッシュ)と"maki-amp"のテストを兼ねて。6AS7(6080)シングルアンプを作ってからは回路の実験に使っていたので、元に戻す意味もありました。

初段管は12BH7または12AU7。出力管は6146系送信管を検討し、実験していました。でも現有の電源トランスでは、B電圧(真空管の動作にはヒータ電源,高圧のB電源,バイアスのC電源といろんな電圧・電流の電源を用いる。)が不足。電流も不足。ということがわかりました。でもすでに6146系の送信管を使用するように今までの6BQ5用の小さい穴を大きく加工してしたため、サイズの小さいMT(ミニチュア)管の6BQ5には戻れなくなってしまっていました。

このため、設計変更して6146系送信管と同じソケットを持つGT管タイプの6V6GTとしました。でも手持ちの6V6GTは2本しかありません。でもプッシュプルアンプは全部で4本必要となります。。。とりあえず片チャンネルだけで完成させて、後に6V6GT2本を揃えるという事で。

初段も出力段も定電流バイアスとした差動プッシュプルの回路としました。真空管1本毎に定電流回路を入れて調整なしで各管の電流値が揃うようにしています。プッシュプルアンプは特性の揃った2本の真空管が望ましいですが、この回路ではそれほどシビアになることはないかな。実際に片方はNEC、片方はマツダ(東芝)製の6V6GT。見た感じも違います。

音はさすがにプッシュプル。低域に力があり、音の量感は前回作った6080シングルよりもずっと上。とてもパワフルです。小音量でもスケール感があります。狙い通りになりました。今、片チャンネルだけで聴いていますが、6V6GTが2本揃うと完成です。片チャンネルでも低域の十分な量感を感じられますので、完成するとなかなかいいかも。ただし、初段管は内部抵抗は小さいですが、増幅率は小さい真空管です。出力管も本来はパワーのあるビーム管ですが、三極管として動作させています。よってスピーカーは選びますので、音質重視のアンプといったところでしょう。出力は概算6Wというところ。A級動作しているので、プッシュプルとしては物足りないものの、高能率のスピーカーと組み合わせると大音量でも歪まずびくともしません。その気になればビーム管で大出力も可能です。




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12BH7(日立製)底部のガラスにオレンジ色が反射してきれいです。