吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

『世界の支配者』に登場するエプヴァント号はどんな姿をしていたのか?

2024-11-18 15:15:00 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)が考えたエプヴァント号という万能の乗物をAIを使って考えてみました。

※ジュール・ヴェルヌ『世界の支配者』

 空飛ぶ巨大艦『アルバトロス号』を駆ったロビュールが再び現れ、今度は万能の『エプヴァント号』で世界の心胆を寒からしめます。

 地上を高速で走り、空を飛び、水に潜ることもできるエプヴァント号。いったいどんなカタチだったのでしょう?

 早速Geminiに指示を出してみましょう。

 こんな指示です。『画像生成依頼です。お題は「ジュール・ヴェルヌの小説『世界の支配者』に登場する万能の乗物エプヴァント号」です。エプヴァント号は時速200キロで走り、水の中に潜り、翼を展開して空を飛ぶこともできます

 さて、どんな画像が・・・

※飛行機と潜水艇が分かれてしまった⤵️💦。

※飛行機と潜水艇がどうしても一緒にはならないようだ。


※え💧空を飛んでる方がエプヴァント号⁉️

※これでは飛べんだろっ❗

※うーん、速くなさそう。

※昔のSUV⁉️

※地上を走ってる分にはイメージ近い。


※どうやって飛ぶんだろう❓💦


※これで水に潜る⁉️ウ、ウソや❗ウソや言うてくれ‼️

※ボンドカーみたいになった💦


※まんま飛行機

※現代の技術ならこうなるか‼️
 意外だがこれはアリかも❗


※これならナットク❗ですね♥️


『征服者ロビュール』のアルバトロス号はどんなカタチをしていたのか?

2024-11-02 10:21:00 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 ジュール・ヴェルヌ作『征服者ロビュール』に登場するアルバトロス号をGeminiによる画像生成で考えてみました。

※ジュール・ヴェルヌ『征服者ロビュール』
 気球や飛行船しかない時代に画期的な航空機を登場させたSFです。

 飛行可能かどうかはともかく、常識的には扉絵(↑これもGeminiで画像生成しました)のようなスタイルだったと思われています。

 実はディズニーによって『征服者ロビュール』は映像化され、アルバトロス号(↓)も復元されています。

※ディズニー版『アルバトロス号』
 ジブリ映像『天空の城ラピュタ』に登場するワンダーシップ号のネタ元といわれてます。

 今回はまったく斬新なアイデアをAIに出してもらおうという試みです。

 AIに命令を与えて画像生成してもらいましょう。わくわくっ❗

 『画像生成依頼です。お題は「ジュール・ヴェルヌのSF小説『征服者ロビュール(Robur le conquerant)』に登場するアルバトロス号がパリ市街の上空を飛ぶシーン」です。艇体に上向に付いた多数のローターを回転させて浮かぶ想像図を考えてください。
 こんな命令を与えてみました。


※飛行船になってしまった💦

※一応ローターが付きましたがまだまだ飛行船💦

 飛行船ではありません、と命令を追加。

※飛行艇っぽい💦

 回転翼です、と命令を追加。

※今度はヘリコプター⁉️

※ドローン風に変化💦

※アルバトロスの名前に反応した💦

回転翼を増やして、と命令。

※『ゲゲゲの鬼太郎』がカラスの群に紐をつけて飛んでるみたいになってしまった💦


※戦艦+ヘリコプター❔
 イメージ的にはコレかも。


※これが最高傑作‼️
 やや飛行機っぽくて原作の設定とは違う気もするけど、誰が見ても『アルバトロス号』と言われてナットクするでしょう。
 AI恐るべし‼️














H.P.ラヴクラフト『インスマスの影』新潮文庫/令和3年4月20日7刷(その2)

2023-03-25 15:44:00 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
(その1からの続き)
 なお、表題の絵は『幽霊の悪魔(チェンソーマン)』です。念のため。

 では書評に戻ります。

※H.P.ラヴクラフト『インスマスの影』新潮文庫

 第2話『ダンウィッチの怪』
 いよいよヨグ・ソトース神の登場です。
 異世界への門を司る邪神・・・と言ってもこの話、邪神自体は登場しません。
 登場するのはヨグ・ソトース神が白子の女に生ませた息子です。なお、この本ではヨグ・ソトホート神と表記されています。
 これは作者ラヴクラフトが「人間には発音できない名前」を何とか書き記そうと努力したためで、何と発音するのか未だに定説がないのです(笑)。

 山羊を思わせる顔つきをした、どこか人間離れした外見の息子は異常な速さで成長し、自らの出生について調べるさなか怪死します。実はその息子には不可視の兄弟がいるようだ、というのがストーリー。

 何かの拍子にチラと垣間見れることがあるその姿は『幽霊の悪魔(チェンソーマン)』に似ているらしいのです。

 ただし顔は半分しかないらしいです。
 左右どっちなのか、はたまた下半分なのか判然としないのですが、半分はまだ異次元に留まっているのかもしれません。

 この怪物が撃退されるまでがこの話ですが、父親であるヨグ・ソトホート神はどうしているのでしょう。今もきっと異次元からこの世界を窺っているのでしょう。

 あなたもクトゥルー神話のおどろおどろしい世界に触れてみませんか❓
 入門用として最適の一冊です。
 おすすめします。

 (つづく)

H.P.ラヴクラフト『インスマスの影(クトゥルー神話傑作選)』新潮文庫/令和3年4月20日7刷(その①)

2023-02-20 11:01:00 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 ついに買ってしまいました。クトゥルーです‼️

 世間にはここから派生した物語が溢れかえっていますが、これこそが原典です。
 やはり原典を正しく知らずして語るのは邪道に違いないということで、これから読み進めて行こうと思います。
 7つの短編が収められています。
 
 異次元の色彩
 ダンウィッチの怪
 クトゥルーの呼び声
 ニャルラトホテプ
 闇にささやくもの
 暗闇の出没者
 インスマスの影

 今日はその中から第一話《異次元の色彩》を取り上げてみましょう。

 それにしても怪奇小説とは誠に難しいものだと思います。
 ヒトにとって何が怖いのかを考えてみれば「正体のハッキリしないもの」がイチバン怖いのです。新型コロナウイルスにしても「正体不明の悪疫」である間はとても恐ろしかったですが「新型コロナウイルス」と名前がついて、アルファからオミクロンまで株の分類も進んでくると「何とかして対処しなければ」という気になってくるから不思議です。

 わかってしまえば恐怖は半減してしまいます。ヒトを怖がらせようとする怪奇小説は「ハッキリ描写してはならない」という矛盾を内包しているのです。

 その意味から言うと「異次元の色彩」は稀有な傑作であろうと私は思います。
 何が起こったかの説明は一切ないままに、起こった怪異現象が語られていきます。

 奇妙な隕石が飛来したあと、忘れられかけた開拓地に起こる怪奇現象。
 隕石は柔らかく、いつまでも熱を発していて、だんだん縮んでいく。あたりの植物は異常な発育をして奇妙な色彩が乱舞する状態になったかと思うと枯れてしまい、広大な砂地が現れます。住人は真っ黒に変色し(生きたまま)おき火のように燻り、身体が崩れて消滅します。隕石とともにやってきた「何か」は一部が宇宙に還り、一部は古井戸の底に潜んでいます(たぶん)。すべては謎のまま、いずれ村ごとダムの底に沈むことが暗示され、物語は終わります。

 現代科学の目で物陰を解明するなら「隕石は未知の放射線を発して動物を生きながら焼き尽くし、植物の染色体を異常なものに変えた(質量をエネルギーに変換しているのでだんだん小さくなっていく)」となるのでしょうが、それではSFになってしまい怪奇小説とは言えなくなってしまいます。怪奇小説とは、ことほど難しいものですが、この作品は素晴らしい成功を収めた傑作といえるでしょう。

 ラヴクラフト自身も「最も好きな作品」と言っているようです。

 次回は第二話「ダンウィッチの怪」の予定です。いよいよヨグ・ソトース神の登場です。
 クトゥルー神話入門書として最適の一冊だと思います。ぜひお買い求めください。

(つづく)

 

山田正紀『ここから先は何もない』(2/2)河出書房新社/2022年4月20日初版発行

2022-12-19 15:54:00 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
(承前)
 さてレビューの続きです。
 物語の中核となるトリックの謎解きは興醒めだからやめておきますね(期待していたヒトごめんなさい💦)。


※山田正紀『ここから先は何もない』

 この物語における壮大なペテンを仕組んだのは所謂「スーパーコンピューターネット」そのものだ、という結論が導き出されます。地球が誕生して46億年、それ以来生物が進化を繰り返してきた真の目的
は「神にも等しい超AI」を生み出すためだった、というのが超AIが用意した人類への回答だったという話なのです。

 こうした考えはSFの世界では目新しいものではありません。名前は忘れましたがフレドリック・ブラウンの短編に「世界中のコンピューターをネットで連結して超AIを作り出す」話がありました。

 完成した超AIに科学者が長年暖めていた質問をします→「神は存在するか❔」→超AIの出した答はイエスでした→「イエス、今こそ神は存在します」。

 絶対的な知性を有して滅びることのない超AIなるものこそは未来における「神」なのかもしれません。

 膨大な記憶容量を持つ超AI、あとは意思さえ獲得すれば人類に取って代わるかもしれません。映画「ターミネーター」に登場する「スカイネット」のように。


※ターミネーターに登場するスカイネットは人類を滅ぼす決定をします。

 超AIによって探査機に組み込まれたトリックに誰も気付かないまま宇宙計画が進行していきます。人類は分業が進み過ぎて計画全体を把握している者がいないのです。自分たちの職務を果たしているつもりで実はトンデモないものを作り上げていることに全く気付かなかったというのです。

 コンピューターは人間に取って代わることができるのでしょうか。人間のような魂や意思を持つことはあるのでしょうか❔

 そのカギは「記憶」にあります。

 実は個々人を規定しているものは「記憶」なのです。

 「このヒトは○○さんです」と証明してくれるのは身近なヒトの記憶です、つまるところ。IDカードやDNA判定はあくまで補助手段に過ぎません。個人を個人たらしめているのは「記憶」に他なりません。

 記憶について面白い話をお伝え致しましょう。「ストーンオーシャン(ジョジョの奇妙な冒険)」では他人の記憶をディスクに変えて抜き取るホワイトスネイクなるスタンドが登場します。記憶とスタンド能力を抜き取られた空条承太郎は生ける屍状態となってしまいます。


※荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』から、ホワイトスネイクと空条承太郎(フツーの人間にはスタンド能力はありませんから抜かれるのは記憶のディスク1枚だけです)。

 このエピソードには一面の真理が含まれていると私は思います。個人を規定しているものは記憶です。記憶こそは「魂」の正体だと言ってもイイのではないかと思います。

 「個人」を英語で言うと「individual」です。これは「分割できないもの」という意味であり、人間とは共同体だという考え方が根底にあると思われます。共同こそは人間の特質なのですから。「共同」をキーにして世界を見渡してみると、この世界の中にあるものは「神(自足して共同する必要のないもの)」と「人間(都市に住み共同するもの)」と「動物(争い合い共同できないもの)」となりますね。「人間」とは共同体(人間の集合)までを含んだ概念なのです。

 個人の肉体は滅びるとしても記憶は共同体に残っていきます。よく「人間は二度死ぬ」といいます。一度めは肉体が死んだとき、二度めはその人を知る人間が一人もいなくなったとき。

 昔の武士は「命を惜しむな名こそ惜しめ」と言いました。共同体の記憶に残ることが「魂」の正体なのだと私は思います。肉体が滅びたあとは当然「無」になります。「魂」が残るのは他人の記憶の中だけなのです(脚注↓)。

 これまでは、細々と印刷物や手書きの紙の上に残されては破棄されてきた「記憶」ですが、コンピューターやネットの発達によって膨大な量の記憶が記録されるようになりました。
 ネットに記録された記憶の量はいち個人の及ぶところではありません。コンピューターは記憶の量では既に人間を超えています。(与えられたプログラムによるものとはいえ)いまやビッグデータの分析やアルゴリズムによる記事内容のチェックまで行うようになりました。AI(人工知能)が意思や判断力を得るまで「あと少し」のように思われてきます。

 そう考えるとブログを書く行為も、次世代へ記憶を引き継ぐことになるのかもしれません。私という個人が死んだ後もブログは残るかもしれませんから。私が書いた記事も、いずれは超AIの記憶の一部として生まれ変わる可能性もある、とイイな🎵。

 お互い頑張って書き続けましょう。

 (この項おわり)


(脚注)私は来世やあの世を信じていません。人間は死ねば消滅して全てオワリだと思っています。魂が残るなどと考えるのは「死んでも命がありますように」という甘い考えだと(合理的に)結論しました。なんとなれば「霊の存在」なんぞを感じるのは生きた人間だけですから(笑)。ただの幻想だと思っています。